ブラシレスモータの作動原理と計算式

回転する原理は、ブラシ付きモータと同じ磁力の反発力と引力を使います。ブラシレスモータの場合、電磁コイルの磁力の向き(電流の向き)を磁石(ロータ)が回転するように、コントローラで切り替えます。コントロールするパターンはモータの種類で違います。2極2コイル(単相モータ)の場合下記の表です。
回転角度 0度〜 180度〜 0度〜
コイル端子A +電圧 0V +電圧
コイル端子B 0V +電圧 0V
2極2コイルを実際に使用しているのが130ミニミニブラシレスモータシステムです。
ユニオンモデルのスーパーチッブマンク
と自作P−51ムスタングに搭載して
電動機の集いでフライトしました。
様子はQRPさん黒澤さんのHP
2極3コイル(3相モータ)ではコントロールが複雑になりますが、磁石ロータを回転させる原理は同じです。下記の表が、3相ブラシレスの励磁シーケンスです。
これは、どんな構造のモータにも当てはまり、たとえデルタ結線でも、Y結線でも・・2極・4極・6極・・・でも、3コイル6コイル12コイル・・・同じです。
開発当初、構造により別のシーケンスがあるのではないかと、色々試しましたが、効率の点でこのシーケンスが一番となっています。
注意したいのは、コイル構造が倍巻き(例:2極ロータで、3コイルと6コイル)では、シーケンスの流れは同じでも、回転が逆になることで、これは文書で説明しても大変理解し難い部分ですから、アニメにしてみました。
ここでは、12コイル(4極ロータ時)を模擬的に、30度の範囲で示していますが、実際はもっと複雑ですから、誤解しないで下さい。
各相に電流がINする場合 赤 OUTの場合  で磁極を示してあります。NSとしていないのは、コイルの巻く方向で違うための処置です。
回転角度 0度〜 60度〜 120度〜 180度〜 240度〜 300度〜 0度〜
1番目コイル +電圧 0V 0V +電圧 +電圧
2番目コイル +電圧 +電圧 0V 0V
3番目コイル 0V 0V +電圧 +電圧 0V
注意:ホールIC角度60度でアニメ制作

 
寺田氏と僕の合作アニメです。
モータONで動き始めるぞーーー
動かないときはこっち見て
4極6コイル(Y結線)の励磁シーケンスをモータ内部の磁界のアニメです。
この場合、シーケンスの順番に従い、磁界は反時計回りに回ります。
ロータとの関係は、どの位置で励磁をするかで、回転方向は決まります。
4極の場合は、その位置は90度毎にありますので、たとえ磁界が反時計回りでも、実際の動きは、その位置で決まります。
この事は、12コイルでも同じですが、6コイルとは90度位相がずれることになります。
4極12コイル(Y結線)をアニメにしたものです。
この場合、シーケンスの順番に従い、磁界は時計回りに回ります。
6コイルと比べ、大変美しい動きをすることが解ります。
これが、スムーズ&パワフル(効率)の現れだと思います。
4極6コイルのデルタ結線の場合のアニメーションです。
デルタ結線の場合、コイル抵抗1相部分と1相+1相の2倍抵抗が多い部分とに別れる為、流れる電流比は 2:1に分配され磁力も変化します。
アニメでは、磁力の強さを色の濃さで表現しています。
4極12コイルのデルタ結線のアニメーションです。
6コイルの場合とだいぶ雰囲気が違うのが分かるはずです。

センサタイプのロータ位置の検出

回転する磁石が、今どの位置にあるかコントローラ側が知る方法として、磁気に反応する磁気センサを使います。
 2極2コイル(単相モータ)の場合は、180度毎の位置がわかれば良いので、磁気センサは1個です。2極3コイル(3相モータ)の場合は、60度毎の位置を知る必要があるので、3個の磁気センサを使います。3個の磁気センサからは次のように情報が得られます。
(アニメは全て、実際に使う4極ロータ仕様のため、回転角は1/2になります。)
回転角度 0度〜 60度〜 120度〜 180度〜 240度〜 300度〜 0度〜
1番目磁気センサ 信号あり 信号あり なし なし なし 信号あり 信号あり
2番目磁気センサ なし 信号あり 信号あり 信号あり なし なし なし
3番目磁気センサ なし なし なし 信号あり 信号あり 信号あり なし
コイルとセンサの位置関係は?
各相コイルとコイルの丁度真ん中にセンサを設置するのが理論的な進角0度の場所です。
右図は、1相目・2相目・3相目の間に60度間隔でセンサを配置しています。図からもおわかりのように、120度間隔の場合も同じ事(1相を180度ずらす)です。
プログラムタイムの遅れと、コイルの遅れが必ず発生しますので、位置情報を先読みする必要があるために、回転方向と逆方向にセンサをずらします。この事を進角調整と言います。

