キハ53(100)を作る


紙で作る583から8年余り、KATO/TOMIXから出てくるプラ製品の加工を 専ら行っているうちにペーパー工作から遠ざかっていましたが、久々に1両 作ってみました。



  • キハ53 101
     今までペーパーで作った車両と言えば、583系に181系、クハ418(など) と特急電車がほとんどなので、「え?ディーゼルカーですか?しかも近郊型?」 と思われる方もいらっしゃると思います。
    まずはそのいきさつから
    583系を記事にさせていただいた時に聞こえて来た感想として「なぜ?583?」 というのがありました。
    ペーパー入門として583は編成としても敷き居が高いというのが理由だそうで、 なぜ583なのかは今さら説明の必要はないと思いますが、入門の題材としては (とっかかりとしては)確かに大変であったことは認めます。
    記事をよく読んでいただければ、最初は紙で好きな物を作る。その例として583 を作るという構成にしたつもりでしたが、583がクローズアップされてしまったの は、まぁ成りゆき上仕方ないことでした。
    さて、子供も大きくなり、とっかかりとして見た時に、作例として好例のものは ないかなと探した所で浮上したのが、このキハ53なのですが、多分「なぜ53なの?」 という意見がでてくると思いますので、長い前置きですが、さらにもう少し。。。

    最初の1両は1両で走って、かつコストも押さえたい。

    ここが原点で、好きな車両を作るのが今回は原点ではありません。それゆえ気合いの 入りが不足気味で時々工作が途絶えることもありました。やはり好きな車を作ってナンボで あることを認識しました。反面、実車に対する認識が変わり、大こそ付きませんが、好きな 車両の1つにはなりました。それはおいおい述べていくことにして。
    1両で走ると言っても、貨物が好きな場合は別にして、旅客(なじみが深い)となると 事業用車は除外、 電車だと119か125、あと旧国になってしまいます。またパンタは 高価で破損しやすいことも考えると、電車自体が除外、気動車で両運となります。そして

    動力は安定して走ることが重要

    次はここです。鉄道模型は走ってこそ楽しいのであって、完成したらガンガン走って 欲しいものです。
    ということで、下回りの安定性を考えた時、KATOの動力Assyが(入手性に難があるけど) ピカ一ということになります。なにせ全軸集電駆動で、床下機器まで完成しているので、 下回りに関しては基本的に完成品と同じとなります。
    対抗馬としてはエンドウのMPギヤとなりますが、これが気動車としては片台車集電、駆動 となり、安定性の面で劣るほか、床下機器まで含めるとキハ58 1両分とそう差がない位に なってしまい、入手性(こちらも万全とは言いにくいし)を除けばKATOの動力ユニットに 軍配が上がってしまいます。ただ、

    2エンジン車で両運の車が限られてしまう

    問題がありました。しかもKATOの動力が流用できる車となると、
    キハ53
    しかなかったのです。
    キハ53もオリジナルの0/100の他に、そのものズバリキハ58から改造の200/1000 もいます。が、これではKATOの加工になってしまいますし、またそっちの方が楽な ので、結局キハ53 0/100 1車種に限られてしまいました。

    以上は足回りからの問題。
    次に車体側から入門用として最適なものはと考えると、

    車体に裾絞りがなく、切妻に近い物がいい

    最初から流線形の車はやはり敷き居が高いので、できるだけ簡単に組み立てられる物を 考えます。となるとまっ先に浮かぶのはそう、キハ30です。もちろんこの車でもいいの ですが、あまりにありきたりなのと、通勤型なので地域が限られることもあって外したい と思いました。となると次にあがるのがキハ23/45/53系近郊型となってくるわけです。 全面は裾絞りこそないものの、半流に近く、角に丸みがあります。まぁ、ここはチャレン ジでなんとかなるレベル(ここだけかなり強引かもしれませんが)と判断して、以上の 観点からキハ23系列のキハ53と決まったわけです。

    前置きがかなり長くなりましたが、というわけで、以上のコンセプトで作りました。
    加えて私の場合は
    せっかくKATOの足周りを使うならキハ58系と混結できる様に、また、した場合でも差が 出ないようなディテールレベルを目指しました。ので、排気口とか給水口にエンドウのパー ツを使ったりしています。


    車体は床板の幅の制約からいさみや車体製作用方眼紙のt0.3を外板と内張りに使っています。 その為強度不足気味でしたが、最終的には窓ガラスの貼りあわせで強度を保っています。 屋根はいうまでもなくペーパールーフで、前面は中央で継いでいます。よって1枚からの 構成によるモノコック構造となりました。


    非冷房車なので、屋根にはベンチレーターと信号煙管のみというシンプルさです。
    ベンチレ−タには583系でも使用したKATOの押込みベンチ(12系用)を使用しています。 信号煙管はエンドウ製を使用しましたが、他のでも問題ないでしょう。


    下回りは冒頭で説明した通り、KATOのキハ58系用を一部加工の上、使用しています。 牽引力や走行安定性は抜群です。

    last update Dec.11/2005


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