◇ 医療法人化の税務上のメリット、デメリット

「医療法人化 イコール 節税対策」と考えてはいないでしょうか?

 例えば、東京都医師会が一人医師医療法人に関して実施したアンケートによれば、個人経営の医師が一人医師医療法人に関心を持つ理由は大半が節税対策(71.1%)でした。ところが実際に一人医師医療法人を設立した医師の挙げた「法人化のメリット」では、「経営状態が良くわかるようになった」(30.7%)が「節税効果」(25.0%)を上回っていました。実は節税は、医療法人のメリットの一部に過ぎません。特に、平成11年度の税制改正で所得税の累進率が軽減されたために、法人税と所得税の税率の差による節税効果は期待できなくなりました。医療法人制度の本来の目的は、医業経営の近代化・合理化を図ることにあります。今は医療の世界も競争の時代ですから、実際にはこのような経営の効率化という点がメリットとして大きく評価されているようです。

  1. 事業承継をスムーズに行えます。承継時に元院長が退職金を受け取ることも出来ます。
  2. 個人と法人のお金が完全に別々になるので、事業の経営状態が良くわかるようになります。
  3. 複数の診療所の開設、老人保健施設の開設など、多角的な経営が可能となります。
  4. 院長個人としては、給与所得者となって給与所得控除の恩恵を受けられます。


  1. 利益相反取引(個人・法人間の資産の譲受など)を行う際に医療法上の制約があります。
  2. 交際費課税の規定の適用を受けるので、一定限度額までしか損金に算入できません。
  3. 医療法人の運営できる業務は非常に狭く限定されているので、病院内のレストラン等の営利事業は別運営しなければなりません。

(20 January, 2000)


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