うつむき症候群


長時間パソコンを使ったり事務仕事をしていると、肩や首が痛くなってきて、そのうち頭まで痛くなってくる・・・そんな経験がある人は多いと思います。

長時間うつむいた姿勢をしていると、首の筋肉が緊張状態になり、神経を圧迫したり、引っ張られたりといった刺激をうけてしまいます。そうすると周りの血流も悪くなり、発痛物質や乳酸がたまり痛みを引き起こします。うつむいた姿勢で起こる筋収縮性頭痛の事を「うつむき症候群」と言い、若く首が細い女性に比較的多いようです。首の筋肉が弱く頭を支えるのが大変という事と、座位での事務仕事が多いという事が理由のようです。人間の頭は意外に重く、その頭の重さを支えているために、人間の身長は夜は約2cmも縮みますが、寝ている間にまた元に戻ります。

60歳以上の方については比較的このような頭痛は少ないのですが、これは仕事を離れたという事と、骨組織が固くなったためとも言われています。人により個人差がありますが、30度以上首を下に曲げた状態を続けると、首の緊張が強くなるようです。同じ仕事をしていても症状が出る人とそうでない人がいますが、このような症状が出る人は、首の骨が曲がっている場合が多いです。

当院にもうつむき症候群の患者さんがいらしていますが、やはりお仕事は事務やプログラマーの方が多いです。多くの方が首が詰まった状態になっていて、前に倒した時に首の関節の開きが悪くなっていました。ほとんどの場合、首のズレを矯正する事により、仕事による頭痛は軽減されたりなくなったりしています。

うつむき症候群にならないためには、正しい姿勢を保つ事が必要です。頭の上に本を置いても落ちてこないような姿勢を心がけてください。また、疲れたらこまめに休憩をとり、肩や首の周りのストレッチをしましょう。後頭部が痛くなりそうになってきたら、蒸しタオルで後頭部を暖めてやると良いでしょう。

他には、テニスボール位の大きさのゴムボールを2つ靴下に入れ、それを目の真裏に置いて仰向けに5〜10分寝るというやり方もあります。気をつけなければいけないのは、長時間やらない、という事です。詳しい理由は省きますが、これはオステオパシーの頭蓋仙骨治療のテクニックの代用なので、やりすぎてしまうとかえって悪化くしてしまいます。やっている途中で眠らないように注意してください。あまりひどくしてしまうと専門家の治療が必要になってきますが、気をつけていれば自分で防ぐ事が出来ますので、気をつけてみてください。



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