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数ある不可能犯罪物のなかから、純粋な密室物それも長編だけに限って集めてみました。
ADAIR, Gilbert (ギルバート・アデア)
吹雪で通信手段が閉ざされたロジャー・フォークス大佐の屋敷で、ゴシップ専門コラムニストの男が銃で殺害されます。被害者は屋根裏で死体となって発見されますが、発見当時屋根裏は内側から鍵のかかった密室状態でした。
AFFORD, Max (マックス・アフォード)
- An Ear for Murder (1945)
オーストラリアの判事がアパートの一室で背中を刃物で刺されて殺害されます。ドアを開ける唯一の鍵は被害者のポケットから発見されており、部屋は完全な密室状態となっていました。さらに驚くべきことに、被害者の右耳がメスのようなもので切り取られて消失していたのです。
BERKELEY, Anthony (アントニイ・バークリー)
レイトン・コートの主人が額を銃で撃ちぬかれて死んでいるのが発見されます。窓やドアは全て内側から鍵がかけられており、氏のサイン入り遺書も残されていたので、警察は自殺と判断したのですが……。
BRUCE, Leo (レオ・ブルース)
内側から鍵のかかった部屋で夫人が首を切られて殺されます。窓がひとつ開いていましたが、犯人が逃走したような跡は残っていません。三人の名探偵とビーフ警部が推理合戦を繰り広げます。
CARR, John Dickson (ジョン・ディクスン・カー)
- The Three Coffins 『三つの棺』 (1935)
仮面をかぶった男が被害者の部屋に入った直後に銃声が響き渡ります。鍵のかけられた部屋に突入すると、仮面の男は消え失せており、開いた窓の外にある雪は全く乱れていなかったというカーの最高峰作品。
地上50フィートの塔のてっぺんにある内側から鍵と閂がかけられた部屋からの二度に渡る転落は自殺か他殺か?さらに容疑者までもが内側から鍵のかかった小屋で首を吊って死亡するという連続「自殺」事件。
窓の外から密室に打ち込まれた一発の銃弾。しかし、なかにいた男は青酸を注射されて毒殺されていたのです。
内側から鍵がかけられた寝室で、胸に短剣を刺されて女性が死亡。寝室に残されたウィルキー・コリンズの本が謎を解く鍵になります。
18世紀の判事の幽霊が出ると噂される悪魔のひじの家。その家にある鍵のかけられた部屋で起きた銃による密室殺人未遂事件。
CLASON, Clyde B (クライド・B・クレイスン)
チベット・コレクションで埋め尽くされた密室の美術室で大富豪が不可解な死を遂げます。ラマ僧や卍など、チベットという独特の雰囲気に包まれています。
CROFTS, Freeman W (フリーマン・W・クロフツ)
- Sudden Death 『二つの密室』 (1932)
密室のなかで夫人がガス中毒死。ガス栓には夫人の指紋だけが残っていました。さらにその夫も別の密室で銃で撃たれて死亡します。
DICKSON, Carter (カーター・ディクスン)
内からは閂がかけられ、外からは南京錠がかけられた石室での殺害事件。石室の周囲には足跡も残っていないというおまけ付き。H・M卿の華麗なるデビュー作。
トランプで偶然選ばれた男が全員に見守られた扉の向こうの密室で毒死してしまいます。15分前まで返事をしていたのに、死後1時間も経っていたという謎が解けるか。
- The Judas Window 『ユダの窓』 (1938)
窓はシャッターが閉じられ、唯一のドアも内側からボルトがかかった完全密室での弓と矢による殺人事件。被害者と一緒に密室のなかにいた容疑者の裁判シーンで構成された名作。
窓やドアが全て内側から目張りされた部屋のなかでのガス中毒死。部屋のなかでは同時にヘビも死んでいたのです。爬虫類による怪しい雰囲気が最高。
唯一の扉を見張られている部屋のなかでの石弓の弦による絞殺殺人。探偵役は酒を飲んでばかりのジョン・ゴーント博士です。
HALTER, Paul (ポール・アルテ)
- La Quatrieme Porte 『第四の扉』 (1987)
霊に会うために男が一人屋根裏部屋に入ったのですが、後にその封印された部屋から別の男が背中をナイフで刺されて死んでいるのが発見されます。フランスにおけるカーの後継者が不可能・不可思議現象を惜しげも無く披露します。
- La Mort Vous Invite 『死が招く』 (1988)
テーブルに豪華な晩餐が用意された書斎でミステリ作家が殺されます。発見当時、書斎は密室状態で、晩餐はまだ湯気の出ているほど作り立てだったにもかかわらず、被害者は死後1日経っていたのです。さらにこの密室状態は被害者が以前考案したものだったのです。
