世界探偵小説全集19 Sweet Poison 「甘い毒」 ルーパート・ペニー 1940 ★★ | |
国書刊行会 好野理恵訳 |
あらすじ
アンスティ・コート私立予備学校で、校長の姉宛に送れられてきたチョコレートの小包が紛失します。さらに校長が管理していた青酸カリの入ったビンも紛失し、不安を感じた校長は生徒の父兄でもあるCIDのサー・フランシス・バートン副総監に相談します。サー・フランシスは早速ビール主任警部を伴ってアンスティ・コート私立予備学校を訪れ、事件を未然に防ごうと努力しますが、ついに殺人事件は起きてしまいます。
感想
「殺されなかった少年」と「殺された少年」という二部構成になっており、一部から二部で状況を一転させています。ビール主任警部が先生や生徒達に少し手こずりながら捜査を進めるのが微笑ましいですが、全体に殺人に対する緊張感が少なく、それが本書の欠点になっている気がします。
ペニーは全作に「読者への挑戦状」を配しており、パズルで読者を楽しませてくれますが、そのパズルが易いと逆に魅力を失う例だと思います。
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