ホビーモデル製101系電車を作る




こちらは基本的にそのまま組んだスカイブルーの101系('99/03)


ホビーモデル製101系電車キットの内容(記:97年12月)

私が購入したのは9月下旬に発売になった6両セットではなく、7月の日本 鉄道模型ショーの会場で50本限定で売られた10両セットの方です。これは先 行生産品ということで、一部内容など違っている可能性があります。基本的 には改良されているはず:-) なので、その点ご了承ください。

キットには台車、カプラー、パワートラック、パンタグラフを除く両数分の 車体パーツ、床下回りが入ってます。ただ、屋根はクハ100/サハ100で電装 準備車/T専用車(クハ100のみ)を選択できる様にパンタ台付のものとな しの標準のものとが入っていて、どちらかが余るようになっています。7セッ ト入ってまして、パンタ付の車は最低3両(6M)となります。
床下機器もクハ100/101、サハ100/101で共用になっていて、1つで2両分で はなく両数分入っているので、どちらかの機器(共用以外の機器)がこれま た余ることになります。さらに、これは10両セットだけでしょうが、妻板が 3両(先頭1、中間2)1組になっているので、12両分入ってることになり ます。これらのパーツを見ると、この10両キットは7+3の10両編成で、6M4T を想定した構成となっている様です。
箱は2つ、10セットでは5+5の構成になってました。(金属パーツや小パー ツは10両分)箱は私が抱いていた予想(貨車キットでの)に反してしっかり したものですが、これに完成車をしまっておくのは苦しい様です。寝かせて しまえば入らなくもないですが、もう少し高さが欲しい所です。


101系冷房改造車を作る

まだ、完成まで至ってないのですが、101系製作の途中経過報告です。
製作しているのは101系中央線用の付属3両編成で、51年に冷房を載せる改造 を行なった
クモハ101-198+モハ100-252+クハ100-79
の3連です。

塗装を終えたクハ100。色入れ前の状態

  • 上回り
    ランナーからニッパーで切り取り、残った湯口およびバリをカッターナイフ でそぎ落とします。この時切断時の歪みが切り口に残るので、ニッパーで切 る際、多少余裕を残した方がきれいにできます。(私のは最初の1両だけ歪 みが残ってしまった)
    結構バリとか、金型の磨き込み不足か研磨跡がみられますので、気になる場 合はMr.サーフェイサーなどを吹いてペーパー掛けするとよいでしょう。
    側板と妻板を取りだしたら、組立にはいります。
    側板と妻板は45°の突き合わせで接着しますが、ガイドもなく、結構大変で す。このあたりについては「とれいん」10月号で吉田さんが触れてます。
    私は一度突き合わせ面をヤスリがけして平面を出し、片側にタミヤセメント を塗って一気に接着しました。早いうちなら修正できますので、瞬間を使う よりは失敗しないでしょう。この時、90°のガイドになるものを当てて直角 になるようにします。(でないと車体が平行四辺形になってしまう。^^;)


    片側づつ側板と妻板を合わせたものをつくり、つぎにこの2つを合わせて箱 にする様にします。
    2つを合わせる前に、床板止めにもなる横梁を付けます。これも斜めになら ない様にしてタミヤセメントを流して接着します。これを側面と妻板が直角 を保った接着することで、狂いを防ぎます。
    その後2つを合わせて箱にし、中央にも横梁をいれて組み立てます。
    組み上がったら、まず瞬間接着材を妻板と側板の合わせ目に内側から流して しっかり接着させます。


