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江ノ島一望図
〜 絵図屋由来 〜

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江ノ島一望図
文化五(1808)年 絵図屋善兵衛版(原図 32.2×45.4cm)

江戸後期、文化年間の江ノ島の様子を詳細に描いたこの絵図の版元は、絵図屋善兵衛である。
(絵図屋善兵衛の住居と同位置で現在も店を営む堀江商店店主はその後裔にあたる)
渡し場から参道を進むと、右に岩本院(現在の岩本楼)、左に下の坊、次の鳥居をくぐると仁王門、下の宮(現在の辺津宮)となる。
絵図屋善兵衛はこの版以前に二度の絵図を刊行しているが、焼失等で版木を失っている。
これは絵図屋善兵衛の絵図をもとに、後に「彫工 江戸市ヶ谷江川」によって版木を作られたものであり、この後島内の上の宮や松寿軒も本図と同様・同図柄の絵図を出版した。

絵図右上のはしがき
「僕が家、島中の図を売るを以て号して絵図屋といふ。寛政乙卯(七年)の歳火災に罹りて其鏤版を失ひしを、江戸千葉君沙橘尼新に板を刻さしめ、僕が家に恵投して家産を賑はしたまへり。しかるに客冬(文化四年)十一月、其板もまた廃燼となれり。因て更に千葉君に請ひ、鏤板旧のごとくなりて四方来遊の諸君子にひさく。此図に拠りて島中を巡覧したまはば、遺るところなかるべし、なほ其来由を識んと欲せば、別に一冊あり。照し読みたまふべし。絵図屋欽白。文化戌辰(五年)四月。」

左下の刊記
「江ノ島入り口左がはかど(左側角)絵図屋善兵衛版」
左方の稚児ヶ淵の和歌
「しらぎくとしのぶの里の人とはば、おもひ入江のしまとこたえよ」
「しら菊の花のなさけの深き海に、ともに入江のしまぞうれしき」
―白石 克―

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