オステオパシーのテクニック PART2
〜内臓マニュピレーション〜


内臓が疲れてくるといろいろな症状が出る事があります。なんとなく食欲がない、吐き気がする、脚が浮腫む、脚がだるい、背中が張る、腰が痛い、吹き出物が出る、動悸がする、尿が近い、お腹にガスが溜まる、などあげればきりがありません。健康診断では特に異常がなく、上記のような不定愁訴がある場合は、どこかの内臓に機能低下が起こっているかもしれません。

オステオパシーなどの手技療法は背骨や骨盤の矯正だけだと思われている方も多いかもしれませんが、内臓に対するアプローチもあります。オステオパシーの内臓マニュピレーションの考え方は健康な器官や内臓は生理運動をするという事です。内臓の生理運動には2種類あります。ひとつは呼吸時や運動時の横隔膜の動きと連動する動き(専門用語でいうとmobility 内臓可動力)、もうひとつはそれぞれの内臓がおのおのにもっている内臓固有の動き(motility 内臓自動力)です。内臓は1分間に7〜8回生理的な運動をします。本来、内臓の動きは制限を受けずに正しく動かなければならないのですが、なんらかの原因で本来の動きを失ってしまうと、1日にすれば何千回も正しくない動きをする事になります。そのような状態が長く続けば、臓器を損傷する可能性が出てきます。こうならないよう、マニュピュレーションにより本来の生理運動を回復させてやれば、健康増進がはかれます。

以前に腰痛がひどい女性の患者さんが来られました。腰の痛みだけでなく、最近肌荒れがひどいと言う事もお悩みのようでした。検査してみると、まず骨盤に問題がありましたが、胃腸の動きも物凄く悪くなっていました。最初に内臓に対してアプローチすると、腰痛も半分位とれてしまいました。それから1週間後に再び来られた時には、腰痛も肌荒れもずいぶん良くなっていました。

ゴルフのやりすぎで肩が挙がらなくなってしまったのと、背中が異様に張るという事で来られた男性は、かなりお酒が好きという事もあって、検査してみると肝臓の機能低下がみつかりました。肩の関節と肝臓を治療すると、症状はすぐ取れたのですが、数日後また来られました。肩が治ったのが嬉しくて、1ヶ月位休んでいたゴルフを準備体操なしでやってしまったら、前回程ではないが、なんとなく調子が悪いとのことでした。直後はなんともなかったのに、その後お酒を飲みに行ったら体の調子が良かったのでいつもの倍位飲んでしまったそうです。良くなってもある程度は自分で気をつけてくださいね。



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