株式会社プロネット主催
第2回不動産セミナー「満室経営の秘訣」(要旨)
日時:2000年9月2日(土)
会場:湘南NDビルディング8F(藤沢産業センター)
講師:エイブル保証株式会社 代表取締役 早川 政章氏
注)この要旨は、早川氏の講演テープに基づき当社にてまとめたものです。もしもこの内容に誤りや不備がある場合は、講師ではなく、すべて当社の責任であることをお断りしておきます。


満室経営の秘訣

【大家さんから経営者へ】――家業から事業へ、そして、所有と経営の分離へ――
賃貸市場は借手市場で、マクロで見れば供給過剰となっている。そのような環境でも、賃貸市場の勝ち組といわれる建物、家主さんがいるが、このような方たちは、不動産賃貸を事業として考え、経営者の視点で、常に世の中の流れの変化に対応すべき姿勢で臨まれている。つまり経営者の視点とは、保有物件を積極的にお金を生む形にしようとしているか、どうすれば及第点といえるかを把握しているか、ということである。
欧米では、さらに「所有と経営の分離」に向かっており、経営はプロの管理運営会社に委ね、オーナーの仕事は最大の成果をあげる管理運営会社を選ぶことになっている。
良い物件とは、入居者が満足するものであり、そのためにはお金をかけなければならない。また、自分で手をかけるより、ある程度コストがかかってもプロに任せた方がコストパフォーマンスは良い。

既築物件危険度チェック
(1) 年間入居率 < 92%
(2) 新入居者賃料/前入居者賃料 < 95%
(3) 法定点検を適正に行っていない。
(4) 月2回以上の簡易清掃、目視点検を行っていない。
(5) 年2回以上の定期清掃を行っていない。
(6) メンテナンスを適切に行っていない。
(7) 設備、間取りなどの陳腐化に対応していない。
(8) 環境の悪化が著しい。(近隣マンション建設による日当たりの悪化)
(9) 入居者のクレーム窓口(24時間対応がよい)の設定がなされていない。
(10) 複数の仲介業者の募集広告がいつもある。


【マンション・アパート プロの企画】
1. 事業としての安全性を重視する。
利回り等の計数的な指標を活用する。
2. 30年後にも魅力ある建物を目指す。
これまで、賃貸物件より保有物件の方が良いというのが業界の常識だったので、賃貸物件には良いものを供給してこなかった。

魅力ある建物の条件を満たすために
@ ターゲット(入居者)を明確に想定する。(マーケット調査/分析)
A 建物のコンセプトを明確にする。
B 建物のデザインにこだわる。(色・形にコストはかからない)
C 専有部の空間・採光・通風の要素は最大限取り入れる。
D エントランス、ロビー、空間、外溝は建物の質を決める。絶対おろそかにしない。この部分のコストパフォーマンスは高い。
E インターネット、セキュリティ、バリアフリーは必須項目。
F ごみ置き場、駐輪スペースは重要。
G 本当の建築費を見極める。(コンストラクションマネジメント)
H 長期安定経営の必要経費として、維持管理費、中長期修繕費をまず計上する。
I 設定賃料には高い客観性が求められる。入居者に値頃感、納得感を与えるのがベスト。


ゲスト講師 平野智司先生のお話 (有限会社平野智司計画工房 代表取締役)
これまでは、賃貸はデザイナーなどの関わらない「セット商品」が多かった。
しかし、最近は不動産の所有を人生の目的にしないで賃貸をレベルアップしながら楽しむ層が増えてきた。むしろ賃貸の方が色々な提案ができる可能性がある。それぞれの地主さんには固有の課題があり、固有の回答が必要なので、建築家だけではなくプロの集団として智恵を出し合って対応するのが望ましい。
所有できるまでしかたなくという「消極的賃貸」から提案型の「積極的賃貸」へ。


ゼネコンが設計から丸ごと請け負ってしまい、委託者から見えない世界ですべてやってしまう日本のやり方は世界の常識とは違う。欧米では各段階でプロが関わり、互いに牽制しあいながら造っていく。

【定期借家制度について】
エイブル保証株式会社のホームページ参照

(October 23, 2000 )



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