KING, C. Daly (C・デイリー・キング)
- Careless Corpse (1937)
客人の前で一人音楽室に入ったピアニストがそのまま毒死してしまいます。コーヒーや砂糖そのものには全く毒は見られず、カップは割れて証拠をつかむことは不可能でした。
- Arrogant Alibi (1938)
第一の殺人事件の容疑者が密室の美術室で刺殺されます。関係者全員に鉄壁のアリバイが成立しており、この大難問にロード警部が立ち向かいます。
LEJEUNE, Anthony (アントニー・レジューン)
- Mr. Diabolo 『ミスター・ディアボロ』 (1960)
鍵のかかった大学の個室で、男性の絞殺死体が発見されます。被害者はつい先ほど起きた「ミスター・ディアボロ」消失事件の重要な目撃者のひとりでした。
LEROUX, Gaston (ガストン・ルルー)
部屋の唯一の窓には格子がはめられ、唯一のドアは実験室につながっており、実験室では科学者と使用人が仕事をしていた。黄色い壁に囲まれ、黄色いござが敷き詰められた「黄色い部屋」での完全密室殺人。
LORAC, E. C. R. (E・C・R・ロラック)
- Murder in St. John's Wood (1934)
密室状態の東屋で億万長者が殺されます。床には銃が転がっていましたが、被害者の体内から見つかった弾は別の銃から発射されたものでした。
- Rope's End, Rogue's End (1942)
五人兄妹が過す屋敷で、三男が内側から鍵のかかった密室で頭を銃で撃たれて死んでいるのが発見されます。部屋には自分が横領の罪で捕まろうとしていたという遺書が残されていましたが……。
MACDONALD, Philip (フィリップ・マクドナルド)
数分前に「助けて」と電話をかけてきた女主人が、密室の書斎で溺死しているのが発見されます。被害者の顔や体は全く濡れておらず、部屋には水の入った花瓶さえありませんでした。
PENNY, Rupert (ルーパート・ペニー)
- Policeman's Evidence 『警官の証拠』 (1938)
ビール主任警部が屋敷に着くや否や、屋敷で宝探しをしていた主人が内側から鍵のかけられた密室で拳銃で撃たれて殺害されます。探偵の一人称で記述され、それでないと密室トリックが成立しないという傑作。
- Sealed Room Murder (1941)
内側から鍵がかけられ密室となった自室で、一家の嫌われ女性が背中をナイフで刺されて死んでいるのが発見されます。「読者への挑戦状」が挿入され、図もふんだんに取り入れられています。
RAWSON, Clayton (クレイトン・ロースン)
神秘哲学者が床にチョークで描かれた大きな星のまんなかに、頭、両手、両足をその五つの頂点にのばし仰向けになって死んでいました。死体の発見された部屋は、扉の閂がなかからかけられ、鍵もかかったうえに鍵穴が布でふさがれた完全な密室だったのです。
ROSCOE, Theodore (セオドア・ロスコー)
- Murder on the Way ! 『死の相続』 (1935)
たったひとつの窓は長年閉じたまま、脇のドアは釘づけされた漆喰の壁に囲まれた鍵のかかった部屋で、遺産の第二候補者となる男が銃殺されます。それも脳天を撃たれて。
SMITH, Derek (デレック・スミス)
唯一の窓とドアは内側から鍵がかかっており、さらにその外を三人が監視しているという二重の密室でおきた殺人事件。密室ミステリファンによる密室ミステリファンのための密室ミステリです。
TALBOT, Hake (ヘイク・タルボット)
- Rim of the Pit 『魔の淵』 (1944)
降霊術師の女性が斧で頭を割られて殺されます。部屋のドアは内側から鍵がかけられ、窓は割られて屋根の上に犯人の足跡が残っていたのですが、その先の地面には足跡が全く残っていなかったのです。
VANDINE, S. S. (S・S・ヴァンダイン)
二つの出口のうち、一方は閂がかけられ、もう一方は電話交換手によって見張られていたアパートの部屋で、ブロードウェイの女優が絞殺されます。部屋じゅうの家具がひっくり返されていた謎は?
密室となった自宅の一室で中国陶器収集家が殺されます。手に拳銃を握っていましたが、死因は刺殺でした。さらに被害者は部屋着を着ながら、靴は外出用を履いていたのです。
ZANGWILL, Israel (イスラエル・ザングウィル)
ロンドンのボウ町にあるアパートで、労働運動者の男が首を鋭利な物で切られて殺害されます。2階にあるその部屋は内側から鍵がかけられていました。エラリイ・クイーンが「完璧に作り上げられた世界最初の密室物」と言った歴史的作品。