思い出の犬の治療


今朝、脚を引きずっている犬を散歩させている光景を見て、以前犬に治療を行った事を思い出した。一番印象的だったのは、2年前に行った犬の治療だった。

友達の家に遊びに行った時、そこの飼い犬が脚を引きずっていた。しばらく前からそんな状態らしかった。犬にあまり詳しくないので種類は良くわからないが、コリーのような中型犬だった。冗談半分かどうかわからないが、その友達が私に犬の脚を診てくれないか?と言い出した。友達のお母さんも是非診て欲しいと言った。

う〜ん、どうしよう。犬も脊椎動物だけど、今迄犬を治療した事はなかった。いい加減な事をやって信用を失うのも嫌だし・・・・・・でもなんか面白そう♪以前、大学で動物の勉強をしていた事もあり、犬の骨格の感じはなんとなく頭の片隅に残っていた。よーし、やってみるか!

まず、犬の姿勢と動作を観察した。2年も前なので右だか左だかは忘れたが、後ろ脚の片方を引きずっていた。歩く時の姿勢は、引きずっている脚の反対方向に腰を逃がしているような感じがした。 考えられる事はまず足首の捻挫、それと腰痛。もっとも、犬に問診したわけではないので、はっきりとはわからなかったが。

友達のお母さんに犬を抱いていてもらって治療を始めた。まず、背骨の触診からやってみた。どうやら、人間でいうと腰椎4、5番辺りにズレと固着がある感じだった。とりあえず、その脊椎を正常に調整してみた。まず、そこで一旦手を放し、犬を歩かせてみた。すると、まだ脚は引きずっているものの、腰をネジリながら歩く感じはなくなっていた。

それから、犬の足首を診てみた。内側に捻れていた。膝を検査してみると、内方に捻転している感じがした。これらを治療するには、犬を仰向けにした方がやりやすい。最初は嫌がっていた犬だったが、だんだんおとなしくなってきた。やはり、犬も悪い所を治療されると気持ちが良いものなんだろう。そんな事を考えているうちに、足首と膝の関節が開放した。犬から手を放すと、何と普通に歩くではないか。少ししっぽを振っていた。その後様子を聞いてみても、再発してないらしい。

それから2週間後に再びその家に行った、以前に行った時は凄く吠えられたが、今回は全然吠えなかった。その犬は、飼い主以外の人間には物凄く吠えるらしい。やはり、犬も自分の体を治してもらった人間の事を覚えているんだろうな。きっとそうなんだ。思った以上に犬は利口な動物なんだなーと、その時思った。

それから2ヶ月後。再びその家に行った時、なんと犬は物凄い勢いで私を吠え始めた。なんだ、やっぱり忘れちゃったのか・・・・・・。

最初、犬を治療した数日後、友達のお母さんが当院に治療に来られた。紹介者は犬?愛犬の治療ですっかり信用されたらしい。今ではとてもいい思い出の一つだ。ちなみにその方は今でも健康管理のために月何回か治療を受けに来られる。

脚を引きずっている犬を見ると、可哀相で仕方ない。でも、私がその犬の脚を診てあげましょう、などとは見知らぬ人に言えるはずもない。愛犬家の皆さん、自分の愛犬が腰痛、神経痛などで苦しんでいるようでしたら、知り合いの治療家に相談しましょう!



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