実践・エルフ語講座
第二回「キアス その2」
前回の宿題は解けたでしょうか。
対応表に従うと、
は、
すなわちカザド=ドゥムです。
第三紀のドワーフたちが使用していたキアスは付録Eの表にある通りです。
もともと体系的でなかった文字系列をエレギオンのエルフたちが拡張・再編成したため、
フェアノールの文字の体系の影響がある、とトールキンは語っています。
すなわち、
- 枝がもう1本加わると有声音になる。たとえば、
- 逆向きのキアスは摩擦音になる。たとえば、
- 幹の両側に枝がつくと有声+鼻音になる。たとえば、
その他、灰色エルフや上エルフが用いる場合はフェアノール風の使い方となり、
またモリアのドワーフたちはいくつかの文字の代わりに他の文字を使ったり、新しい音を表わす文字を作ったりしました。
またエレボールのドワーフ達もまた別の使い方をしましたが、それはこの表にはありません。
このような、種族による微妙な表記法の違いは、エルフ語をかじってみようと思う者にとって大変頭が痛いと同時に、
トールキンの言語への思いいれがひしひしと伝わってくる思いです。