世界探偵小説全集18 John Brown's Body 「ジョン・ブラウンの死体」 E・C・R・ロラック 1938 ★★★ |
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国書刊行会 桐藤ゆき子訳 |
Collins Crime Club Later edition in UK |
あらすじ
一夜を海辺の崖で過そうとしていた浮浪者が何者かによって襲われる。浮浪者は気づいた時にはその現場からはるか離れた地点に何故かいた。一方有名ミステリー作家の新作に盗作の疑いがもたれ始めていた。これを調査したいジャーナリストと浮浪者の事件が気になるマックドナルド主任警部は、わずかな手掛りを元に事件現場を探し始めた。
感想
イギリス、デボンシャーを舞台にした、「これぞイギリス・ミステリー!」という本です。非常にゆったりとした流れの中で、着実に事件は発展し、最後には緊迫した場面を交えるというテクニックはお見事です。犯人当てに重心を置かず、「何故事件が起きたか?」をメインにすえた、いわゆるホワイダニット物の典型と言えるでしょう。
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