宇久田進治税理士事務所
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キャッシュフロー経営のすすめ 3

 

 こんにちは、前回は「キャッシュフロー計算書から、いったい何が見えてくるのか」について簡単にお話させていただきました。今回はもう少し細かくキャッシュフロー計算書(C/F)を見て、これを企業活動に生かしていく方法を考えてみたいと思います。

 企業が生み出すキャッシュのうち、企業が自由に使えるものをフリーキャッシュフロー(FCF)と言います。FCFは営業キャッシュフローから事業維持のために必要な設備投資のキャッシュフローを差し引いたもので、新たな企業展開や株主への配当のための資金源となるものであり、経営管理上、企業の業績を示す最も重要な指標の一つです

 例えば右のC/Fでは、営業活動で90万円増えました。新しい固定資産20万円は営業する上でどうしても必要な資産であり、借入金も経営上必要なものとします、固定資産の売却収入は以前購入して出て行ったキャッシュが戻ってきただけです。有価証券の取得は普通は営業には関係ありません。そこで、FCFは90−20−5=65で65万円となるのです。もし、有価証券の取得がどうしても、取引先にお願いされ、購入しなかったら売上に影響するものでしたら、FCFは60万円となります。

   
一般にはこのFCFの数値が大きい企業ほど企業価値が高くなっている傾向があります。自社の過去のデータや同じ規模の同業他社と比較して経営内容を検討する一手段です。今の厳しい経済情勢では、特に営業に結びつかない出費は極力抑えた方がいい事は誰でも理解していると思います。

 
しかし、それと共にFCFを上げる為の企業方針も必要なのです。仮に来期10万円の借入金返済があるとしたら、最低でも10万円のキャッシュインフローが必要です。10万円の利益ではなく現金収入です。その為には50万円の機械の購入を考えているなら60万円の現金収入が必要です。

 
60万円を営業活動で得るためには、「いくら売上げて,いくら仕入れるのか?」「売掛金の回収や買掛金の支払サイトはどうするのか?」検討しても「売上が見込めず、かと言って仕入原価も落とせない」、50万円なら営業活動で得られそうなら、「50万円の固定資産を40万円に下げてもらうのか」、それが駄目なら、「借入金の返済10万円を待ってもらうのか」。

 
この様な考え方を企業方針を決めるときに加味すれば、最低限必要な金額が見えてきます。 そして、それ以上に企業価値を上げるためには、一体、何をどれだけ活動すればよいのか見えてきます。黒字倒産の増加や資金繰りが厳しい現在の経済状況では、損益計算書からの目標利益の設定の他に、以上お話した「キャッシュフロー経営」の考え方が企業の経営にはプラスになるのです。
テキスト ボックス: キャッシュフロー計算書(万円)
T.営業活動によるキャッシュフロー
 当期純利益		  110
 減価償却費        10
 固定資産売却益           ▲5
 売上債権増加額          ▲10
 棚卸資産減少額          ▲10
 仕入債務減少額           ▲5 
営業活動によるキャッシュフロー     90
U.投資活動によるキャッシュフロー
 固定資産取得支出        ▲20
 固定資産売却収入          60
 有価証券取得支出         ▲5 
投資活動によるキャッシュフロー      35
V.財務活動によるキャッシュフロー
 借入金返済               ▲5 
財務活動によるキャッシュフロー     ▲5
W.現金換算差額             0 
X.現金預金増加額 	  120
Y.現金預金期首残高        30 
Z.現金預金期末残高	  150