中田英寿の軌跡

イタリアのヒデ

11月15日サレルニターナ戦

 同僚と話していたら、「なぜJリーグは入場料収入でやっていけないのか。プロ野球はやっているのに。」とのたまったので、ちょっとショックだった。いったい、プロ野球が入場料収入だけでやってるなんて、どこでどういうふうにそんな話になったのだろう。こう言うのが普通の認識なのかな?
 ちょっと前の話だけれど、群馬県がプロ野球を呼んでゲームを主催したとき、あまりにその有料入場者数の少ないのに驚いた、という報告があった。2万人の入場者に対して、自腹を切って見に来た人が少なくて、主催者の県にはほとんど利益が入らなかったのだそうだ。
 同じ年に富山県がフリエのゲームを主催した。やはり、2万人の入場者(Jブームの年だった!)に対して、経費は2500万円、有料入場者の平均入場料は2500円なので、利益は2500万円を超したそうだ。プロ野球は見たい人がそのお金を払って見るという、単純な仕組みにはなっていないらしい。チケットは販促に使われ、それは必ずしも野球が好きな人に渡るわけでもないようだ。 
 フジタの社長さん(会長さん?)はサッカーが好きらしい。なんとか、好きな人が好きなチームのゲームを見る、そんな形でチームが残るようにしてくださいね。市民株主を募集してくれれば、すぐにでも応募しますよ。私は。
 セリエを見ていると、どのチームのサポーターもほんとサッカーが好き、という感じに見える。やっぱりうらやましい。

前半45分

0分 Sはすごいスピード。中央を突破される。
ヒデも引き気味かな。
左下にいる。おなかでトラップ。素早い反応。横にはたくがSのプレスきつい。
一瞬背中のアップ。大きな声を出したみたい。Sはとにかく元気。ヒデはペナ左横まで戻っている。
左下に張り付きっぱなし。ゴール裏スタンドは男性のみ。しかもみんなサングラスをかけている。こわい。
S、左CK。カウンターをしかける。初めてS陣に入る。ヒデはトップでプレスをかける。
自陣中央で持つがチャレンジを受ける、大きくターンしてかわし、左へはたく。
下位同士の対戦に、スタンドのこの熱狂はどういうものだろう。
右ハーフライン、胸トラップから倒れ込みながら右へ腰をひねってペトラッキへのパス。さらにメッリのパスを中央で受けて、ドリブル、Dの左からミドルSH左足、クロスバー。スタンドを黙らせる。
ボールを待っている時の姿が前傾姿勢。しかし、ボールが出そうになるや、ダッシュの速いこと。この時点でマークを完全に振りきっている。
10 中央へ戻ってボールを追いかけている。走る姿はその昔のベッケンバウアーのようだ。ちょっとほめすぎかな。でも、バロンドール50人の候補に入ったのだから、このくらい言ってもいいでしょ?
11 中央で守備。絡まないでパス出しを狙う。こういうゲームではこれが賢いと思う。
12 ペルージャ、正面30mからのFK。ラパイッチが狙う。ヒデはペナスポット左後ろにいる。
13 ボールを持ったラパイッチに寄っていく。すれ違いざま、パスを受け取ろうとするが、届かない。
14 ラパイッチ傷む。
15 左サイド、相手ボールに足を出してカット。
16 後方からのパスを流して、ターンを狙うが奪われる。
17 S、速い攻撃。
18 右サイドでパスカット。
19
20 右でパスをカット。左下奥に浮き球で出すが、届かない。ラパイッチのFK。
21 左下、速いアプローチで攻撃を遅らせる。取りに行くチャレンジだった。
22 CC左下から大きく右サイドのペトラッキへ。
23 左ハーフライン上から前へスルーを狙うが、後方からのチャレンジで奪われる。
24 左下で守備。
25 CC下ヘッドでさわる。
26 今度は右下で守備。防戦一方である。
27 右サイドドリブル。相手3人を引き連れて、威風堂々。
28 CCから長いパスを前線へ。ペナ前に落ちるが、キーパー、クリア。
29 左からサイドチェンジ気味のクロス。
30 再三、中央を突破される。SHがへただから助かっているが。
31 手をあげてDFにコーチング。腕の上げ方が自信に満ちている。
32 Dの左から右上すみを狙ってSH。
33 ハーフライン上でDFが持った球に対して、アプローチ。
34 中央前の本来の位置あたりにいる。
35 球際、争うが一瞬遅かった。
36 S、左CK。いつも通りDのあたりにいる。
37 S、攻勢。
38 中央を走っている。
39 前線へ出て、相手ボールにアプローチ。S、攻勢。ペナ内に攻め込む。
40 中央、パスカットを狙うような位置にいる。
41 中央から左へスルーパス。合わない。次の目標を見ていたヒデは、振り返ってあっと言う表情。
42 味方ボールに下から懸命に上がる。SのDFはついてこれない。
43 メッリから中田左へスルー、ラパイッチ。左CK、ラパイッチ。
44 中央を大きく動き回って、ボールに寄っていく。
45 ロスタイム2分。右ペナ前の密集、ヒデからメッリ、よく見えないが細かいパスを通す。CC下で相手ボールを奪う。タックルをかわして左へ出す。

