KCJ・全国CW同好会のしおり
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       入会を希望される方へ   Sep, 2002
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全国CW同好会は,CWの交信を通じてお互いの友情を温めあい,同時に
CW通信技術を高めるために努力しています。ハムの中で,もっともハムら
しいハムと自負している人たちの集まりで,全国におよそ170人の会員が
います。

会の略称[KCJ]のフルネームは[Keymen's Club of Japan]と称しま
す。Key とは,私達とは切っても切れない縁の深い電鍵であり,また“重要
人物”という意味が含まれています。メンバーの一人ひとりが,良きCWマ
ンであり,同時にアマチュア無線界の Key stone を守る人物でありたいと
願いをこめて命名されました。

メンバーには,それぞれの地域でアマチュア無線の指導的な立場にある人
も多くいますが,本会は,ビギナーにCWを指導するというよりもむしろ自
分でCWの面白さを見つけ,長くCWを楽しみたいと考える人たちが集まっ
た会です。

CWは通信の原点であり,電波が存在すれば,それを断続するだけで通信
ができ,もっとも単純でありながら,もっとも確実な通信方法です。電波が
飛んで行く,通信ができるというアマチュア無線の根底にある素朴な興味を
満足させてくれます。

ご承知のとおり,CWは電話にくらべると通信の能率は悪く,意志の伝達
に苦労することがあることも事実です。その欠点をカバーするために簡潔な
通信文を工夫してつづります。その通信文を解読し,相手が伝えようとして
いる内容を読みとり,符号に乗って伝わってくる相手の気持ちに触れること
ができます。これは推理や想像を楽しむ,ひとつの知的なゲームとしての面
白さがあり,これこそ他の通信方法とは異なったCW通信の醍醐味だといわ
れています。

アマチュア無線に興味をもつ人は,いつの時代にも少なくありません。
日本では周知のように,世界に先駆けてノーコードライセンスを導入したこ
とにより,アマチュア無線への入門の道が広がった反面,CWを知らないハ
ムも多くなっています。いっときの興味でアマチュア無線を始めたり,その
中でCWも一つのモードとして関心をもったりというだけでなく,通信の原
点でもあるこのCWをいつまでも大好きで,生涯,腕を磨くテーマの一つに
しようという考えの方々を本会は歓迎しています。

このように本会は,CWが好きな人の集まりですが,アマチュア無線のさ
まざまな楽しみ方を否定するものではありません。いまや多くの電波型式が
許可されているアマチュア無線界ですから,いろいろな分野にパイオニア精
神を発揮するのも結構です。しかし,結局はCWの面白さを認識された人た
ちが,いつかはここに集まってくるのではないかと考えています。

全国CW同好会の活動について

CWをより身近に,そしてエキサイティングなものとするために,ハムラ
イフの中でCW QSOのいろいろな楽しみかたについて,多少のヒントを
提供しています。 また,本会が広くCW通信の発展にどのように貢献して
いるかを,具体的な事業を通して理解を深めていただきたいと考えています。
そのいくつかの事業を紹介します。

(1)アワード[KCJA]の発行

本会はユニークなアワードを発行しています。 KCJのアワードルール
は,単純明快でかつ公平であることを原則としています。

マルチバンドで,のべ100都道府県とCWでQSOするという形で実
現したのが[KCJA]です。ネーミングは“ Keymen's Century of Japan”
で,また KCJ Award とも読めます。

さらに,KCJ発足25周年を契機にして KCJAルールの一部改訂を
行いました。
KCJA申請にあたって,発足以来QSLカードを提出していただくことを
原則にしてきましたが,これまでの実績からKCJAアワード申請時のQS
Lカードの正確な表記について,認識が十分に浸透したと考えますので,
QSLカードの提出義務を原則的に廃止し自己申請方式に改めました。
また,上位への挑戦意欲を持続していただくため,400点以上の申請は
25点刻み,600点以上の申請は10点刻みに変更し,併せてステッカー
制度を採用しました。

