Hallowe'en Party

「ハロウィーン・パーティ」

アガサ・クリスティ

1969

★★

Collins Crime Club
1st edition in UK
Dodd Mead
1st edition in USA


あらすじ
 オリヴァ夫人が手伝っていたハロウィーン・パーティの席上で、一人の少女が昔人殺しを見たことがあると言い出した。そしてパーティの終った後、その少女がバケツに首を突っ込まれて死んでいるのが発見される。果たして少女が見た人殺しとは事実だったのか?

感想
 残念ながら、本編に出てくるポアロは自分の推理を論理的に語っていません。確かに犯人を言い当て、事件を解決しますが、その過程において感に頼ったとしか思えない点が見受けられます。犯人の必然性が全く欠けています。また登場人物が多く、分散してしまっている点も読みづらくしている要因でしょう。少女が目撃したと思われる事件が最後まで絞り込めず、各々の事件や人物が平行して登場するのは、読者に混乱を招きます。せっかく「ハロウィーン・パーティ」という楽しいテーマを用いながら、十分に活かしきれていないのが残念です。

おまけ

 その1)作家オリヴァ夫人(p14)
 著書に『瀕死の金魚』という作品があり、あまり血の出る場面が少ないと語られています。

 その2)スペンス警視(p46、50)
 スペンス警視とポアロは『マギンティ夫人は死んだ』の事件で一緒に仕事をします。またこの後も『象は忘れない』で再開します。

 その3)ブルストロード(p113)
 オノリア・バルストロードは『鳩のなかの猫』でメドウバンク校の校長をしています。

 その4)ヘラクレスの冒険(p133)
 作中『ヘラクレスの冒険』を回顧します。
 その5)クリスティの中のシェイクスピア(p143、310)
 『テンペスト』の「すばらしい新世界」とマクベス夫人が取り上げられています。
「ハロウィーン・パーティ」
アガサ・クリスティー
中村能三訳
ハヤカワ文庫

 その6)アリアドニ(p150)
 アリアドニの名がギリシア神話にまつわることが語られています。詳しくは『象は忘れない』にも書いています。


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