脊柱の歪み


私はよく患者さんから「何でこんなに肩が凝るんですか?」、「どうして腰が痛くなるんですか?」などの質問を良く受ける。簡単に言ってしまえば、これらの原因は脊柱の歪みと言えるだろう。

では、何故脊柱が歪むか?個人によって色々違うから、その患者さんに考えられる原因を説明するようにしているわけだが、大きくわけると幾つかに考えられると思う。まず、身体に直接影響を及ぼす原因である転倒、落下、打撲など。細胞(組織)の代謝機能に影響を及ぼす化学物質、大気汚染、遺伝子。心労、人間関係、社会環境、睡眠不足などの精神面によるもの。あとは、仕事や日常生活の癖などからだと思う。これらの原因はストレスが大きく関係していると思う。

人間がストレスを感じる背景には、前頭葉の存在がある。前頭葉は自制心の中枢中枢であり、本能の抑制をつかさどる領域だという事は良く知られている事で、人間社会では本能むきだしでは秩序が保てないために、ストレスは避けられないとも言えるだろう。このストレスをうまく処理出来ないと、肉体的・精神的にしわよせがきてしまう。

人間社会と自然環境に同時に身を置いている人間に共通して言える事は、脊柱などの人体の構造的な事は同時に化学的、精神的側面にも影響を与え、化学的なものは骨格に影響を与え、精神的なものは生理的側面である自律神経ホルモン系などに影響を与える。このように、精神と肉体は分離して考えられるものではなく、精神は肉体に作用し、肉体は精神に作用するという相関関係にあると思う。 脊柱の歪みを調整する事により、精神面への好影響も期待出来る。多くの人々の精神面がよくなれば、それが社会全体の平和や発展に大いに役に立つと思う。

私は、非常に微力ながら、少しでも脊柱の歪みの調整が社会の役に立てれば、との思いもこの仕事をしている一つの理由です。



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