オステオパシーのテクニック PART3
〜ストレイン&カウンターストレイン〜


腰痛を訴える患者さんにその原因を尋ねてみると、どうもある共通点があるようです。力仕事の多い人は重いものを持ち上げた瞬間か降ろした直後、同じ姿勢が多い人は次の姿勢に移行する時、草むしりの後に痛くなった人はずっとかがめていた腰を伸ばした瞬間に痛みが走った、というように、ある姿勢を長時間していて、そこから急に次の動作に移行する時に痛くなる場合が非常に多いようです。何故でしょう?

関節に過度の力や長時間の負荷がかかった状態から急に戻ろうとすると、ゆるんでいたほうの筋肉が突然引き伸ばされるために、体が防衛反応として伸ばされないようにがんばって収縮します(伸張反射)。その筋肉の収縮が動作が終わった後でも残ってしまう場合があります。この状態をストレインの状態と言います。筋肉の不必要な収縮がその後関節を動かす時に無理に伸ばされるため痛いのです。関節を動かして筋肉が伸ばされる時に痛むわけですから、逆に収縮してしまっている筋肉をもっと縮めてやれば痛くないわけです。その状態というのは患者さんにとっても楽な姿勢となります。

その楽な姿勢を見つけるためには、異常収縮している筋肉の圧痛点(痛みを感じる箇所)をモニターして決めます。ストレインの状態にある筋肉には圧痛点があります、その圧痛点が消える位置が最も患者さんが楽な位置となります。その状態で90秒保持してゆっくり元の位置に戻すと、異常収縮した筋肉が正常に戻ります。要するに急激な動作によって防衛体制に入ってしまっている筋肉に、「もう急激な動作はしないから元に戻っても大丈夫だよ」という事を教えてあげるのです。ですから、楽な位置から急激に戻してしまうとまたそこから伸張反射をおこしてしまいますので、治療効果がありません。

楽な姿勢をつくるとき、ストレインの状態の筋肉をゆるめる事により、その拮抗する筋肉を緊張させる ので、このテクニックは「ストレイン&カウンターストレイン」と呼ばれています。即効性があり、患者さんも筋肉の痛みが取れるので効果が体感しやすいので、とてもよいテクニックだと思います。



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