スーパーオキシド(O2-nH2O)とは何か?

 酸素分子(O2)は空気や水の中に豊富に在しているが、その酸素を還元して生成するスーパーオキシド(O2-nH2O) やヒドロキシラジカル(・OH)は人間や動物の体内で発生し細菌から身を守る働きをする重要な物質であり、寿命が短いため蓄積性がなく耐性菌の発現もない理想的な殺菌剤といわれている。
 スーパーオキシドは酸素に放射線を照射することで発生し、この原理がガン治療に用いられていることは良く知られている。
 また、光触媒を用いてスーパーオキシドやヒドロキシラジカルを発生する技術がわが国で広く検討されており、いくつかの分野で製品化されつつある。  また、最近の研究によると、“マイナスイオン”が好ましい生理活性を示すのはスーパーオキシドが原因と指摘されている(文献 5を参照)。

当社触媒の解説

 当社触媒の主成分は電気を通す有機高分子化合物である“ポリアニリン”あるいはその誘導体である。
 スーパーオキシド発生のメカニズム、そして、そのスーパーオキシドが、より活性の高いヒドロキシルラジカル(・OH)に変化する化学反応式を次に示す。
 スーパーオキシドはそれ自身の不均化反応により過酸化水素が生成する。過酸化水素はスーパーオキシドと反応しヒドロキシルラジカルが生成する。
 なお、この反応は Haber-Weiss反応とよばれ、遷移金属イオンの存在で反応速度が加速される。
 少量の食塩を含む水中で本触媒を用い電気化学的に酸素を還元すると、マイナス極にスーパーオキシド、プラス極にHOCl(次亜塩素酸)が生成し、HOClとスーパーオキシドが反応しヒドロキシルラジカルが生成する。
 また、スーパーオキシドはオゾンと反応してもヒドロキシルラジカルが生成する。


 水中あるいは空気中(空気中の場合は空気中の微小水滴中)にスーパーオキシドを連続的に発生させる各種の装置を開発した。

その方法は次の三通りある。

@触媒を電極(陰極)に接着させてマイナス電流を流す1、2)
A触媒の加湿、乾燥を繰り返す3)
B触媒と金属を組み合わせ、金属の電子を触媒に供給する4)