(2)CWコンテストの主催

毎年8月に,本会主催で[KCJコンテスト]を行っています。このコン
テストの目的は,互いに確実なCW通信を通してCW送受信技術の向上を図
り,かつCW愛好者の親睦を深め,併せてコンテストにおけるフェアプレー
精神を高揚することにあります。

本会では,CWは個人の努力でマスターすべきものという考えから,本会
が主催するコンテストには個人局しか参加できません。また,本会主催のコ
ンテストの大きな特徴は,提出されたログを全数コンピュータで審査し,
双方のログの記載内容が一致した場合に限って双方に得点を与えるという規
則にあります。ログを提出しない局との交信は得点になりません。ログを提
出したからといっても,記載・転記ミスなどがあると,審査の段階で双方の
ログが一致せず,自分も得点できないし,相手にも得点が与えられないこと
になります。得点を争う競技においてのフェアプレーとは,ルールにのっと
って参加し自分も得点し,かつ相手にも迷惑をかけないことです。

ログ審査プログラムは,会員の間で議論を重ね,改善が行われた結晶です。
また,近年は E-mailやFDでの提出を推進するなど,参加する人が自分のログ
をきちんとチェックして整理してあれば,合理的で公平な審査ができるよう
になっています。

毎年2月に,本会主催で[KCJトップバンドコンテスト]を行っていま
す。1.9MHz帯の狭いバンド幅でもコンテストの実施が可能な独特のルー
ルで,KCJトップバンドコンテストを行ってきましたが,2000年に
1.8MHz帯の解放があり,バンド幅は一挙に倍増しました。このため,
KCJトップバンドコンテストルールを大幅に見直し,1.8と1.9MHz
の両周波数領域を使用できることとし,この機会にDX局の参加を可能にし
ました。

毎年7月に,本会主催で[KCJ VHF & UP CONTEST]を行
っています。HF帯とは電波の伝わり方が異なることを踏まえて,このコン
テストを設けました。このコンテストにあわせて,移動運用で多くの局が参
加されることを期待して,ここで使用するコンテストナンバーには運用して
いる場所(都道府県支庁,市郡区)がただちにわかるような仕掛けがしてあ
るのが特徴です。アワードもコンテストも,一種のスポーツであり遊びにす
ぎないことですが,そこにも守るべきルールがあります。誰もが容易に電波
を出せる時代になってもアマチユア無線の楽しさとは,規律とけじめを前提
にしてこそ意味がある,と本会は考えています。

(3)都道府県・北海道支庁の略称の制定

わたくしたちは,CW通信で省略されたつづり文字から,もとの語が何で
あったかを推察し,その意味を了解するということを,日常よく行っていま
す。短い略称から,都道府県名などが容易に推察できるように,既成のコー
ドとしてあった漁船の船籍都道府県を示す符号をもとに,多少手を加えてK
CJ独自のものを制定しました。このコードは,KCJが主催するコンテス
トで交換するナンバーに使われています。CW通信にセンスあふれる略語と
して,日常のQSOでQTHの表示にどんどん使って欲しいと思っています。
また,他のコンテストのナンバーなどにも利用してもらうことを願っています。

(4)KCJホームページ

会員向けの会報[ザ・キィー]の発行以外に,KCJ活動内容を内外に知
らせるため,KCJホームページを作成しています。会の活動に興味と関心
をおもちの方は一度アクセスされますようお勧めします。
 http://www.jarl.com/kcj/ 

(5)その他の活動

 通信の原点ということは,アマチュア無線発祥の頃の手づくりの通信とい
う意味があって,今日でもCWは自作の入る余地のある分野です。本会会員
の多くは,自分の無線機を何か自作した経験があり,自作するアマチュア精
神は,QRP機に凝縮されています。その記録にいどむ人もあれば,コンテ
ストやアワードハントに巧みな人もいます。また,各バンドでヌシの如く活
躍している人,移動運用に熱心な人,DXをバリバリ稼いでいる人もいれば,
もっぱら外国の電波の旅情を楽しんでいる人もいます。コンピュータとCW
の接点をもとめて,独自の活動をしている人もいます。地域でCW通信の指
導に熱心な人もいます。

