ホビーモデル製クモニ13を作る




ホビーモデルからプラ製電車キットシリーズ第二段としてクモニ13が1月 半ばに発売されたので、そのインプレッションおよび製作記をお送りします。

もう1両のクモニ13

キットの内容

私が購入したのは動力(ギヤ、モータ)付9000円のものです。モーターなし 7500円、ギヤなしトレーラー仕様の6200円というのもあります。買う時に 確認しましょう。

キットには台車、カプラー、パンタグラフを除いて車体パーツ、床下回りが 入ってます。(もちろん説明書も)別途購入するパーツは、指定ではDT10 (日光モデル製指定)、パンタグラフ(PS13)、カプラー(Kadee#8)と なっています。101系の時はパワートラック(WB26B)が品切れになり、 入手難となったことを踏まえて、動力はキット付属となったことは嬉しいこ とです。ところが、今度はパンタグラフがエンドウ製の黒が品切れ。。。 こちらはフクシマ製であるとは言え、一基2800円!!!こちらもなんとか なりませんか?^^;


1つの袋に大きくまとまられたパーツ。さらに一部は別の袋にまとめられている。

さて、袋を開けると 側板屋根/床板および付属パーツ、妻板2枚、 動力(ギヤ関連)、ベンチレータ、モーターなどに分かれています。


組み立て

まずは車体と一緒におフロに入ります。:-)
裸のつきあい、ではなくって、離型剤を落とすためで、お湯に中性洗剤を入れ、 古ハブラシでゴシゴシやって洗い流します。
さて、車体がおフロに入っているうちに動力ユニットの組み立てに入ります。
袋を開けるとこんな感じです。


まずは集電シューをケースにカシメます。熱したドライバーなどでボスを潰して カシメます。


続いてギヤを組み立てますが、連動ギヤはプラ製で、湯があるのでこれをカッター で落とします。落とさないとウオームなどに当たります。ケースにグリス(私は タミヤのモリブデングリス)を塗ってからギヤを組んでいきます。
キットに付属の説明書の他に、当たりを避けるための説明が追加で来ている様な のでその説明書を入手してください。場所としては下フタの連動ギヤ押さえでモー ターのウオームギヤと干渉する部分と、ウオームのない側の軸穴を(わずかに) 削ります。この他に台車の側枠を受ける部分も少し削ります。(これは私の経験 から) まずは車輪などをつけずに組み立てて慣らしを行います。


ギヤの慣らし中

ギヤを慣らしているうちに床板を組み立てます。バリを取った後ウェイトをゴム系 接着剤で接着します。

慣らしは9Vで両方向に1時間づつ位おこないます。すると組み立て直後では起動 電圧が4Vほどだったものが、2.5V位で回り始める様になります。
車輪を軸に取り付け、台車側枠を組み込みます。ちょっと枠がきつい感じなので 前述の様に枠を受ける部分を削って自由度を与えます。
床板に台車と動力ユニットを取り付け、試運転でさらに慣らしを行います。


ギヤ側を進行方向にすると音が大きくなって速度が上がらないのはまだどこか当たっ ている所がある様です。下フタを止めるネジを緩めると回転があがるのはその可能性 大で、確認しながら当たる部分を削っていく作業が必要になると思います。

車体にとりかかります。まず側板をランナーから切りはなし、湯口とバリなどを カッターナイフなどで削り取ります。


切り離してバリ取り前(上)と後(下)

さらにこのキットでは別パーツとなった床板押さえも切り取ってバリ取り後側板に 接着します。側板にはガイドがあるのでそれに合わせてタミヤセメントで接着、クリップ で押さえます。


接着ができるまでに妻板、屋根も切り取り、バリ取りを行います。

妻板も(こちらはランナーから離れたパーツが2つ入ってますが)バリ取りを行い ます。さらに、キャンバス押さえの下が長すぎるのでちょっとカッターで削ります。 こうしないと縦樋をつけた時に下からハミ出ますので。


修正前(左)とその後(右)わかりにくいかもしれませんが、キャンバス押さえの 長さに注意

さらに裏側も厚さ調整用?の丸い出っ張りがありますのでこれを削っておきます。


裏側の修正前(左)とその後(右)

さていよいよ組み立てなのですが、まず妻板にディテールをつけておきます。これ は組み立て後だと取り付けにくいと思われるものを今のうちにつけておくものです。
具体的には行先表示板差しです。ランナーから切り離し、丸い出っ張りを削ります。 なお、枠の幅のある方が上です。上側の中央が少し凹んでいるらしいので削ってみ ました。上が手すりの下の線に合うように車体中心に接着します。

あと、パンタなし側の妻にはジャンパー栓受がつきます。テールライトの左右を結んだ (上下の)中心線上に向かって右側のテールライトの中心位置から内側に2.75mm、 2mm間隔で1.1mmの穴を二つ空けておきます。


