痛みについて


「痛い」。実に嫌な言葉だと思う。誰でも痛い所があれば、意識がそこに集中し、気分が憂鬱になるはずだ。では、痛みとはいったい何者だ?何のために存在する?痛くなければいいのか? まあそんな事は普段は考えない事ではないかと思う。

しかし、このホームページを見ている方なら、多少なりとも自分の体が心配とか、健康などに興味があるに違いない。大部分の人は、体に痛みを感じると、まずとにかくその痛みを消そうとするはずだ。でも、その消し方が問題だ。いまさっきまで痛くて動かせなかった所を急に動かして良いものか?例えば、お年寄りなどが膝がさっきまで痛くて、ろくに歩けなかったのに、痛み止めの注射1本でうそのように痛みが取れ、帰りはさっそうと歩いていく。良くある光景だが、これでいいのだろうか?

「痛くて辛いのだから、痛みを早く取ってやればいいじゃないか」。そういう声が聞こえそうだが、ではなぜ膝が痛くなるのだろうか。関節の痛みというのは、何らかの原因(日常生活、スポーツ、老化など)により関節が微妙にズレてくる(骨折や脱臼ではないので、レントゲンでは異常は出ない)。そのため、本来関節が持っている動きが出来なくなる。それを無理して使っていると、周りの筋肉や靭帯などが硬くなり傷みが出てくる。

痛み止めというのは、ただ痛みを止めるだけなので、周りの構造はそのままである。その壊れかかった状態で元の動きをすると、物凄い負担がかかると思わないか?しばらくするとまた痛くなるので、また痛みを止める。そんな事を何回もやっていると、もう薬が効かなくなってくる。全くの悪循環だ。ではどうしたらいいのか?

簡単だ。痛みが出たプロセスの逆をたどれば良いのだ。まず関節の可動域を改善させ、構造を整えると自然と痛みが消える。しかし、これにはある程度時間が必要だ。薬のようにすぐというわけにはいかない。でも、そうやって痛みを取れば、簡単には再発しないし、長持ちする。痛みというのは体の警告だ。これ以上こんな使い方をしていると壊れてしまいますよ、体がそう言っているのだ。その警告を無視しないで欲しい。



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