センサレスタイプのロータ位置検出

センシング原理は至って簡単です。
左に実際にモータを回して、オシロで波形を測定した模式図です。
赤い部分は、プラス(+)電圧をかけてある部分です。青い部分がマイナス(−)側にあたります。
ご覧のように、実際に電圧をかけている時間と波形には、ズレが発生します。
(時間経過からすると、左から右に移ります。)
特に注目したいのは、黄色い部分で、コイルに蓄えられた電気と、ロータが回転して発生する起電力により、丁度半分位の所(コイル中央を横切る)で0Vとなります。
実際の波形では、コイルが離れるに従い、マイナス側に下がって次の励磁となります。
この、0Vになった情報を次の励磁のタイミングの引き金にします。
1つのコイルで、プラスからマイナス
マイナスからプラスと2通りあります。
3コイルですから、2*3=6通りがここから検出出来るわけです。
単純だと思いませんか??
コイルに流れる電流の方向(励磁方向)でセンシング位置が順番に変わって行きます。
回転角度 0度〜 60度〜 120度〜 180度〜 240度〜 300度〜 0度〜
コイル1 +電圧 +電圧 →− 0V 0V −→ +電圧
コイル2 0V −→ +電圧 +電圧 →− 0V 0V
コイル3 →− 0V 0V −→ +電圧 +電圧 →−

しかし、ロータが回転している事が条件となるため、停止している場合には、上記の検出は無理となります。
それでは、どうしたら起動できるでしょうか?
私は、とりあえず、目的の回転方向に励磁し強引に回転させています。そのため、起動時には、ちょっぴりガクガクしますが、回ってしまえば普通に制御出来ます。


センサタイプは、どうして3個もセンサ必要なの?
3個のセンサーから出る情報は、2進数の3ビット情報ですから、本来8種類を得ることが出来ます。しかし、ブラシレスモータの場合は、000と111がありませんから、6種類となります。この情報で、現在どこにロータが位置するかを知ることが出来ます。この情報に合う励磁データ(励磁シーケンス)をFETに送る事でロータを回転させます。しかし、実際に制作するにあたり、ロータの極性やコイルの極性を意識する必要はありません。なぜかと言うと・・・考えると頭の中が混乱するだけです・・・どうしたら整合を取ることが出来るか・・・答えは簡単でした。実際に回して位相をずらせば整合が取れます。4極12コイルの場合、45度の間にあります。ただし、回転方向を変える場合は、90度位相を変えると逆回転します。2極6コイルの場合は、90度と180度です。
センサレスてどうして必要なの?
第一には、モータの製造コストが下がり、コンパクトに出来る事です。センサタイプの場合、どうしてもセンサを構成する部分のスペースが必要になりその分大きく重くなります。コントローラ側は、面実装技術の進歩で、モータの重量軽減より少ない重量で出来るだめ、相対的に軽く出来るはずです。
でも、コントローラは複雑になります。
近い将来、RC専用(3線)の1チップのセンサレスブラシレスコントローラICなんて出来たら、超小型サーボに入っているサーボICみたいに数グラムのセンサレスブラシレスコントローラが出来て、殆どのモータがプラシレスになっちゃうかもね・・・・期待してます。
モータの製造だって、ブラシが無い分コストは下がるから、スピード400より安く出来るはずです。
コントローラだって、2−3千円で売られるはずです。・・・まてよ・・・半永久的に使えるモータなんてメーカー作らないかも・・・ハハハ

