タコさんの タコノアシのタイトル ふるさと風物誌



「物干台の鉄パイプもグニャリ!」

 豪雪地帯とは言えぬわがふるさとでも、今冬の積雪は記録的だったそうで、ゴールデンウィ ークに別荘の手入れに赴き実感した。
 断わっておくが、しがない年金生活者に別荘などある筈もないが、年々荒れていく空家の実家 を「別荘」と称して、管理人たる自分を慰撫しているのである。
折れた松
 毎度のことながら、食料、着替えなどで満杯のザックを背にして落ち葉に埋もれた門口に立ち、 先ず行く手を遮る松の折れた枝に目をみはった。
玄関まで行けない!!。
 荒れた畑を迂回して庭に廻ると、物干台の一基は台座近くから2本の鉄パイプがグニャリと曲が り、片方は 2本の相互を溶接でとめた支えが溶接部で破断してV字に開き、物干竿はくの字に折れ て庭木の枝を押しつぶすといった惨状で、しばしボウゼンの態・・・・・。

壊れた物干台  晩秋の初雪がいきなり根雪になってしまい、住民は毎日雪かきに追われたそうで、積雪は当地と しては珍しく1mを超えたらしい。なんと4月20日にも雪が降ったそうである。

 母屋の屋根は雪が滑りやすい塗料の屋根材のため、雪降ろしはしなくてもよいが、軒下に落 ちた雪の量がハンパではないため相当の被害となったようだ。
 近所でも古い物置が潰れたり、小屋の屋根が崩れてブルーシートで覆っている所などが散見された。
 菩提寺のわが家のお墓に立っている二基の灯篭が、クビから上が転げ落ちており、石屋さんに 頼んで修理してもらったが、予期せぬ出費であった。
 雪崩でもないのにどうして灯篭の上部だけ落下したのか不思議だ。
 わが家のお墓以外にも本家のお墓など同様な被害が数ヶ所あったそうで、深い積雪による力の 複雑なかかり方は想像もつかない。

 ともあれ、ふるさとの春は駆け足でやってくる。
 訪れたときはレンギョウと池の水芭蕉が満開であったが、滞在中に近所の桜が開花して満開 になり、家の梅、水仙、チューリップ、ボケ、野草のニリンソウなどが咲きそろった。

  ・ ふるさとで 今年二度目の 花見かな

 好天の日は外で雑草取りや植栽の手入れ、雨天の日は障子の貼り替えなど屋内作業で二週間の 滞在期間はあっという間に過ぎてしまった。
 家の畑などの周囲にある山菜のタラの芽、ミズ(ウワバミソウ)、シドケ(モミジガサ)は 帰る頃にやっと出揃ったので藤沢に帰る朝摘み取り土産にした。
 キレイになった門口と咲きそろったチューリップを振返り、この先別荘はどうなるのか (どうしたらいいか?)頭の痛い問題を想いながら、25人乗りのミニバスに乗り込むと乗客は 自分ひとりであった!。
 この路線バスはフリー乗降区間のため、前の道路で手を上げると止まって乗せてくれるので、 便利であるが、1日5往復しかない赤字路線で、わが別荘と同様この先の展望が開けないのである。

チューリップ ・ 亡き母の植えしチューリップ咲きそろう
  十三回忌過ぎし今年も

このチューリップは母が植えたもので、植え替えもせず放置しているが、毎年雑草のなかで 健気に芽を出し美しい花を咲かせてくれる。
母は花が好きで、色とりどりの花が咲いていた丹精こめた自慢の庭は、もはや見るかげもなく なってしまった。



水芭蕉 ・ 水芭蕉落ち葉の水辺にひそと咲き
  主(あるじ)の住まぬ屋敷荒れゆく

池には父が釣ってきた大きな鯉や鮒が泳いでいたが、両親亡きあといつのまにか一匹も いなくなり、落ち葉が沈んで浅くなってしまった。
子供の頃、毎年弟達と泥んこになって魚をすくい、池の掃除するのが楽しかったなぁ・・・。
池は涌き水なのでいまでも冷たく澄んでおり、ヤゴ、マツモムシ、アメンボなどが棲んでいる。




「とってもいいお話2題」

 ふるさとのホームページに、お世話になった方の写真と近況が掲載されていて 嬉しくなったので紹介する。

その1.中学の恩師(英語の先生)
 先生は、10月16日から20日までの5日間、市長を団長とする公式訪問団のひとりとして、 オーストラリアの姉妹都市シェパートン(Shepperton)市(ビクトリア州で4番目に大きい市) を訪れたそうだ。
 市の国際交流協会会長をなさっており、学生や生徒の語学交流の促進などに努力されている とのこと。
 そういえば中学のときも授業のほかに英語クラブで海外文通を指導されており、アメリカの ペンフレンドへの手紙の添削などお世話になった。
 校長まで登りつめて、退職後もいろいろな分野でご活躍されており、衰えを知らない旺盛な エネルギーは、多くの教え子のひとりとして見習わなければいけない。

その2.お寺の和尚さん
 実家の菩提寺は和尚さんが亡くなって久しいが、市内の同じ宗派のお寺の和尚さんが兼務 住職をされており、亡き両親の葬儀から法事などで今もお世話になっている。
 その和尚さんが、秋の叙勲で藍綬褒章(らんじゅほうしょう・・・社会福祉功績) を授章 されたそうで、おめでとうございます。
 73歳の現在、月20日は 正法寺 (かつては越前の永平寺、能登の総持寺と並び曹洞宗の第三の 本山といわれた古刹)に泊り込んで修行者の指導、残りは住職の仕事があり、何もしない日は 皆無とのこと。
 趣味の書道は師範の腕前で、写経教室を市内外で開催して熱心に取り組んでおられる由。
 今年は亡き母の十三回忌、お盆の法要でお会いした。



「鹿踊(ししおどり)」

百鹿群舞

郷土芸能 鹿踊 「百鹿大群舞」

八頭の鹿(しし)の打ち鳴らす一糸乱れぬ太鼓の強烈な音が、見る者のあばら骨を激しく揺さぶり、 夜の暗闇を背景に裸電球の乏しい光の中で妖しく輝く金色の両眼と歯、狂ったように振り乱し 白い角に乱れ絡まる黒髪に、この世のものとも思われぬ得体の知れない恐ろしさと、異様な 興奮を覚えたのが幼い日の鹿踊(ししおどり)を見物した強烈な印象である。
ふるさとを想うとき最初に脳裡に浮かぶイメージのひとつが、この鹿踊(ししおどり)である。
現在は、ゴールデンウィークの祭と、お盆に各流派合同の100人が一斉に踊る百鹿大群舞が 圧巻で、轟き渡る太鼓の大音響が市内大通りにこだまする。一見の価値あり。


「鹿踊(ししおどり)」についてご興味おありの方は、 ここ をクリックしてください。
迫力万点の太鼓の音とともに、すてきな動画の紹介も見られますよ。

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