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●「聖なるマトリックス」グレッグ・ブレイデン著より

人間の感情が細胞の働きに影響を与えることは、これまでの研究から疑いを挟む余地はありません。
1990年代、米国陸軍との共同研究で科学者は人間の感情は生きた細胞が体内から取り出された後も、その細胞、とくにDNAに影響を与え続けるかどうかを研究しました。いいかえると細胞組織の一部が人間の体内から取り出された後も、その人の感情が細胞にプラスにまたはマイナスの影響を与え続けるのか、という問題です。…(中略)…1993年に『advances』という学会誌にある研究論文が掲載されました。この研究で米国陸軍は感情とDNAは両者が分離した後もつながりを維持するのかどうか、もしつながっているとすればどのぐらいの距離までつながっていられるのかを特定するためにある実験を行ないました。

研究者たちはまず、一人の実験参加者の口内から細胞と
DNAを採取しました。採取したサンプルは隔離し、同じ建物の別の部屋へ移しました。その部屋で彼らは、現代科学では説明不可能な現象について調査を開始しました。実験用に特別に設計された部屋に保管してあるDNAが、数百フィート離れたところにいるこの実験参加者の感情に、反応するかどうかを電気反応で計測したのです。

DNAを提供した実験参加者は部屋の中で一連の映画を見せられました。映画は戦争の場面やエロチックな場面、コメディなど多種多様で、何らかの強い感情を引き起こすようにデザインされていました。この映画を見せた目的は、実験参加者に短時間でさまざまな強い感情を経験してもらうためでした。彼が映画を見ている間、別の部屋ではDNAに何らかの反応がみられるかどうかが測定されていました。

結果は
DNA提供者が感情の「高まり」や「静まり」を経験すると、それとほぼ同時に細胞とDNAは強い電気反応を示しました。両者は数百フィート離れたところにいましたが、DNAはあたかも実験参加者の体内にあるがごとくに反応したのです。しかし「なぜ?」という疑問が残りました。…(中略)…陸軍はその後、実験の中止を決定しました。そのときのDNAと実験参加者が離れていた距離は数百フィートでした。しかしその後も(この実験を計画、デザインしたバクスター)博士は実験を続けました。こんどは両者の距離をもっと遠くし、その距離は最大で350マイルにもなりました。

さらに、
DNA提供者が感情を示したときと、細胞が反応したときの時間差をコロラド州にある原子力時計で計測しました。結果は何度やっても同じ。時間差はゼロでした。すなわち、影響は同時に現われたのです。細胞とDNAが同じ部屋にいようと、数百マイル離れていようと結果は同じでした。DNA提供者が何らかの感情を抱いたとき、DNAはあたかも、提供者の体とつながっているかのような反応を示したのです。

最初は不気味に思えるかもしれませんが、よく考えてみると次のようなことがわかります。もし、すべてをつなぐ量子エネルギーフィールドが存在するなら、すべてのものはつながった状態にあるはずです。バクスター博士の同僚、ジェフリー・トンプソン博士はこのような観点から、この現象について雄弁に語っています。「どこからどこまでが人間の身体の範囲であるという、はっきりした境目はないのです」

…(中略)…感情が人間の健康や免疫システムに影響を及ぼすことは、世界中のスピリチュアルな伝承が昔から伝えてきたことですが、一般の人々に役立つような詳細な記録はほとんど残っていません。
1991年、ハートマス研究所という名の団体が設立されました。設立の目的は、人間の感情が身体にどんな影響を及ぼすのかを探り、感情が世界でどのような役割を果たすのかを研究することでした。具体的には、研究の焦点を感情や感覚が生まれると考えられる心臓におきました。ハートマス研究所の研究はこの分野での先駆けとなり、その研究成果は多くの著名な学会誌に掲載され、科学論文にもたびたび引用されています。

このうち最も重要な発見の一つがドーナツ型のエネルギーフィールドです。このエネルギーは心臓を取り囲み、身体の外へ伸びていきます。この電磁場エネルギーは円環面という環境で存在し、直径がだいたい
5フィートから6フィートです。心臓の周囲に発生するこのエネルギーフィールドは人体から出るオーラでも、古代サンスクリットの伝統で描かれているプラーナでもなく、この付近で発生するエネルギーの表象だと考えられます。

このエネルギーフィールドを発見したハートマスの研究者は、この場の内部には、いまだ発見されていない別のエネルギーがあるのではないかと考えました。そこで、仮説を検証するために、人間の感情が生命の本質である
DNAに与える影響を調べることにしました。

実験は
1992年から1995年にかけて行なわれました。まず人間のDNAサンプルをガラスのビーカーに閉じ込めた後、それを干渉可能な感情と呼ばれるパワフルな感情にさらしました。主任研究員のグレン・レインとロリン・マクラテイによるとこの干渉可能な感情という生理学的な状態は意図的に作り出すことができるといいます。「精神的、感情的自己抑制のために開発されたテクニックを使います。そのテクニックを用いれば意識的に心を鎮めたり、心臓に意識を向けたり、ポジティブな感情だけに意識を集中させることができるようになるのです」彼らは干渉可能な感情を抱くことができるようにトレーニングを受けた5人を被験者に、一連の実験を行ないました。化学反応と視覚上の変化の両方からDNAを分析できる特殊な技法を用いて、研究者はどんなわずかな変化でも見逃しませんでした。

結果は異論を唱える余地のないもので、それが何を意味するかは誰の目にも明らかでした。なんと人間の感情が
DNAの形を変えたのです!被験者はDNAに直接触れたわけではありません。ただ体内に一定の感情を抱いただけでビーカー内のDNA分子に影響を与えたのです。

最初の実験では被験者は
1名でした。DNAへの影響は「指示された意図、無償の愛、DNA分子を具体的にイメージすること」を組み合わせた結果、現われました。「実験の結果、意図が異なればDNA分子に与える影響も異なることがわかりました。分子は緊張と弛緩を繰り返したのです」と研究者の一人は述べています。この実験結果が示唆することは従来の理論では説明できないことは明白です。

これまで私たちは、自分の
DNAはいわば天から授かったものだと信じ込まされてきた面があります。生まれたときにすでにDNA配列は決まっており、麻薬、化学物質、電磁場などの影響を除いて、私たちの日常の行動に反応して変化することはないというのが現在の常識です。しかし、今回の実験でこの考えが完全に間違っていることが明らかになったのです。