    屋根はクハ100とサハ100の為にパンタ台付の前期型となしの後期型が選択で きるように余分に入ってます。逆に言えば余る屋根板を使えば妻と側板を作れ ば自作も可能です。(10両セットの場合、妻板は先頭車1両に対し中間が2 両の計3両で1組となっているので、先頭車4両分に対し中間は8両の計12 両分が用意されていて、2両こちらも余ります。)
    これまたランナーから切りだし、バリなどを取ります。これも端が斜めになっ ていて妻板とは45°の突き合わせなんですが、多少の歪みとバリが多いです。
    側板が波打たないように注意しながら側板との接合部にタミヤセメントを流 して接着します。これでかなり車体がしっかりしてきます。なお、屋根のカー ブと妻板のがちょっと違っているらしく、肩と中央部で隙間ができます。ま た、長さがとれいんでも指摘されているようにちょっと短く、隙間ができて しまいます。片側に寄せて空いた片側の隙間は後で埋めることにします。
    タミヤセメントで接着したら、再度瞬間接着材を合わせ目に流しておきます。
    側板と妻板の合わせ目にはどうしても隙間ができてしまうようで、ここにゼ リー状瞬間を埋める感じで詰めてヤスリがけして修正します。屋根との隙間 も同様です。先頭車の正面との所が目立つのでここだけは最低修正しましょ う。中間は縦樋もつきますし、よほど目立たなければ多少あいていてもよい かと思います。


    さて、私は冷房改造車を作ることにしたので、クーラー(AU75)を取り付け る為の穴をあけないといけません。今から17年前!に113系を作るために買っ たカツミ製のが日の目を見ずに眠ってましたので、これを使うことにしまし た。取付足からの寸法は、車体左右対象位置、車体中央のベンチレータ位置 から前後に15mm離れた所に3φの穴をあけ、左右にはランボード(クーラー に付属のもの)を付けます。私が製作しているのは昭和51年度改造車で、位 置は車体中央でよいのですが、初期の昭和47年度冷房改造車4編成は、少し オフセットがかかっているので、位置が異なります。
    クーラーはAU75で1個180円もしますが、ディテールの掘りなど、手持ちと 雲泥の差がありました。^^;


    修正したら、Mr.サーフェサーを吹いて様子を確認して仕上げましょう。
    縦樋を取り付ける際、妻板の屋根布押さえのモールドが多少干渉しますので、 カッターナイフで削ります。タミヤセメントを流して接着します。妻板から 浮かせて取り付けますので、接着材が流れ込まない様に注意しましょう。妻 面は検査札入と、車籍板/製造所/改造工場銘板が左右につきます。前者は エコーのサボ受セットのあまりから、後者はモデル8のパーツから取り付け ました。
    シンプルな車端妻板が締まる気がします。ちょうど選んだ車両が日本車両製 大井工場改造だったのでピッタリです。貫通扉には渡り板をつけます。
    さらに、屋根に上るためのステップ(手すり)をつけます。101系では電装 準備解除後も含めてクハ100/サハ100も(ク)モハ100と同じくパンタ側 妻面向かって右側に縦樋に沿って5つと窓上に斜めに2つ、(ク)モハ101 (クハ101/サハ101共)はちょうど向き合う感じでモハ100側(後位側) 妻面向かって左側に4つと2つがつきます。2両を連結して横から見ると丁 度互い違いになるようについています。これも0.3φ真鍮線を曲げて作ります。 縦樋に沿ってつく方はコの字型ではなく、P字型に曲げて取り付けます。
    屋根にも2つつきます。
    さらに前位側右下には制御用ジャンパー栓受もつきます。エコーモデルから 出ているパーツを使用しました。5種出ているのですが、どれをどれとして 付ければよいのかわかりませんでしたが、B(2646)もしくはD(2648) あたりが似ている様です。(本当はジャンパー栓はなくてよいのですが)

    クハ100の手すりとジャンパー栓受もついたディテールの状態

    クモハ101側のディテール

    モハ100にはパンタグラフが付きます。手すり位置はクハ100と同じで、0.7 と0.4mmの付属している線で引き込み線を作ります。取り説には図があるだけ で寸法の記載がないので(実は)適当に曲げて作りました。しかし、0.7mmの 方をちょっと失敗してしまい、付属の配管押えを使用しているのですが、斜め になってしまいました。幌枠の脇に付ける場合は片側の出っ張りを落とした方 がよいでしょう。ジャンパー栓受ですが、形式写真を見るとなんと母線側にも ついています。やむなくエコーの栓受を都合4個使用しましたが、高くつきま した。
    反対側は実にすっきりしています。(101系ではユニットの外側が共に前で、 ユニットで背中合わせに連結していることになる)ホロが片持ちの為、ホロ吊り が付きますが、0.3mmで作りました。(試しにホロを吊ってあります。:-) ホロはエコーモデルの#1663です。
    これで上回りのディテールは完成です。