画像では参考までにもう取り付けてありますが、下地仕上げ後でも問題ありません。 パーツは付属していないのでエコーモデルの#1602を使います。

組み立て

組み立ての要領は101系電車と同じです。合わせ目 を丸くしないように注意して#500位のペーパーで削っておきます。
接着には前述してますタミヤセメントのこちらは流し込みタイプを使用します。下の 画像の向かって右側の緑のフタのビンです。床板押さえの接着には白いフタのビンのを 使っています。


プラキットを作るのにかかせないタミヤセメント(2種)

まずは片側づつ取り付けます。101系の時と同じようにスケールをあてがって直角に 注意しながら接着します。


この時側板のうち屋根昇降用のてすり穴のある方にパンタがくるので、先程のジャンパー 栓受をつけた場合には向きを間違えない用にしてください。ジャンパー栓受をつけなけ ればどちらでも問題はありません。
この状態で1日開けてさらに2つを合わせて箱にします。
屋根はすぐ接着しませんが、床板と屋根板を合わせて長方形になる様にしておきます。

妻板と側板が接着できて枠になったら今度は屋根を接着します。屋根をはめ込んだ後 さらさらタイプを流し込んでいきます。この時形がくずれない様に注意しましょう。 なお、101系でもそうでしたが、片側をあわせるともう一方にすき間ができます。こ れは後で瞬間接着材で埋めることにします。

それからモーターの当たりを避ける為に床板止めを切り欠きます。(順番は組み立て 前でも可能です。そちらの方が楽かもしれませんが、どう当たるかわからなかったの で私は組み立て後になりました。)

さて、車体が箱になったら再び床下にいきます。(この順番はどこでもよいです)
床下機器を床板に接着します。101系と比べると組み立てるのも主抵抗器と制御器の2 つで、エアタンクがベルト別組み立て(ランナーから外すとき折れやすいので注意)位 で、数も多くありません。今回は足も床板にモールドされているので位置にも困りませ ん。ただ、補器類の箱とシャ断器がないのでエコーのパーツから追加しています。
補重とディテールUpも兼ねて他の機器も交換してもよいかもしれません。(気分でどう ぞ)なお、番号によっては機器配置が左右逆になっている車もある様なので、床板止め と切り欠きを前後逆になる様にして非パンタ側にモーターが来るようにしてもよい様で す。


取り付けを終えた電気側と

空気側

ディテーリングにはいります。前面に縦樋をつけます。ランナーの所にヒケというか、 盛り上がりがあるので削ります。床下エアータンクの帯止めといい、折れやすいので 注意してください。

屋根上にいってパンタ台とさらに母線および空気管覆いを取り付けます。覆いは多少 長さをつめます。また、気力のある方は片側を削って直立する様にしてやるとなおよ いでしょう。

ちょっと間があいてしまいましたが、手すりをつけます。付属の真ちゅう線を曲げて 作ります。ちょっと太いと感じる人は0.1mm細い0.3mmを使ってもよいでしょう。


さらに母線と空気管もつけます。ただ、私は双方共に101系のあまりパーツのコマ を使用しています。さらにヘッドライトも組み立て、避雷器は台だけ取り付けます。 説明書だとここまでですが、ヘッドライト脇と屋根にも手すりをつけることにしま す。が、それはまた後で。


ぶどう色2号を塗ってみました。これでマスキングして屋根を塗れば仕上げに入れま す。


さらにヘッドライトの脇やステップの屋根側、そして避雷器回りの配管もつけました。 足は101系の余りパーツですが、ずいぶん飛ばしてなくしてしまった。これでディテー リングも終了です。さぁ、あとは最後の山場、塗装です。屋根にはスエード調スプレー を吹きます。


マスキングを行った所です。スエード調スプレー(ダークグレー)を吹くと


あとは仕上げの色入れとディテーリングを行います。
話は床下のことになりますが、連結器、説明書にはケーディの#8となってますが、 できればKATOの40系と連結できるようにしたいということでKATOカプラーの密 連タイプをポケットを加工することで取り付けてみました。ピンの穴を連結面よりに 空け直して(前の穴は残っています)つけてみました。特に動力台車側はギリギリ です。


下(右)側はポケットも流用してみました。


色入れ、インレタを貼り、クリアを吹いてさらにヘッドライトレンズ、パンタ、テール ライトレンズを入れて残すは窓ガラスだけ。


窓ガラスを入れ、ピノチオ製の保護棒を裏側に貼り、乗務員ドアにエコーのロゴ入り 窓ガラスを入れると完成です。ここまで読んで製作された方、お疲れさまでした。

last update Mar.21/2000


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