 せんだって、爆発物の投げ込まれたスタジアム。観客席に張ってあるネットはそれから後のものだろうか。とにかくサポートがすごいようだ。昨シーズンまではセリエBのチームなのに、この熱狂はなんなんだろう。

後半45分
 オフィシャルHPの本人メールで問題にしているのが、「AWAYで極端に下がってしまう」チームの癖。それについてやりとりした会話がメールに載せられているので、必見です。印象的なのは「こわいんだ」というチームメイトの言葉で、これはイタリア語の会話だそうだから、日本語の文字通り「怖い」のかあるいはもしかすると「強い」のか、ここらへんの語感はわからないところがある(ヒデのイタリア語というより、日本語の語学力を疑っているのよ)。
 「下がられると運動量が増えてたいへん」とも書いているが、オフェンス系の選手が戻っていると、私なぞ「こんなところまで戻っている、献身的!」ってな感想をつい持ってしまう。下がり方にもやっぱり意味があるわけで、ほんとに献身的かどうかはチーム全体の、あるいはゲーム全体での動きの意味合いを考えていかねばなりませんね。

0分 チェイス。高い位置を保とうとしているのだろう。
奪って下へ、前へゆっくり。やっぱり全体が下がっているので、攻められない。
下がらざるを得ないと言う感じでスタートより20mくらい戻っている。
ゼ・マリアが奪った時点で前線にいる。左サイドのラパイッチに回ったところで画面からは消えてしまった。サイド深く上がったラパイッチの後方に入ったのだろう。
S、やや右より25mからのFK。ヒデはDの前でマンマーク。
左サイドFKから、前線の基点となる。厳しいチャレンジを受けてもボールのコントロールは失わない。
コロンネッロが左サイドを上がる。ヒデはゆっくりその後方へ。
奪われたところで後方の相手ゴールを振り向いて見ている。オフェンスの選手が思い描くのは常に相手ゴールだ。
S、右CK。D右寄りにいる。クリアを拾ってドリブル、後ろから引っかけられる。
相手DFが持ったところにタックル。ちょっと遅れてぶつかった。
10 S、左CK。ゴール。さんざ、外していたがやっとという感じ。
11 CCでドリブルをはじき飛ばして奪う。その後深いタックルで奪われてしまう。
12 ペルージャもこうボランチの守備が効かないと、苦しい。ヒデも戻らざるを得ないわな。
13 相手FKのポジションへ球を持っていったのがヒデ。つまらんところでアップになっている。
14 また、ボランチ抜かれる。こうなるとオフェンスも戻らざるを得ない。
15 SのDF、高い位置から果敢に奪いに来る。この場合右サイドをペトラッキに抜かれたら、3対2になるのに。
16 右ペナ前まで戻っている。周囲に首を振って見ている。スローインを受け取るときもかなりきついプレッシャーを受けているが、これだけ見ていれば球の出しどころも判断できているのだろう。逆サイドへの横パス。
17 ペルージャ、正面40mからのFK。キーパー正面なのにパンチングでクリア。強烈なキック。ヒデはDの中でマンマークを受けている。S、カウンター。
18 中盤、相手の粘り強いドリブルに2度タックル。
19 後ろ向きで強烈なチャレンジを受ける。ラパイッチへのパスが浮いてしまった。サイド、4人に囲まれる。後ろに戻さざるを得ない。味方センターバックが持ったボールに対して、ボランチの間まで戻ってきている。
20 S10傷む。
21 Sのボランチもダブルなのだろう。右が前方のアプローチに行くと左がヒデのマークに入る。そのアプローチの激しさにヒデ、キープしきれない。
22 ペルージャ、右からFK、ゼ・マリア。一瞬表情が映るが、何か大きくうなづくような感じ。誰かにしゃべっているのだろう。