自作する場合だと、だんぜん、センサタイプが有利です。・・・コントローラが大きく重くなっちゃう・・・ホントです
PWM制御なんて言われても・・・わかんねーーー
回転数を制御する方法は、パルス波形の幅を変更する事で、供給電力量を制限します。
パルス幅のONとOFFの比率を変えて制御する方法を通称PWM制御(パルス・ワイド・モジュレーション)と言いFETの特性を最大限に生かした制御方法です。
このバルスの周波数を俗に**KHz制御と呼んでいます。この周波数を高くすればより細かな制御が出来ますが、FETの制御が追いつかない場合もあります。私の使っているFETを制御する場合、専用のFETドライバーを使えば、20Kとか30KHzなどの制御も可能との事ですが、ここでは、簡単な制御回路で1KHz台の制御となっています。
しかし、ブラシレスモータの場合は、コイル切り替えにもFETをON・OFFしていますので、実際は数十KHzの制御となります。????数十KHzをなぜ1KHz台で制御出来るか・・・疑問をお持ちの方も・・・
中速域でのPWM制御が、回転数の方が上回った場合には、コイル励磁自体が全くしていない場合が出てきます。
早い話し、部分的に全く電流が流れない状態が出て来ます。でも・・・慣性の法則ではありませんが、回ります。
全開の場合は、PWM信号は常にHIの状態ですから、周波数は全く関係ありません。
PWMてどうやって作るの?
PWM波形は、信号の流れの中で、1周期(一定)の中でONとOFFの比率を変えるものなんです。モータを止める場合は、ONが無くなりますから、全部OFFとなって、PWM波形は、信号無しとなっちゃいます。逆に全開の場合は、全てONですから波形は全てON=Hi状態となるんです。
ONとOFFの比率をどうやって変えているのか・・・不思議だと思いませんか?
実は、ラジコンのパルス信号の幅(時間)をプログラムでもっと細かい時間でパルス幅の時間をカウンターで数えて、数字(デジタル)に変換しているのです。数字に置き換えるとどうでしょうか・・・うーーー「意味が分からない」?
数字に置き換えると、引き算や足し算が出来るのです・・・小学校の算数です。・・・PWMは小学校の算数で出来てます。
例えば、モータストップ(最スロー)でパルスを数えると、50としますよね、少しスティックを上げてパルスを数えたら・・あ・・52だったとします。そうすると
52−50=2だけ変化したことになりますから・・・・・例えばPWMを全部で100とした場合だと・・・100−2=98がOFFの比率で2がONとすると・・2:98の比率でPWM波形を作れば良いのです。最スロー(ストップ)は・・・100−(50−50)=0 ですから 当然 0:100
スロット全開を170だとすると・・・・170−50=120変化してますが、PWM幅の100を越えてますので、変化量を100にしちゃう・・強制的にです。結果としては100−100=0ですから、100:0となってOFFの時間が無くなるのです。
シングルコンピューターは、同時に2つの計算が出来ないのはご承知ですよね・・・でも、PWM信号は途切れることなく計算しなければならないし、パルス幅も変化しているから、いつもカウントしてなければならないのです。モータをON・OFFするだけだったら大変簡単に出来ちゃうんです。パルス幅を優先的にカウントしていれば良いだけですからね、でもPWM波形で制御する場合は、どちらも最優先にしなきゃだめなんですよ。でも演算部分は1個しかない・・どうする?
昔しなつかし言葉で「マルチタスク」なんて言葉もありましたが、今は死語に近いですよね、でもマルチタスク風にアレンジてしプログラムをつくるしかないのです。そうすると・・・・あたかも同時に2つの演算(算数)をしているかのように動いて、スティックにリニアに反応してくれるんです。 

