世界探偵小説全集21 Obelists Fly High 「空のオベリスト」 C・デイリー・キング 1935 ★★★★ | |
国書刊行会 富塚由美訳 |
あらすじ
外科医の権威が何者かから死を宣告する脅迫状を受け取った。その外科医は兄の国務長官の手術のためにリノに向かわなければならず、死の宣告時間には飛行機の中にいることになった。護衛を依頼されたロード警部は可能な限りの手配をし、その飛行機に同乗した。他には外科医の姪達や助手なども一緒だった。そして宣告の時間ちょうどに外科医はロード警部の目の前で倒れた。
感想
巧妙なトリックには脱帽せざるを得ません。話の展開もテンポ良く進み、事件が1つの割には読者を飽きさせません。ロード警部が自ら仕込んだトリックが中途で明かされますが、それが本編の魅力の一つにもなっています。しいて難を言えば、事件が起きたにもかかわらず飛行を続行する必要性が理解できないことと、まるで宙に放り出されたかのようにエンディングを迎えることです。後者はある意味で本書の魅力とも取れますが。犯人を知った後に事件を振り返るために巻末に用意された「手がかり索引」が特徴です。
Harrison Smith & Robert Haas 1st edition in USA (copy) |
Collins Crime CLub 1st edition in UK (copy) |
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