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〜NeptuneによるLAN構築〜 |
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近頃世間ではネットワークが大流行の様子ですが、68でも「Neptune-X」を利用することにより安価にLAN環境を構築できるようになりました。しかし、Windowsでの接続例は数あれど、MACと接続した話というのはあまり聞きません。果たしてどれぐらいの人の役に立つかわかりませんが、人柱となって実践してみました(^^; なお、68側の基本的な設定方法はWindowsの場合と変わらないので、細かく説明していません。DEKOさんのページを参照される事をお勧めします。 このページでは、あくまでMACサイドのフォローという形を取ります(要望があれば68側の設定についてもフォローします)。 |
必要な機材 |
今回はLAN接続の実験ですから、MACには10BASE-Tもしくは100BASE-TXの端子が必要です。PowerMacintoshシリーズや、iMACには標準で付いているものがほとんどだと思いますが、Paformaシリーズなどでは拡張ボードを用意する必要があると思われます。
一方の68側ですが、当然「Nuptune-X」(もしくは「Neptune Evolution」等の互換ボード)とNE-2000互換のLANカード(ISA用のカードは普通この規格です)が必要になります(※1)。
その他、10BASE-T用ケーブルとHUBが必要です。クロスケーブルで直結する方法は成功例をあまり聞かないのでお勧めしません。
※1
現在完成品でこのボードを入手する方法は、いりや氏の「Neptune Evolution」の量産化計画しかないわけですが、こちらの方も11月25日で受付終了となりました。ただ不良品交換などのための在庫があるそうですので、念のためにメールで問い合わせてみると良いかもしれません。後は自作しかないわけですが、Shi-MADさんのNeputune-X HomePageに回路図がありますので、腕に自身のある方はチャレンジしてみるのも良いでしょう。 |
TCP/IPの設定 |
まず最初に「OpenTransport」がインストールされているかどうか確認して下さい。漢字Talk7.5.3以上でインターネットに接続できる環境になっているなら問題ないと思います。MACTCPに関しては環境を持っていないので確認できていません。なお、今回の実験はMacOS8.5で行っています。「OpenTransport」はAPPLETalk以外にTCP/IPをサポートしており、他機種(68含む)とのネットワーク接続ではこちらを利用することになります。
TCP/IPでネットワークするためには、まず自分のマシンのIPアドレス(インターネットでの住所のようなものですね)を設定する必要があります。コントロールパネル等からTCP/IPの設定を開いて下さい。
開いたら、まず新しい設定ファイルを作成します。「ファイル」メニューから「設定」を選択してください。
ここで、「複製」を使って新しい設定ファイルを用意し、「名称変更」で新しい名前を付けます。
この作業をしないと一々チェックボックスの項目を設定し直す羽目になります(以前はここで勘違いしてました(^^;)。
さて、新しい設定ファイルができましたら、これをLAN接続用の設定に変更していきます。
まず経由先をEthrnetに変更します。IPアドレスとサブネットマスクは空欄になっていると思いますので、何も考えないのであれば下の図と同じように入力して下さい。その他の欄はいじらないで大丈夫です。 ただし、DEKOさんのページとは異なるIPアドレスを設定しているので注意して下さい。MACが「192.168.1.1」、68が「192.168.1.2」です。
設定したら保存するかどうか聞いてきますので、「保存」を選択して下さい。これでMACをネットワークに繋げる用意が出来ました(※2)。
※2
ここで一つ注意すべき点があります。「OpenTranport」はWindowsのように複数の接続方法を混在させることが出来ませんし、自動的に接続ポートを切り替える機能も持っていません。従って、普段モデムやTAをシリアルポートに接続してインターネットに接続している場合、いちいち設定ファイルを切り替える必要があるわけです。 |
FTPによるファイル転送 |
FTPを使えば、MACでインターネットから落としたデータなどを68側へ転送することが出来ます。実際にはNeptuneの構造上、(特に大量のデータ転送時は)MO等を使った方が速い場合が多いのですが、普通のサイズのファイルをやり取りする程度でしたら十分実用になります。
TCP/IPを使ったネットワークでは、一方のマシンがサーバー、他方がクライアントという関係でなくてはなりません。しかし、現在68にはサーバプログラムが存在しないため、当然MAC側がサーバーということになります。
FTPサーバーの導入
MAC用のFTPサーバーを色々探してみましたが、「NetPresenz 4.1J」というのが定番ソフトで動作も軽いのでお勧めです。シェアウェアですが、特に機能制限はないようです。
