しかし、今日、彼の名前を永遠不滅のものとするのは、やはり彼が残した工芸品(デザイン)に負うものといえます。
彼の工芸デザインの特長は自然とのハーモニーを基本にしており、そのモチーフの多くは草や木や蔦などであり、それらを幾何学的な視点に立ってデザインしているのです。
彼にとって自然との調和のないデザインは醜いものであり、美とは自然との調和のあるところに存在するという考えをもっていました。
中世の工芸品や技術に魅せられたモリスは、ちょうど産業革命の真っ只中にあった英国の工芸品(工業的大量生産)そうした安物の醜い工芸品はそれらを使う人のみならず造る人をも台無しにしてしまうと訴えて自ら文化、伝統、それに自然との調和をめざしたデザインを造りだすことに精魂をかたむけます。
彼の工芸品は多岐に及び絨毯、敷物、壁紙、家具、ステンド・ガラス、タイル、本の挿絵などがあります。
自然との調和を美とする彼の考え方は、当時産業革命の頂点にあった英国の実情を批判的に観るようになります。
このことが彼を社会主義に目を向けさせていくことになります。
彼が詩人であり、社会主義者であり、そして偉大な工芸デザイナーであったことは密接に関連しているのです。
そうした彼の遍歴はこの「ウイリアム・モリス・ギャラリー」を訪れると次第に明らかになります。
実際にウイリアム・モリス一家が住んでいたウォーター・ハウス(1848-56)が
今日「ウイリアム・モリス・ギャラリー」となっています。
仮にあなたがウイリアム・モリスについて何も知らなかったとしても、美術に多少でも興味を持っているのであれば、是非このギャラリーへ足を運んでみてください。
残念ながら、ほとんど日本人観光客は訪れないのが実情です。
交通:地下鉄ビクトリア線で北方面の最終駅「Walthamstow Central」下車、駅前よりバス97番、又は97A番に乗り(約5分)、ベル・コーナー(Bell Corner)で降りる(乗る際に運転手にベル・コーナに着いたら教えて下さい戸伝えて、運転手の近くに座るのが良い。実際にはバスは交差点の手前10メートル程で停止するので、その交差点を左折して100メートル行くと歩道橋があり渡るとすぐギャラリーがある。
オープン:火曜日ー土曜日、10:00am-1:00pm &2:00pm-5:00pm、 入場料:無料