ロータスとゴディバ・チョコレート


 過去のロータス車(1958〜1967)に乗せられたエンジンのヘッド・カバーには裸婦が馬に跨ったシンボルマークに「GODIVA」(写真左)と刻まれています。
そしてベルギーのチョコレート会社「ゴディバ」でも同様なシンボルマーク(写真右)を社章としています。



ところで 同じマークを付けたロータスとゴディバ・チョコレートとは一体どんな関係があるのでしょう?
そこには次のような由来が有りました。

「ゴディバの名は、11世紀の英国コベントリーの伯爵夫人レディ・ゴディバに由来します。 シンボルマークである馬に跨った裸婦こそが、重税を課そうとする夫を戒め、苦しむ領民を救うため自らを犠牲にした誇り高き彼女の姿です。 領主である夫は領民への重税の免除と引き換えに、彼女に一糸纏わぬ姿のまま、馬で町を駆け廻ることを言い渡したのです。 ついに聖霊降臨祭の次の金曜日に、彼女は白馬に乗って町を廻ったのです。 領民たちはそんな彼女の姿を見ないように、窓を閉ざし敬意を表しました。」
(ゴディバ社のH/Pより引用)
これを讃え、馬に跨った裸婦像がコベントリー市のシンボルとなりました。
またさらに1793年に記念コインも作られました。


チョコレート会社ゴディバの創始者ジョセフ・ドラップスと妻ガブリエルは、レディ・ゴディバの勇気と深い愛に感銘し、1926年ベルギーに誕生した自らのブランドに「ゴディバ」の名を冠しました。

一方、エンジン・メーカー「コベントリークライマックス社」はコベントリー市に創業し、消防ポンプ用エンジンを製造していました。 その信頼性と高性能のエンジン・ヘッドカバーにコベントリー市のシンボルである馬に跨ったゴディバ像を刻みました。
ロータスの創業者コーリング・チャップマンは軽量でしかも信頼性の高いエンジンを求め、「コベントリークライマックス社」のエンジンを自社の車両に搭載しました。 エンジンのその性格から数々のF1レース等で好成績を残し(1958〜1966)、市販車ではロータス・エリートに搭載され、オール・プラスティック軽量ボディーとの絶妙なバランスで卓越したハンドリング・フィールをもたらしました。