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■■■■ 撮影メモ ■■■■■
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5 唐 十郎 「天下一の形而上学的唐芸」 1988.1.29.
一面識もない人に会うのは不安なものである。唐十郎の場合は特に、超不安であった。私が20代前半のころ何かと新聞を賑やかにした人だったし、また私の周囲の友人、知人達からその才気と異端児ぶりは耳にたこができるほど聞かされていたからである。だから、私が初めて高円寺南下町唐座に唐 十郎をたずねて出掛けた時は、まるで果たし合いにでも行くような心境であった。しかも撮影の依頼を受けるかどうかは一度私と会った上で返事するとのことだつたのでなおさらであった。ところが、実際お会いし言葉をかわしてみると、まことに飾り気のない繊細な神経をおもちの、下町の紳士であった。
6 宮城 音弥 「父、娘、母」 1988.2.14.
幾ら初対面といっても私方は少しは相手を知っている。著作を読んだり、新聞で顔写真を見たりして。そして、常ながら撮影者である私の方はその時々で色んな質問を被写体にあびせる。その質問といえばたあいない世間話から、少しは専門的なものまで含めてであるが、宮城さんとの間では少し違っていた。私の方が質問ぜめにあうという具合に進行したのである。精神分析を受けているような心地であった。
後日別件で再び取材させて頂く機会にめぐまれたので、その時の感想をお話したら、夫人が微笑み乍ら宮城氏のかわりに答えて下さった。
「主人は初めて御会いする方には、いつもそうなんでございます。相手の方を記憶するために、そういう作業が必要でございますの。」
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