    モハ100妻面のディテール(パンタ側(後位))

    モハ100妻面のディテール(前位)

    先頭は手すりを6ヶ所につけます。すでに穴はあいているので、0.3φ真鍮線 を用意して(キットには0.4が付属してますが)手すりを曲げて作って差し込 みます。これとは別に運転席側屋根にステップから上がる為の手すりが3つ 付きますので、こちらは穴をあけて取り付けます。
    ヘッドライトケースはキットに付属のを使い、テールライトケースはキット のだとダミーになるので天賞堂の新型テールライトケースを2.6φのドリルで あけ直してから取り付けます。妻板中央のステップは付属のをタミヤセメン トで接着しました。先頭部のディテールは以上です。


    クハ100の前頭部のディテール

    クモハ101の場合。ジャンパー栓受がつく


  • 下回り
    床板はM/T、先頭/中間兼用の1枚になっています。ランナーから切り出 してバリを取ります。
    まず、ウェイト兼用の鉄板を貼ります。プラ板は細長いものは反りやすいの で、これを接着することで反りを防ぎます。(私は)ゴム系接着材を塗って 接着し、クリップで押さえてしっかり接着させました。その後、ウェイト押 さえ?を接着します。
    このキットは天賞堂のパワートラックを動力とする様な仕様になっていて、 パワトラ用の蓋または、T車用の蓋(非動力側とほぼ同じにする)をつけま す。


    キットには日光製台車(が指定されています)用のセンターピンとバネが付 属しており、これを使って床板に止めます。台車はDT21/DT21T/TR64(DT21を 代用)を組み立てて使います。できるだけ動力台車以外はピボット軸台車を 使って(調整して)抵抗を減らしたい所ですが、なんとピボット軸のが市場 で欠品なんですね。。。(クハは購入できてないので手持ちのTR47を履かせ ています。^^;)なお、このキットのすばらしい所は、バネの硬さが日光純正 のボルスターパーツよりかなり柔らかくなっていて、軽いプラ製車体でも脱 線しにくくしてある所でしょう。さすがです。
    なお、パワトラの蓋のピン穴は5.5φのドリルで台車側から軽く座ぐってやる とパワトラの追従がよくなります。


    カプラーは最初床板のモールドの形状を見てKATOカプラーがそのままつけら れる様にしてあるのだと思ったのですが、ちょっと幅が狭い様です。それに 密連型のカプラの取付は自連型とポケット形状も違い、密連のカプラーに自 連のポケットを用意しないといけません。それに、ポケットの取付が上下逆 になるので、コの字側のポケットとカプラーを2.5φのドリルで穴を広げてか らでないと自連型のピンが通りませんし、余裕がなくなって脱線の原因にも なります。先頭だけはカプラー胴受が干渉しますので、ポケットなしで(復 心できなくなりますが)付けてあります。ATS-B警付きの胴受はエンドウ製 (2個580円!)にしました。
    なお、カプラー高さはKATO製クモハ40と同じ高さになり、スケール的にも ぴったりの様です。ただ、問題として奥に引っ込み過ぎになり、最小通過半 径は700R弱と大きくなってしまいました。(取り付け位置さえ変更すればな んとかなりますが)


    床下機器はプラ製のをステーを介して床下から吊り下げる形でつけることに なってます。プラ製の機器はなかなかのディテールで、これだけでも分売し て欲しい所です。ただ、ステーなど前後の型の微妙なズレがあるので、床板 につける際注意しないと斜めになってしまいます。取付は指で押さえてタミ ヤセメントで接着しました。なお、ステーの片側を床板に、もう1方を機器 に付けてから機器をつける方が楽にできると思います。鉄板のウェイトだけ では不足しそうなのと、重心をさげる為に、動力車のクモハ101は特に中の 空洞部分にミクロウェイトを詰めてエポキシで固めて補重しています。
    それでも3両で走らせてみると動力車のウェイトが不足している様に感じら れますので、いさみやで小形の(幅が車体に干渉しない)ウェイトを買って 積んであります。おかげでいさみやのレイアウトの登り坂も平気で登ります。