PWMを全部で100とした場合・・・これを分解能て言うんです。
良く「このスピコンは、中速域が無いからなーーー直ぐスローだよ」なんて事を言いますよね・・・これって・・・モータが中スローのパワーで既に限界に来ているのではないでしょうか。限界に来ているモータにもっと電流流しても変化しないですからね。
進角調整とは・・・なんじゃーーー
FETに送り出すデータは、情報を得手からプログラムで処理しますので、どうしても時間がかかります。その処理する時間は、常に一定です。しかし、ロータの角速度は、一定ではありません。そのため、プログラムで回転数に応じて、時間を調整するシステムが自動進角調整となります。以前計算したもので約0.3度(10MHzのコントローラで10000RPM:4極12コイル)のズレになります。50000RPMだと、1.5度信号が遅れる事になるのです。これは何を意味するかですが、コイルに流す切り替えが、コントローラ側でも1.5度遅くなってしまう事です。コイル自体にもコイルのインダクタンス(コイル逆起電力の抵抗)がありますから、電流を流しても直ぐには、コイルとしての性格が出ません。それらの時間的遅れを修正するのが、進角調整となり、回転方向とは逆(先読み)にずらしてその遅れを修正するわけです。回転数で、その進角位置は違いますから、使用目的に応じて事前に修正しておく必要があります。センサレスの場合は、コイルの持っている様々な要素を盛り込ん だ位置を検出しているわけですから、常に最適位置を知る事が出来ます。しかし、プログラムでその情報をいかに上手に処理するかは、プログラム製作者に掛かってきます。そのため、センサレスコントローラの場合、何処のも同じとは言えません
センサレスの場合、コイルにばらつきがあっても、臨機応変に対処可能です。それは、加工精度を要求され、ある位置に電磁コイルとして存在することを前提に制御するセンサータイプと違い、コイルからの情報でコントロールする関係で、精度はあまり関係ないのです(性能は無視しての話し)
ブラシレスモータに適正電圧てあるの????
実際には、無いと思っています。ただ、使用目的に合わせて、コイルの巻き方とかロータの極数を選んでいますので、出来れば**電圧でと言う事はあります。ラジコン用に使うFETはおおむね30Vと60Vに分類されますから、どちらが高性能とは言えません。60V耐圧だから、こっちの方が高性能だろう・・・と言うこともありません。モータのコイル抵抗も似たようなもので、少なければ高性能とも言えません。丁度、パソコンのCPUのクロックサイクルとメモリー容量のようなもので、高性能だから言い・・確かに言えてますが、ワープロ使うのにそれだけ必要とも考えられないのと同じです。目的に最適な組み合わせが最高の高性能と言えます。それは、使用者の力量しかありません。ただ、使用電圧が高くなれば効率は良くなります。
<計算式>ブラシレスモータの特性を計算する式(抜粋)  寺田篤生氏より
◆最大効率電流[A] :ηmax
 (電源電圧 V の時)
0:進角調整後の無負荷電流
V:電源電圧
R:コイル抵抗+コントローラー抵抗
例 無負荷電流 2.0A で 10V
  コイル抵抗  20mオーム コントローラ10mオーム
SQR(2.0*10/(0.02+0.01))=25.8 25.8Aの時に最大効率
◆最大効率値[%]:ηmax
 (電源電圧 V で最大効率電流の時)
ηmax =[(Iηmax−I0 )/Iηmax×100 効率を上げる為には、無負荷電流を
下げる努力が必要です。
上記の例を使うと ((25.8−2.0)/25.8)^2*100=85.1 85.1%の効率となります
◆出力 [W]:Pout Pout =(−I0 )×(V−×R) I:電流
最大効率の時の出力は・・・
(25.8−2.0)*(10−25.8*0.03)=219.5
10*25.8*0.851と同じです。
上記条件で電流を30A流れていたら、効率はどうなりますか? (30.0−2.0)*(10−30.0*0.03)=254.8
254.8/(30.0*10)*100=84.9(%)
効率は少し落ちて84.9%
40Aだと83.6%となります
◆回転係数 :Kv
 (1V当たりの回転数)
Kv=N/V N:回転数(RPM)
◆トルク係数:Kt
 (電流1Aの時のトルク)
Kt=定数/Kv 表 記   Ktの定数
Kgm   0.974
Kgcm  97.4
gcm   97400
Ncm   955
in.oz   1350
回転数の測定方法 センサ信号の周波数を測定します。
4極ロータの場合は、1回転2パルス出ますから、測定した周波数を1/2して60倍します。
コイル抵抗(Rm)の求め方 3相ブラシレスモータの場合、コイル抵抗は、2相分の合計抵抗になります。
一定電流を2相分コイルに流し、コイル間電圧で抵抗値を求めます。
3相の場合、常に2相分測定しますので、3種類のパターン測定し平均値とします。
コントローラ抵抗の求め方 コントローラのFETは、ハイサイト側3列、ローサイト側3列ありますが、実際に可動するのは
ハイサイト1列、ローサイト1列分ですから、ハイサイト1列+ローサイト1列の合計がコントローラ
抵抗となります。
ハイサイト側にPチャンを使っている場合は、モータのセンサで切り替えて測定出来ますが、Nチャン
を使っている場合は、簡単には測定出来ないため、FET規格のON抵抗値で代用します。
この場合は、回路パターンの抵抗などが含まれませんので、回路に応じて抵抗値を加算します。
私は、実測値と計算値の誤差から、約2mオームを加算しています。
配線ケーブルの抵抗 配線ケーブルの抵抗値を測定すると、けっこう配線抵抗の多さにビックリされるはずです。

モータを使う上で、計算式は大変に重要なのです。どのように使うか?

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