 そんなエキスパートたちを,根底で結んでいるのがCWです。物質文明全
盛の時代は,アマチュア無線もその例外ではなく,画像通信,衛星通信さえ
も 手軽にメーカー製の機械を使って行われるようになりました。電波は飛ん
であたりまえ,聞こえて当然という風潮が生まれ,この趣味の存在する根底
が,ゆらぎ始めたのではないかとさえ思われます。しかし,自分で努力して
符号を覚え,自分でキーを操作してはじめて可能になるCW通信には,何か
自分でやらなければならないという,古き良き時代のアマチュア精神が温存
されているように思います。

 CWはこの先,アマチュア無線の世界にしか残らないことになりましたが,
自分の出した電波がはるばる飛んで行くことに対する素朴な興味と驚きを感
じる感性豊かな人が絶えない限り,アマチュア無線のCWは存在しつづける
ことでしょう。

 CW同好会が,将来ただの[CW保存会]になってしまうことを嘆く声も
聞かれます。しかし,それが死んで博物館に置かれるような保存ではなく,
その電波が原始的ではあるが,確実な通信の手段として世界を飛びまわって
いる[動態保存]であれば,これは愉快なことではないでしょうか。そのた
めにも,本会は,“下手の横好き”の会ではなく,“好きこそものの上手”
の会でなくてはならないと思っています。

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    全国CW同好会への入会について Sep, 2002
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 入会資格は,18才以上の方であること,個人局でA1免許を保有してい
ることが必要条件です。

「KCJ入会申請書」へご自身のアマチュア無線活動歴や,アマチュア無線
やCWについてご自身の考えを文書によって示していただきます。
これは,入会にあたっての自己紹介と考えてください。

入会申請書が受理されたとき,KCJの資料に照らし,申込者に対し会から
若干の質問に答えていただくことがあるかもしれません。これらの手続きは,
本会を理解し,会の活動に対して賛同と協力をいただくことが必要であるか
らです。

 会員はハムである以前に,よき社会人であることを強調しています。
入会して,何か特別な利益があるという会ではありません。どの会員もボラ
ンティア精神を基に,会の運営に協力することが前提とされています。

 本会会員は,電波法規の遵守はもちろん, アマチュア無線のよき習慣を
不文律として守ることをモットーにしています。 また,会員になられてから
は,会の主催するコンテストに参加されたときは,主催者側の一員として必
ずログを提出することを心がけていただきます。

長い生涯のうちには,いろいろな事情で好きなアマチュア無線から遠ざから
なくてはならないこともあるでしょう。そのようにアクテイビィテイの落ち
た時期にあってもアマチュア無線とCWには関心をもち続け,本会会員であ
ることに意義を感じ引き続き在籍していただきたいと思います。そうした事
柄すべてを含めてライフホビーというのだと私たちは考えており,そのよう
な方たちが入会していただけることを心から望んでいます。   

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     入会申請方法             Sep, 2002
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会員担当・JA8AJE 宛に,SASE ¥90を送って,入会申請書を取
り寄せてください。

送付先: 〒004-0041 札幌市厚別区大谷地東3-2-1-1013
JA8AJE 笠原 勝 ( E-mail :ja8aje@jarl.com )

次に,入会申請書に必要事項を記入して KCJ会長 に送付してください。

提出先: 〒864-0033 熊本県荒尾市緑ヶ丘3-7-4
JA6BJV 野口 法康 ( E-mail:ja6bjv@jarl.com )

役員会で審議され入会承認書が届いたら,所定の会費を納めて,貴局もKCJ
の一員となります。





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