    機器の箱の部分など、取説にもありますがヌキのテーパーがついてますので 向きに注意しないと斜めになってしまいます。基本的にランナーと反対側に テーパーがついてます。
    取説には(特にこの先行生産品は)クモハ101の組立例と各形式の形式図しか ついておらず、クモハ101も含めて形式図とにらめっこしながら各機器を取り 付けていくことになります。
    また、製作している車両は冷房改造車の為、冷房用の電源(MG)をモハ100に 積まないといけません。必要となるMG関係機器(MG本体、MG起動装置、MGR、 AVR)はエンドウのホワイトメタル製パーツを使用しました。同時にほとんど の機器の位置が変わってますので、資料を探しましたが、なくて困りました。
    T車専用化のクハ100共々手持ちの1枚の写真とJR車両ライブラリー直流通勤 形電車編からおおまかな位置を割り出し、吊り下げステーを一部介して取付 ました。




    その他ジャンパー栓受とステップは付属パーツを用いましたが、ステップは 台車と干渉しない先頭車乗務員扉の下だけ、クモハ−モハ間渡りの高圧引き 通しはないので、冷房用三相引き通しジャンパ栓受に転用しました。(した がって両側2つづつジャンパー栓受がつく)また、先頭も高圧ではなく三相 引き通しがあるので取付(高圧用を流用)、クモハ101の栓付きの受はエコー の#1606を後ろ側をカットして取り付けました。
    ブレーキ等引き通し空気管などの配管類は省略しました。これで下回りの完 成です。

    塗装はGMのスプレーを使いました。下地仕上げの白サフをオレンジの発色も あり、全体に吹いてヒケなどを埋めてからオレンジを塗ります。クハ100で は気付かなくてオレンジを塗ったらヒケなどが目だったので、クモハとモハ はサフで整えました。(まだ不十分だった様です。)
    オレンジは#11の朱色1号、屋根以外をマスキングして#35のダークグレー を塗ります。屋根上機器などは#9のねずみ色1号としています。
    色入れはドア/戸袋窓のHゴムに灰色を、貫通ドアを薄緑4号(渡り板は灰色) に、正面窓サッシと乗務員扉手すりには銀色を、表示灯には赤を差します。ド ア中央のゴムは悩んだ末に黒に近くなってしまいますが、ガンダムマーカーの ダークグレーを差しました。屋根の配管類にも灰色を差して屋根の色と区分し ます。先頭カプラー銅受のATS-B警車上子には水色を差しました。
    屋根にはさらにねずみ色1号に塗ったベンチレータと、スミ入れしたクーラー を取り付けておきます。先頭には信号炎管も取り付けます。
    インレタはKATOのクモハ40形系列のを使いました。ハイフンは1を2つにカッ ターで切って使います。一部足りない細かい数字などはオハ35系や20系から 流用しています。インレタで表記を入れることでかなり車両が生きてきます。
    インレタを入れ終わった所でクリアを吹いて艶、およびインレタが剥がれない 様に押さえ(抑え)ます。艶は個人の好みで半艶としました。
    この後パンタグラフ、ライトのレンズをネジ止め、あるいはエポキシで接着し、 いよいよ最後の難関、窓ガラスを付けていきます。サッシ、戸袋窓、ドア窓で 窓セル(エコーモデルの透明塩ビ板)を分割しなければならず、Hゴムを書き入 れるのよりよっぽど大変でした。サッシは上側と車端部の1連の奴は車端側をちょっ と詰めておくと位置を決めるのに余裕ができて楽です。
    窓ガラスを入れて運転席のワイパーをエコー製の腕をオレンジに塗ったものを取 りつけ、行先表示と運行番号(番号はTMSの記事にあった、PECOの品番文字を 切り取って使用しました。)も入れたら完成です。


    塗装と色入れを終え、インレタで標記を入れたクハ100。後はサッシと窓ガラ スを入れるのみ

    この車両の製作記事を、RM Models '99-5号に掲載しています。



    今度はスカイブルーの7連を作っています。冒頭はテールライトの形状を作り分けた クモハ100とクモハ101です。上は製作中のモハ101とサハ100です。


    クモハ100とモハ100の配管です。塗装前の状況がおわかりいただけると思います。

                            last update:3/23/2000


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