世界探偵小説全集8

Case with
Ropes and Rings


「ロープとリングの事件」


レオ・ブルース


1940

★★★
国書刊行会
小林晋訳


感想
 はじめてレオ・ブルースの本を読んだが、結構おもしろかった。ドキドキするようなスリリングな展開は無いが、「意外な犯人」のトリックは前例が無く評価できる。作中に一人称で登場する探偵作家の発言行動に少々いらいらする点もあるが(レオ・ブルースが意図的にそうさせているとは思うが、本当にいらいらする)、名探偵ビーフ巡査部長の明解な解説に救われる。レオ・ブルースの訳本が少ないのは残念である。

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