国政モニター報告書 No.2





宇宙探険と同様、人体という小宇宙を探険することは、とても魅力的でやりがいのあることです。宇宙工学の発展で、私たちは宇宙について深く知ることができるようになりました。体内宇宙についても同様です。

医学や撮影技術の驚くべき進歩で体内宇宙の解明ができました。みなさんは間もなく、宇宙空間のような不思議な世界へ旅立つのです。

この最も複雑な構造をした生命体である小宇宙を理解することは、外の宇宙を理解することよりもっと重要なことです。なぜなら、からだのしくみを知ることで、健康で幸福な人生を送れるからです。「驚異の小宇宙・人体」にようこそ。以上は、1989年4月に発行された、「驚異の小宇宙・人体」によせられた「2001年宇宙の旅」の著者 アーサー・C・クラークの言葉である。すでに、ご存知の方もたくさんおられ、驚きと感銘をもってご覧になったのではないかと思う。

人体内には小さな戦士たちが生体防衛軍となって四六時中、外敵の侵入を防ぎ、あるいは戦って、生体を維持している事実。また、各臓器の精密さだ。もし人口工場を作り、同じ機能を持たせるとしたら、肝臓で東京都の23区分以上の広さを要するという。仮に工場で同じ機能を動かすことは出来ても、重要な成分の5%程の流出は防げないと言う。人体臓器はそれすらもしていない。精密さを一つとっても、人体臓器にまさるものはないという事実。

もともと人体には、常に健康になろうとする機能が備えられていて、日々刻々正常に調整されている。予防するということは、まさに身体の仕組を知ることだ。身体の仕組を知ることによって、初めて予防の方法がわかってくるのである。このことは社会に出る前の段階で、誰もが知っていなければならないことだと思う。

また予防とは「自分の生命の責任者は自分である」ということを認識することから始まると言っても良いだろう。

疾患の自己予防の啓蒙は最重要課題だ。より良い医療も、介護も、その啓蒙を国民に浸透させること以外にはないと思う。

現在、我が国にも「代替医療」に充分応えられる科学的根拠を持つものが少なくない。これらを積極的に活用するための環境を整備して支援をしてゆくことは、新産業の創出にもつながり、雇用を生み出すことにもつながる。

国民は皆、生活者である。生活者のためになることが、発想の原点にならなくてはいけないと思う。