1.車体側板、妻板の材質が違う?
てっきり青15号に塗装されていると思いきや、色はともかく、透けてるんです。
また、梨地の感じも中村精密のとはずいぶん違ってまして(艷消し度合いが弱い)し
かも金型を研磨しなおしたのでしょうか、研磨のブラシの跡と思われるのが残ってい
ます。(スハフ43のみ)湯のバリも一部に結構出ていて、ランナーからはずして修正
してから青15号を塗る必要があります。気になるのは説明書にはブドウ色に塗れとあ
るのですが。。。だったら、なんで青にしたんでしょうね?
2.屋根、床板、ベンチレータ
こちらもつや消しの度合いが弱いです。ベンチレータのバリは変わらずで、中央にヒ
ケがあります。床板に中村精密と記銘してあった所は金型を彫ってプレート状になっ
てました。そして片側(車掌室側)のカプラー用の穴が、金型が壊れたのか湯が回り
込んで埋まってしまってます。(スハフ43のみ)それからボルスターの部分が1.5mm
程削って(金型を埋めて)低くしてあります。その結果KATO客車と比較して裾はちょっ
と高め、雨樋の位置はちょっと低めに感じますが、KATO製客車と連結した時にもずい
ぶん見た目が改善されました。問題はカプラー取り付け高さが#28だと低め、#27だと
高めについてしまうことでしょうか。
3.窓ガラス
材質が向上して、前より芯があるというか、スカスカのスチロールと言う感じがなく
なりました。しかし、金型は同じなので平面性とかは以前のままです。
4.台車など
台車は昔のまま、(車輪もエンドウのではなく、中村精密のと同じフランジの低い物
のままです)カプラーはエンドウのダミー自連に変わっています。床下機器はホワイ
トメタル製に材質が変更されました。ただ、型抜きの為か床下機器の片側の電池箱と
機器箱のディテールが無残にも削られているのはどうかと思います。(使わなければ
関係ありません:-)ホロも床下機器と同じ材質の様ですが、下りた状態の渡り板は切っ
た方がよいでしょう。あと、別途雨樋に1mm幅のプラ板を貼れと指示がありますが、
それ用のプラ板(10mmほどの幅のもの、つまりは切りださないといけない)も入って
いました。
5.シート
ハセガワオリジナルとしてシートが追加されてますが、なんか変だと思ったら、シー
トバックが垂直なんですよね。。。これじゃあんまり。
その他(追加で登場した車種など)
スロ53とマシ35も発売されまして、シートなどハセガワオリジナルのパーツも合わせ
て対応されています。マシ35は(中村精密時代のを知らないので、その当時からだと
思いますが)業務用扉が追加された近代化工事後になっていますが、窓は木枠のまま
なので、窓枠を削ってHゴムによる固定窓に改造が必要です。また、床下も他車と共通
のパーツなので、エコーモデルのパーツなどを利用して変更を加えないといけません。
すいぶん酷評ばかりしてきましたが、(中村精密そのままのはやむを得ないとして)
出来としてはかなり疑問符が残ります。なにせ中村精密の頃は少なくとも車体は塗装し
なくても良かったのが、今回はそうもいかないというのが致命的です。いきなり 2600
円の予価から3200円にされたましたし、値段としてはそれでも頑張ったなと思ったの
に、塗装しなければいけないのが屋根と床下(屋根に目をつぶれば床下だけで済んだ)
だったのが、せっかく用意してくれた室内などそのほとんどを塗装しないといけない
となれば、メリットは軽いことだけ(塗装の手間を考えると3200円の値段は安いとは
言い難い)になり、ちょっと考えさせられます。しかし、バリエーションを増やすこ
とができる(旧世代の客車による特急列車の編成を作ることができる)ことはかなり
のメリットで、最初に予定された10系客車、とりわけナロ10の発売が望まれます。