最近の傾向


最近の傾向と言っても、私が言う事は体の傾向の事だ。

私はこの仕事を10年やっている。始めた時はバブルの後期だった。最近の患者さんの傾向を一言で言うと、精神的、環境的な原因と見られる方の割合が着実に増えているような気がして仕方がない。 10年前は重いものを持って腰を傷めた、スポ−ツ障害など外傷的なもの方が多かったような気がする。

現在はそういう人も多いのだが、ストレス、環境的要因(大気、電磁波など)によるものの方が物理的要因よりも多い様な気がする。僕が診た中だけかもしれないが、来る人の多くはストレスをしきりに訴える。どちらが簡単かと言うと、物理的要因のものの方が簡単に治る場合が多い。重いものを持って、腰の骨がズレてそれで痛みを感じるなら、それを取り除くだけで良いのだが、精神的に参ってしまっている場合は難しい。

肩が凝っていて眠れないという方でも、肩を触ってみるとちっとも硬くないない場合もある。そういう人はいくら肩を治療しても仕方ない訳だから、他に原因を探す。最近来られた40代の女性の方は、肩を触っても柔らかいのに、肩凝りを感じ、頻繁にめまいを起こしていた。いろいろ調べていくと、目の疲れと精神的なストレスで頭蓋骨が緊張し、特に蝶形骨、側頭骨に問題があった。彼女の頭蓋骨をクレニオで緊張をゆるめると、これらの症状は緩和された。もちろん肩凝りもなくなった。

このような場合は、肩に鍼を打ったり、指圧しても絶対に良くならない。患者さんの訴える症状が悪いとは限らない。その痛みの真の原因を探して治療する事が重要な事だと思う。特に最近はこのように痛みと悪い箇所が一致していない事も多くなってきている。より体が複雑にこじれてきている証拠だ。昔はなかった病気が最近発生している例からも解るように、腰痛、肩凝りなどの症状も多様化しているようだ。



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