近年、旅行誌などで紹介されるようになり、最近は時々日本人の姿も見うけられるようになりました。
ここケンウッド・ハウスはロンドンの北に位置するハムステッド・ヒースにあり地下鉄とバスを乗り継ぐなど、時間に余裕の無い旅行者にとって、行きたいが諦めざる得ない博物館と思われているようです。
規模的には、先に紹介した膨大なコレクションを誇る「ウォーレス・コレクション」と比べると小さく「ウォーレス・コレクション」を丹念に見ようとすれば、数時間はかかると思われますが、「ケンウッド・ハウス」の場合は30分もあれば見学を終了してしまうことでしょう。
展示物の柱となっているのは絵画です。その数はそれほど多くは無いものの、レンブラント、ハルス、ターナ、ゲインズバラ、レイノルズ、バン・ダイク、などの絵画の傑作が展示されています。
その中で最も貴重な作品を一つ選ぶならば、レンブラントの「自画像」でしょう。彼は若い頃から晩年に至るまで、全生涯を通じて自分の肖像画を描いています。
ケンウッド・ハウス」にある「自画像」は、数ある彼の自画像」のうちでも後期(1663年)に描かれたものです。
この自画像に描かれているレンブラントは作業着をまとい、白い帽子をかぶり、絵筆、パレット、それに腕木を持った姿でほぼ正面を向いています。
彼の下半身は、まるで影に覆われたように暗く描かれているのに対して、頭から顔の辺りはまるで光に照らし出されているようであり、ちょうど彼が遺影の中から浮かび上がっているように描かれています。
沢山ある彼の自画像の中でも、これほど画家としての自身と誇りに満ち溢れたレンブラントの姿は他にはありません。美術愛好家であれば、このレンブラントの傑作一枚を見るだけでもケンウッド・ハウスを訪れる価値が十分あるということを理解できるでしょう。
ケンウッド・ハウスは、建築家ロバート・アダムスによって設計され、1764年に建築を着工し、1773年に完成しました。
広大なハムステッド・ヒースの北の端にあり、穏やかに下っていく丘陵の向こうには、ロンドンの中心街を展望できます。
夏はこのケンウッド・ハウスの前で野外コンサートが行われ、6月から9月の間は日光浴を楽しむ人々や、家族連れのピクニック客で一杯になります。
時間に余裕がある旅行であれば、ケンウッド・ハウスを訪れて、夜はコンサート鑑賞を楽しむこともできます。
オープン:4月1日ー10月31日、10:00am-6:00pm. 11月1日ー3月31日、10:00am-4:00pm
閉館:12月24日、25日 入場料:無料
交通:地下鉄ノーザンラインのArchway駅、又はGolders Green駅下車
バス210に乗りKenwood House前で下車。