クイーンの定員 #055


ノヴェンバー・ジョーの事件簿
November Joe

ヘスキス・プリチャード
Hesketh Prichard

ホートン・ミフリン 1913年
Boston: Houghton Mifflin


Houghton Mifflin
1st Edition

森に住むノヴェンバー・ジョーが、残した足跡や擦ったマッチの痕跡などから犯人の行動を推理し、難解な事件を解決していきます。


収録短編

サー・アンドルーの助言
−Sir Andrew's Advice−
本短編集の語り手であるジェームズ・クォリッチがサー・アンドルーの勧めでノヴェンバー・ジョーに会いに行くことになる経緯が書かれています。
ノヴェンバー・ジョー
−November Joe−
ジェームズ・クォリッチは森に住むノヴェンバー・ジョーに会いに出かけ、そこでビッグ・ツリー・ポーテッジ事件に遭遇します。
ビッグ・ツリー・ポーテッジの犯罪
−The Crime at Big Tree Portage−
ヘンリー・ライアンという男が川のほとりにある小屋で射殺されます。警察からの依頼で現場を訪れたノヴェンバー・ジョーは、ライアンは一昨日に現場に現われ、犯人はカヌーからライアンを射殺したことを即座に見抜きます。
七人のきこり
−The Seven Lumber-Jacks−
給料を受け取ったばかりのきこりが黒い覆面をかぶった男に拳銃で脅され現金を盗まれます。さらに同じ野営地で働いている別の六人のきこりも強盗にあい、ノヴェンバー・ジョーは犯人探しを依頼されます。
黒狐の毛皮
−The Black Fox Skin−
若くして未亡人となったサリー・ローンは幼子との生活を守るためにわな猟師になっていました。しかしある日、彼女の希望を打ち砕くかのように、仕掛けたわなが盗まれ、猟で得た高級毛皮までもが盗まれてしまいます。
ダック・クラブ殺人事件
−The Murder at the Duck Club−
鴨猟をしていた男性が銃で殺され、隣の猟場にいた男が逮捕されます。犯行に使われた六号散弾はその容疑者しか使っておらず、近くの足跡もその容疑者のみ、さらには被害者と容疑者が口論しているところも目撃されていたからでした。
ミス・ヴァージニア・プランクス事件
−The Case of Miss Virginia Planx−
川に釣りに出たミス・ヴァージニア・プランクスが行方不明となり、犯人から身代金の要求が来ます。ミス・ヴァージニア・プランクスの父は犯人との交渉に応じますが、犯人の前で拳銃を取り出し、身代金を払わないと言い出します。
十万ドル強盗事件
−The Hundred Thousand Dollar Robbery−
カナダの銀行から十万ドルが盗まれ、行員の一人が行方不明となります。銀行支店長と警察はその行員が十万ドルを盗んで逃げたと考え、ノヴェンバー・ジョーに十万ドルを取り戻すよう依頼します。
略奪に遭った島
−The Looted Island−
孤島で養狐場を営んでいた男性が偽の手紙を受け取り、しばらくの間島を離れていた隙に島で飼っていた高級毛皮となる狐が盗まれます。船が無いにもかかわらず、島に残っていたただ一人の使用人も姿を消していました。
フレッチャー・バックマンの謎
−The Mystery of Fletcher Buckman−
寝台列車に乗っていた石油専門家が首を吊って死んでいるのが発見されます。偶然その列車に同乗していたノヴェンバー・ジョーは被害者が自殺したのではなく他殺であることを見抜きます。
リンダ・ピーターシャム
−Linda Petersham−
カルマクス
−Kalmacks−
山の男たち
−The Men of the Mountains−
黒い帽子の男
−The Man in the Black Hat−
逮捕
−The Capture−
都会か森か
−The City or the Woods?−
ミスター・ピーターシャムが邸宅を含む山岳地帯を購入したのですが、そこで働いていた猟区管理人が何者かによって銃撃されます。更にピーターシャム自身も脅迫状を受け取り、心配になった娘のリンダはクォリッチに相談します。そしてクォリッチはノヴェンバー・ジョーに助けを求めたのでした。
「リンダ・ピーターシャム」から「都会か森か」までは一つの作品です。


論創社

『ノヴェンバー・ジョーの事件簿』(2007)安岡恵子訳(論創社)収録作品  
全編

『シャーロック・ホームズのライヴァルたち@』(1983)押川曠編(ハヤカワミステリ文庫)収録作品
「七人のきこり」