世界探偵小説全集20

Something Nasty in the Woodshed

「薪小屋の秘密」


アントニイ・ギルバート


1942

★★
国書刊行会
高田朔訳


あらすじ
 イギリスの田舎に家を購入したダワード氏は新聞に結婚相手を募集する広告を載せる。それを見たアガサは自分の思いを手紙に書き、結局二人は結婚することとなった。新しい家を購入するためにアガサは自分の財産を夫に託すが、いつまでも家を買わないことから疑惑をもちはじめる。果たしてダワード氏は結婚詐欺師だったのか?

感想
 犯人が最初から判っているハウダニット物か倒叙物と思わせる導入部から、息を呑むサスペンス仕立ての中盤は良いですが、「どんでん返し」を期待するとこの最後は不満でしょう。後半の「どちらが犯人?」と思わせる展開はおもしろいです。帯に書かれている「巧みなストーリーテリング」という言葉に偽りはありません。

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