若木を植える


  2006年3月の終わりに、かねてより予定をしていた庭木を植える手配をした。
芝生を壊してまで庭木を植える必要があるのか初めのころは気の進まないところもあったが、実のなる木を多くすることで、小鳥たちが集まることはいいことだと考えるようになった。

  正面の垣根に沿って6本の金木犀が植えられた。
また、左右対称に以前からあった2本の金木犀を含めて3本づつになるように植えた。
計12本。ナツメも左右対称にして2本。
日本語ではなんと言うのだろうか。中国語では白玉蘭「ぱいゆいらん」というが、この花の芳しい香りをはじめ、乳黄色がかった白いまるみからはどうしても「白玉蘭」でなければ花のもつしとやかさは伝えきれないと思う。 直径2メートルを超える円形に枝を張った「白玉蘭」をこれまた左右対称に2本植える。

  このほかに、直径20センチほどの「白玉蘭」が12株ほど持ち込まれていた。
さて、これをどこに植えるか、とっさの思いつきだが1階のロビーの大窓の根方に植えることにした。これはとっさのアイデアながら専門家の覚えはよかった。
杏の木1本。 李の木1本。 蜜柑の木2本。柿の木1本。 梅の木1本。 石榴の木2本。 枇杷の木4本。 サクランボの木3本。 イチヂクの木2本。 椿の木2本。 赤かえでの木1本。 沈丁花5本。山椒の木1株。 白い石榴の木1本。 桃の木1本。 芭蕉の木1本。 棕櫚の木1本。 梨の木3本。金柑の木1本。 クチナシの苗木が1本。 お茶の木4本。 それにこけもも1本。
締めて67本、新たに57本の樹木が植えられた勘定になる。

   植樹して2ヶ月以上たってみると、いろいろなことが分かってくる。
同じ種類でも1本1本はっきりした個性をもっている。 自分の力量を知っていて、つけている実をいちはやく落としてゆく木。 花は見事に咲かせても実はつけないもの。 少ない花を実にして着実に育てていく木。 一年目の今年はなるべく実をつけさせないようにしたほうがいいと考えていたが、それでも割と実をつけるものが多いと思った。 実の育ち具合を毎日観察するのは大きな楽しみだが、小鳥たちの方は収穫時期をよく知っていて、たいていの場合、人間が気づいたときは後の祭りだ。 「白玉蘭」 「沈丁花」 この両者の開花時期は重なるから、ある程度の距離を保たなければと考えたのだが、この距離を保つことがことのほか難しいことに気づかされた。

  なにごともやってみて初めて分かるものだ。
来年のことを云うと鬼が笑うかもしれないが、57本のうち、金柑を除いてみな根付いたから来年の花咲く時期には勢いのある花と力強い樹勢が緑陰をつくってくれるだろう。

  5坪ほどの畑も作った。 トマト28本。 胡瓜16本。 唐辛子10本。 小葱多数。
かつては10本の庭木と一面芝生だったところの半分近くが樹木や野菜のみどりで埋まるようになった。