23 ペルージャDF、球の出しどころがない様子。
24 Sの攻撃、3トップとオフェンス2でくる。ボランチ2はCCより前にいるみたい。ヒデにはボランチのどちらかがきちんとついている。
25 2人に挟まれる。どうもヒデには2man to manのようだ。ボランチの受け渡しなんてものではない。徹底している。
26 ボールデッドの時、腰に手をあて、立っている姿が一瞬映る。平塚では、このポーズをする前後は運動量が落ちる時。
27 ドリブル、タッチが長め、挟まれて取られる。奪い返しにいく。
28 左でもらおうとしたら、強烈なスライディングタックル。
29 左に回り込むようなドリブルだが、抜ききれない。後ろに戻す。
30 デルモンテ、足をすくわれました。なんて聞くと、ケチャップの瓶が倒れてるみたいだ。
31 S、Dの前からFK。ヒデはDの右端にいて、ポジション争い。足を引っかけられて転ぶ。俺ならけ飛ばしてやるところだが。
32 オリーベとポジションをかえているかな?ペルージャ、右から攻勢。やや後方に下がってDFの視界から消え、スペースをうかがう。ニアポスト前へ走り込んで、倒れ込みながらSH。キーパーに取られる。
33 Sはボランチの4が前線まで出てきて、ボールを奪いに来る。
34 サイド、アタックを受けながらキープ。ゴール前へクロスを上げる。昔、等々力でこの位置から上げたクロスが、柱谷のケガを呼んだのを思い出す。そういや、ラモス引退と同時に柱も退団のようですね。
35 ぶつかってきた相手が勝手に倒れた感じだが、ファウル。
36 Sの攻め、果敢というかなんというか。とにかくドリブルで突っ込んでくる。
37 ヒデくん特に目立ったプレイしてないのに、アップで映る。どういう意図だろう。日本向けサービスかしら。
38 左前でもらって、サイドへ展開。
39 SのFKに対して、壁になったみたい。
40 味方のボール保持に対して、こっちだと指示している。
41 ペルージャ右からFK。ペナの右寄りにいる。
42 右ハーフライン上でのキープ、再三のインタセプトとチャレンジを受けるが、なんとかパスを出す。そのまま左へ長い距離を上がる、左ペナでボレーSH。DFに当たっちゃった。
43 なんだか、ヒデのメールに触発されて、いろいろ書いてるので疲れる。自分も戦っているみたいな錯覚。そのうちエスカレートするとストーカー的心理に陥っていくのだろうか。
44 ヒデくん、DFラインまで戻ってきて、再び上がる。併走しながら攻撃に加わろうとするが、味方の起点が保持しきれない。悔しそうな身振り。しかし、ほとんどオフサイドのない試合だな。
45 ロスタイムが4分。左の方にいる。あら、Sゴール。入っちゃったねえ。再生で見るとペルージャDF立ったままですね。

感想
 HOMEとAWAYではほんとに違うチームのようだ。これだけ、変わるのもおかしいと思う。契約さえ整えば、早々に移籍した方がいいかも知れない。もう少し、AWAYで根性のあるチームに入らないと、見ている私がつまらない。ま、HOMEで強いのが理想ではあるけれどね。ただ、ペルージャにはなんのつながりもないもので、ヒデの活躍さえ見られればいいと。
 ベルマーレのサポーターとしては、心配なのが今後のスポンサー。フジタ撤退の話、その後進展がないようだけれど、どうなったのかしら。どなたか、ベルマーレお買いあげになりませんか。赤字も少ないし、2002年に向けて、いい投資だと思いますが。

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