藤沢市議会98年12月定例会・一般質問
98年12月「市議会の記録」(議事録)より抜粋します。
- 12月18日・一般質問
- 国松誠(湘南政心クラブ)
- 「次に、件名3、教育行政についてお尋ねいたします。要旨について、小・中学校の学区制度のあり方についてといたしましたが、これについては去る10月27日付の読売新聞の夕刊に『先生と呼ばないで』と題して次のようなコラムが載っていました。この記事の記載内容から質問いたしますので、多少ほかの項目まで広がることをお許しいただきたいと思います。その記事に書かれていた人物については、神奈川県藤沢市の小学校教諭、佐々木洋平さんとしてありました。この記事の中に一部私が疑問に思う箇所がありましたので、その部分を抜粋して読み上げます。『佐々木さんは、湘南に新しい学校を作り出す会の会長だ。学習内容は子ども自身が決める。学年や学級の枠をなくす。学区は設けない。大胆な発想の新しい公立小学校をつくる運動を始めて1年になる。』とありました。文部省は小・中学校における新学習指導要領の西暦2002年実施を目指した新たな取り組みに入ったことは、認識をいたしております。このような趣旨の学校は、公立学校として実現可能なのか、教育委員会のお考えをお伺いいたします。
丸山恭一郎学校教育部長
- 「御指摘の、大胆な発想の新しい公立小学校が公立学校として可能なのかとの御質問にお答えいたします。
1点目の学習内容は子ども自身が決めるについてですが、学校教育法施行規則では、小学校の教育課程は国語、社会、算数、理科などの各教科、道徳並びに特別活動によって編成するものとされており、さらに小学校の教育課程については、教育課程の基準として文部大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものと規定しております。したがいまして、すべてにおいて子どもが自身で学習内容を決めることは困難と考えております。
2点目の学年や学級の枠を外すにつきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の基準に関する法律により、学級編制については同学年の児童または生徒で編制するものとされ、また学級数によって教職員の定数措置がなされておりますので、学年や学級の枠を外すことは困難と考えます。しかし、学習上の形態として現在でもティーム・ティーチングなどを活用し、二つの学級を三つのグループに分けて学習し効果を上げている実践例もございます。
3点目の、学区は設けないにつきましては、市町村の教育委員会は当該市町村の設置する小学校または中学校が2校以上ある場合は、学校教育法施行令の規定により、就学予定者の就学すべき小学校または中学校を指定することとされております。このことにより、教育委員会ではあらかじめ各学校ごとに通学区域を設定し、これに基づいて就学すべき学校を指定しております。したがいまして学区は設けなければなりません。以上のことから、現行法の中でこのような趣旨の公立学校の設置は不可能であると考えております。よろしく御理解のほど、お願いいたします。」
国松誠(湘南政心クラブ)
- 「ありがとうございました。3番目の教育行政についてからいきますが、多分アメリカのチャータースクール的な発想ではないかなと思うのですが、ただ現時点では難しいということでございまして、私が一番気になるのは、この方は多分現職の小学校の地方公務員ではないかなと思うのです。その方が文部省の学習指導要領に反してこのようなことを宣伝されるということは、大変問題があるような気がいたします。特になぜ学区としたかと申し上げますと、私のところにも市民の方々から、あそこの学校にいきたいのだけれどもと、いろいろな陳情が来るわけございます。その中で、学校の先生みずからがこういうことを言われるということは、非常に問題ではないかなと思いますので、今後においてもう少しどういうことなのか、まだ新聞が出たばかりなので教育委員会としても調査不足ではないかなと思いますので、きちっと調査をされまして事実関係を確認していただきたいと思います。要望にしておきます。
- さぶぅの注1
- 「湘南政心クラブ」は9名(平成11年4月5日現在)で藤沢市議会(旧議会)の最大会派です。
- さぶぅの注2
- 国松誠議員は、昭和36年生まれ37才。市立浜見小・高浜中・県立藤沢西校高卒。明治大学法学部卒。衆議院議員藤井裕久秘書。当選二期、三期目を目指して99/4統一地方選挙で立候し当選(得票数と順位)。公約で教育関係のものは「学校給食に民間活力導入」があります。
- さぶぅの注3
- 文中の「湘南に新しい学校を作り出す会」はホームページが開設されています。
- さぶぅの評1:
- 変革にはモデルが、モデルができるには異質なものを誕生させるシステムが必要です。民主主義とは小数が多数になるためのシステムといえます。アメリカの「チャータースクール」とは「特例校」という意味です。特例として認可された社会実験の結果が吉と出て、それをモデルとして多くのチャータースクールが誕生し、いまや「特例」が「普通」となりチャータースクール設置の州法も制定されています。
たくさんのチャータースクールが誕生した背景にはインターネットが大きな役割を果たしました。学校が教育に関する情報を独占しそれを児童・生徒に提供するという形が崩壊してから久しい。この場合、学校の競争相手は塾や予備校の受験産業や高学歴化した保護者達だったのですが、今や学校や受験産業や親の持つ情報を凌駕するまでにインターネットが発展した。インターネットを通じて、必要な情報やアドバイスを得ることが可能となったことで、立地や規模にとらわれずに学校を開設することが容易になった。日本版チャータースクールの開設の機は熟している。
- さぶぅの評2:
-
「現職の小学校の地方公務員」が「文部省の学習指導要領に反してこのようなことを宣伝」しているのは問題だとしている議員の方には誤解があるようです。
学校の危機が叫ばれて久しい。校内暴力・管理教育・いじめ・不登校・こころの教育・学級崩壊と万策尽きた様相を呈している今、前向きな提案を歓迎し耳を傾ける気持ちを藤沢市民なら誰でも持っています。それは当の議員に「あそこの学校に行きたい」と市民からの問い合わせがあるとことからも新しい学校に対する関心の高さが伺われます。
教育は文部省や教育委員会がやっていればよいわけではなく、地域の市民が責任を分担して取り組むことが求められているのですから、教育委員会に調査を申し入れる前に、議員が自分から「湘南に新しい学校を作り出す会」に接触して、良いところを取り上げ教育行政に反映させるように努力して頂きたい。
聞くところによると、同会はすでに藤沢市教育委員会への要望も行ない、自民党への要請も行っているようです。市議会議員に対しての要望もやがて行われることになると思われます。
(99/5/27記)
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提供:さぶぅ
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