こちらからダウンロードできます。
これ以外でフリーのものとなるとMicrosoftの「Personal Web Server」ぐらいですが、Mac版は機能が豊富すぎてFTPサーバーとして使うのは面倒くさいのであまりお勧めできません(Win版は結構使いやすいんですが)。
ファイル共有の設定
FTPやWEB共有などで外部からのアクセスを許可するには「ファイル共有」を設定する必要があります。しかしファイル共有をONにするにはAppleTalkをONにする必要があります。
手順としては以下の通りです。
(1)「AppleTalkをON」 コントロールパネルか、コントロールバーから選択します。
(2)「共有設定をON」対象のドライブかフォルダの上で「control」キーを押しながらクリックし、コンテキストメニューから「共有」を選択します。MacOS8.5以降では「情報」の下位項目にあります。コンテキストメニューに対応していない場合は、ツールバーから「ファイル」→「共有」と選択してください。
(3)「FTPサーバーを起動」NetPresenzの場合、ただ起動すればオッケーです。
これでMAC側の設定は終わりです。後は68側から「ftp.x」等のクライアントソフトで転送を行って下さい。
BOMBERさんの「ftpkb.x」を使えばファイラーで楽に操作をすることが出来るのですが、現在「Netprezens」ではうまく動作しないようです。対応をお願いしていますので、そのうち使えるようになったら報告します。
NFSによるドライブの共有
ftpが使えればファイルの転送自体は問題なく行えますが、やはり一々ソフトを起動してダウンロードするのは面倒です。NFSプロトコルを使えば、MACのドライブを68側で、まるで増設ドライブのようにマウントし、扱うことが出来るようになります。もちろんファイルのコピーや削除、プログラムの実行も通常のドライブと同じように出来るので、非常に快適な環境を作ることが出来ます。
NFSプロトコルの場合もサーバとクライアントという関係が存在しますが、やはりソフトの関係上MAC側がサーバとなります。このNFSサーバプログラムには「NFSd for the Macintosh」というフリーウェアを使用します。
NFSの場合、共有設定などは特に動作している必要はありません。早速プログラムをインストールします。
ソフトをダウンロードして任意のフォルダーに解凍して下さい。「NFSd for the Macintosh」というフォルダが出来たはずです。このフォルダを開けるとさらに二つのフォルダがありますが、まず「portmapper UNFSv1.0.0 」というフォルダを開けて下さい。
この中の「portmapper.68k」と「portmapper.ppc」というファイルが機能拡張ファイルなので、これをシステムフォルダに放り込んで・・・と行くところですが、実はこれを使わなくとも「portmapper SLIP/PPP」というプログラムを実行すれば代用できるので、常時ドライブ共有をしないという人はこちらを使いましょう。ただし、一度でもPPPを使った接続をしてしまうとうまく動かなくなってしまうようなので、その場合は再起動するしかありません。
次にサーバプログラムの本体を起動します。「nfsd1.5.0b970906」というほうのフォルダを開けて、「nfsd1.5.0b970906 (fat)」というファイルを実行します。
起動したら「File」メニューから「Exports Controle」を選択します。
ここで共有したいドライブ(68側から見えるようにしたいドライブ)をダブルクリックで選択します。ここでは「DATA」というドライブを指定しています。68側でNFSクライアントを起動する際にはこのドライブ名が有効になるので注意して下さい。つまりここの例では「nfs HOST:/DATA」という指定になります。
上記のようにダブルクリックすると、次にこのようなメニューが出ます。最初は空欄になっていると思いますので、「New」のボタンを押します。するとホスト名の入力を求めるダイアログが出ると思いますが、ここではX68000に割り当てられているIPアドレスを指定します。この設定例ではMACが「192.168.1.1」、68が「192.168.1.2」ということになっていますので、当然後者を指定します。MACのアドレスを指定しても意味がないので注意して下さい(自分はここでハマりました・・・)。
「Known Hosts」の欄には過去に設定したホストが記録されます。別のドライブをExportしたい時などには「Add」ボタンを押すと自動入力されるので便利です。
設定が終了したら、「Done」を押せばMAC側の設定は完了です。後は68側で「NFS Client」を実行するだけです(実はそこが一番大変なんですが(^^;)。
問題点
現時点ではNFSクライアントもだいぶ改良され、サーバ側マシンがMacであることで起こる障害というのはあまりないようです。ただし、68側でFUを使用すると頻繁にハングアップします。仕方がないので、うちではFTPを使用するときだけmintを使用することにしています。
May/26/1999