治療と治癒


人間には、自分で病気を治そうとする自然治癒力という力が備わっている。しかし、いろいろな原因により自分の治癒力だけではどうしようもなくなったときに、外部からの力「治療」が必要になってくる。当院に来院される方の多くは腰痛や肩こりが主訴であるが、治療さえ受ければあとは今までと同じように生活しても差し支えないと考えている方が多いようだ。しかし、それではやはり効果が薄くなってしまうのではないだろうか?

「治療」と「治癒」を混同している人は多いと思うが、最終的に病気が治るとか体の痛みがとれるということは、自分自身の治癒力が働いて体を治しているということに他ならない。私たち治療家の行う治療は、治癒力を高めるための手助けに過ぎないのだ。では、自分にそんなにすばらしい治癒力が備わっているのなら、治療などしなくても治癒するのを待てばよいのではないか?、と思われる方もいるだろう。

「治療」と「治癒」は同じものではない。治療は外から施され、治癒は内から起こってくるものだ。人間の治癒力はすばらしいが、必要なときは適切な治療を受け、それだけではなく自分自身でも早く治癒するように努力すべきだと思う。私は、当院に来院された方には日常生活での注意事項や食事、運動の簡単なアドバイスを行っている。次回来院されたときにそれを守っている方とそうでない方とでは、やはり治癒の度合いに違いがあるように思う。

こんな話を聞いたことがある。ある宗教家が洪水に見舞われ、水が家まで迫ってきたが、「主が助けてくれる」と信じ、ひたすら祈っていた。しかし、さらに水位は上がり、彼は屋根の上に避難。救助のためにボートやヘリコプターが来ても、「主が助けてくれますから」と言って断り、結局溺れて命を落としてしまったという。彼は天国で主にたずねた。「なぜ救ってくださらなかったのですか?私の信仰はゆるぎないものでした」。すると、主はこう答えた。「見捨てただと?わしはボートやヘリコプターまでつかわしたではないか。お前はいったい何を待っていたのかね?」

もしかすると、こんな宗教家もいるかもしれない。腰の痛みがひどい宗教家は、毎日痛みに耐えて座禅を組んで修行をしたが、死ぬまでその痛みから解放されることはなかった。彼は天国で主にたずねた。「なぜ救ってくださらなかったのですか?私の信仰はゆるぎないものでした」。すると、主はこう答えた。「見捨てただと?わしはトーエ治療院のホームページを教えてやったじゃないか。お前はいったい何を待っていたのかね?」(笑)



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