1. 買ってきて箱をあけて。。。
箱は第1段のオハネ12/オハネフ12(1.5段のナハネ11/ナハネフ10)と同じ金色の箱、この色と
いい、KATOのとまた違う大きさといい、ちょっとなんとかしてほしいものだと思います。また店
で張られた値札を剥がそうとしたら、ラベルも剥がれてきてしまいました。もっとちゃんとした糊
で張って欲しいものです。 箱をあけると取説とインレタと袋が2つ。袋は袋としてでなく、あて紙
代わりの様です。
さて、肝心の車体は箱に発泡スチロールの緩衝材の中にありますが、長さ、高さ共に車体より小さ
く、車輪など食い込んでいて取りだすのもやっかいです。KATOのキハ58系にも見られましたが、
ここはもうちょっとしっかり寸法を合わせて欲しいものです。台車の枕梁が歪んでしまってはちょ
っと困りものです。
なんとか取りだして見ると、成型色のままの床下を除けば、前同様、艶消しの度合いなどよくでき
ています。もし塗装するなら黒染めの台車も一応塗装するとよいかもしれません。
車体の下には後付パーツ。手すり、ベンチレータ、エアーホース、ステップなどが入ってます。こ
れも前回と一緒です。
印象としてはおしなべてスハネ16は前回の製品に多少の修正を加えて遜色ない出来になっていると
言えるでしょう。
2. 組立追加工その1(下回り)
さて、さっそく組立と追加工にはいります。まずは下回りから、RMModels5月号の記事を参照し
て話を進めると、まず高すぎる車高を適性にする為にワッシャ(前回製品の車両と高さを合わせる
為にワッシャが入っている)を抜きます。
最初に上回りと下回りの分解ですが、片側3ヶ所のツメを外せばあっさりと外れます。台車は日光
製ということで、確かに枠にはNIKKOの文字がはいっていますが、枕梁やネジの形状が異なってい
ます。別に作った様です。
台車を外したついでに、ガタついて本来の役目を果たしていないピボット軸受を、正常にするため
に片側の側枠を外して、枕梁の側枠を取り付ける部分をラジオペンチでつぼむ様に曲げてやります。
再び組むと軸受間が狭まり、ガタがなくなってピボットで受けるようになるわけです。手ですこし
ずつ広がる様にして調整して、車輪が軽く回る様になれば調整は終了、KATO客車並とまではいか
ないものの、結構軽く転がる様になります。この調整も箱がきつくて枕梁が曲がってしまう様では
意味がないので、カッターナイフで緩衝材を切り取り、軽く出し入れできる様に修正します。つい
でに車輪を付属のプレート車輪からスポーク車輪に交換します。付属の車輪は黒染め済ということ
であったが、確かに黒染めされているものの、もうちょっと染めて欲しかったと思います。
変更した台車周り、右側が製品そのままの黒染め車輪、左側が交換したスポーク車輪
また、手持ちにSEM(SEMとそこが出している車輪については 稲葉さんの関連ページ を参照してください。)の車輪があったので、2軸だけ25mm長のものを使用しました。こちらの 方が調整時に軽く転がる様な気がします。
こちらは右側がスポーク車輪で、左側がSEM製のスポーク車輪
再び組み上げてレールの上で押してやると、かなり転がりが改善されていることを確認できるでしょ
う。
続いて、高さが変わってしまうカプラーも、ホルダーではなくネジ止めすることで 高さを修正でき
るとのことなので、一度外し、あいている1.5mmの穴に2mmのタップを立ててネジ止めします。
それでも修正前と比べると気持ち低めですが。。。他は指示どおりエアーホース、ステップをつけ
ます。エアーホースは省略または別のパーツにしたほうがよいかもしれません。ステップは逆にド
アステップの取り付けに改良がなされて、簡単に取り付けられる様になりました。こういう点に進
歩が見られます。
オプションでついてくる電暖用トランスですが、取説に説明がありま せん。実物の写真はと探して
見るものの、なかなかわかりません。TMS '86-7号にエコーモデルの製作記事があるのでそれを見
ると、位置としてはデッキから3つ目の窓の下、車体中央付近となっています。位置的にわかりに
くいですし、取付もし辛い所なので、電暖仕様(2000番代)でも省略してもよいと思います。
(私は省略しました。)
ワッシャを抜いて高さを調整したスハネ16、右側は前の高さのままのオハネ12
スハネ16もワッシャを抜かなければオハネ12と同じ高さになる(様に作られている)
3. 組み立て追加工その2(インレタ)
車体にパーツを取り付ける前にインレタを張ります。その為にホロを外します。インレタは前回の
に比べて、ある所を転写中に当たっていた他のところが勝手に転写してしまうという問題がずいぶ
ん改善されている様に思います。ただ、ドア上の客室種別表示「B寝台」がとても入れにくいのは
以前のままです。インレタのシートが厚くて腰があり過ぎるのが問題だと思います。(それ以前に
凹んだ部分に転写させようとすること自体が問題かも)あと、所属標記に大ミハがないのも(品シ
ナって実在したっけ?)問題かと。また換算標記もおかしい様な気が します。
番号は2086,2125,2132の3両としました。(すべて大ミハ所属) さらに、前述のドア上の客室
設備標記のインレタを入れる際、外形に合わせてシートを切り、転写してから剥がす様にしました
が、転写後剥がさなくても、シートがガラスっぽくてかえってよいことがわかり、転写しても剥が
さずそのままにしています。妻面にも検査標記など用意されてますので、指示通り入れます。
インレタを入れた妻面の表情
インレタを入れたら下回りをハメ込んで組立ますが、オハネ(フ)12に比べてきっちりはまり込ん でくれる様になったのは大きな改善だと思います。(前回のはなんとなくハマリが浅くて落ち着か なかった)
4. 組立追加工その3(車体)
屋根に別パーツとしてベンチレータを取り付けます。スハネ16はクーラーが、オハネ17は扇風機ドームがついているのが違いです。クーラー付の車の特徴として、水抜き穴の表現がありますが、 私は行なっていません。なお、ベンチレータの取付に際し、押し込みに結構な力が必要ですが、うっ かり爪を立てて行なうと跡がついてしまいます。腹で押すよう注意しましょう。^^; デッキと前位妻 面につく手すりはデルリン製で色があからさまに違い、真鍮線に交換したほうが実感的ですが、真 鍮線だと剥げるので、私はKATO客車用のを使用しました。ドア手すりはスハ43系等の標準?オプ ションパーツを、妻面の方は20系用のが予備で余っている分(B6)を使用しました。色などやはり 差異はありますが、純正よりモールドなどこっちの方がよりよく出来ています。妻面のは形状も異な りますが、むしろこっちのほうが実車に近かったと思います。
手すりを換えた場合の違い、ドア部(左:付属パーツ 右:KATO製客車用に交換)
手すりを換えた場合の違い、妻面(左:KATO製客車用に交換 右:付属パーツ)
以上で今回発売されたTOMIX製スハネ16の組み立てインプレッションを終わります。消費税率変更 直前に発売されたこともあるのか、某量販店で購入した時、そこにあった最後を買うことになりま した。軽量寝台客車編成ではオハネ(フ)12に比べてこちらの方が連結両数も多かったですし、改 良も加えられているので結構売れている様です。早く次のオロネ10を製品化して、軽量寝台客車シ リーズを完成させてくれることを期待しています。その前に貨車だそうですが。。。