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graphicsの読み込み

 graphicsパッケージもcolorパッケージと同様、デバイスに依存します。サポートされているデバイスはcolorパッケージでサポートされているデバイスとほぼ同じなのでそちらを参照して下さい。違う部分はxdviなどいくつかはサポートされていません。
 graphicsパッケージの読み込みもcolorパッケージと同じです。

  \usepackage[dvips]{graphics}

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graphicsパッケージとgraphicxパッケージ

 2つのgraphicsパッケージ? graphicxパッケージはgraphicsパッケージを拡張または強化されたパッケージです。この2つは定義されたコマンドに対する引数の書式が違います。あとは変わりません。
 graphicsパッケージは基本的にいろいろなコマンドを組み合わせて使いますが、graphicxパッケージはオプションが拡張されているので一つのコマンドで複雑なことも出来ます。

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graphicsパッケージのオプション

 次のオプションが使えます。

draft
 ドラフト(下書き)で処理されるので、グラフィクスファイル(EPSファイル)は読み込まれません。その代わりにEPSファイルが読み込まれるところには、その領域の大きさの枠とファイル名が表示される。

final
 draftの反対である。\documentclassのオプションとして使うと便利です。

hiderotate
 回転されたテキストを表示しません。

hidescale
 スケーリングされたテキストを表示しません。

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図も含むテキストの回転

 \rotatebox を使ってテキストや図形を回転させます。下の例は、中の文字を25度回転させました。graphicsパッケージでの \rotatebox は箱(box)の左下を中心に回転させますが、graphicxパッケージでは回転の中心を指定できます。

   graphics : \rotatebox{angle}{text}
   graphicx : \rotatebox[オプション]{angle}{text}
    (angle 回転させたい角度)
   オプション:
    origin=label
     labelは c, tl, tr, bl, br のいずれかをとり、
     それぞれ箱の 中心, 左上, 右上, 左下, 右下
     を原点として回転します。
    x=dimen,y=dimen
     この座標を原点に回転します。
    units=number
     単位系を変えます。例として下の2つは同じです。
     \rotatebox[origin=c]{30}{text}
     \rotatebox[origin=c,units=6.283185]{0.523583}{text}

 graphicsバージョンで25度回転

入力:
  \documentclass{jarticle}
  \usepackage[dvips]{graphics}
    プリアンブル
  \begin{document}
  ......\rotatebox{25}{こんな感じ}.....
  \end{document}
出力:
  



 graphicxバージョンで原点座標を指定し25度回転

入力:
  \documentclass{jarticle}
  \usepackage[dvips]{graphicx}
    プリアンブル
  \begin{document} 
  ......\rotatebox[x=5mm,y=2mm]{25}{こんな感じ}.....
  \end{document}
出力:
  



  graphicxバージョンで中心座標を原点として25度回転

入力:
  \documentclass{jarticle}
  \usepackage[dvips]{graphicx}
    プリアンブル
  \begin{document}
  ......\rotatebox[origin=c]{25}{こんな感じ}.....
  \end{document}
出力:
  
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図も含むテキストの拡大・縮小・反射

 スケーリングには大きく2種類あります。倍率によって大きさを指定する方法と大きさを直接指定する方法です。倍率によって拡大・縮小をするには、下のようにします。 (スケーリングのコマンドの使い方は、graphicsとgraphicxでは同じです。)

   \scalebox{h-scale}[v-scale]{text}

      h-scale 横比
      v-scale 縦比

オプションの[v-scale]は省略でき、デフォルトはh-scaleになっています。縦横比を変えずにスケーリングします。

入力:
  \documentclass{jarticle}
  \usepackage[dvips]{graphics}
    プリアンブル
  \begin{document} 
   \scalebox{1.5}[3]{こんな感じ} \\ 
   \scalebox{1.5}{こんな感じ} 
  \end{document}
出力:
  


反射は \reflectbox{text} を使います。これは\scalebox{-1}[1]{text}と同じです。

入力:
  \documentclass{jarticle}
  \usepackage[dvips]{graphics}
    プリアンブル
  \begin{document}
   \reflectbox{こんな感じ} こんな感じ \\ 
  \end{document}
出力:
  


大きさを指定して拡大・縮小するには \resizebox を使います。

   \resizebox{h-length}{v-length}{text}
   \resizebox*{h-length}{v-length}{text}

      h-length 横の長さ
      v-length 縦の長さ

アスタリスク * が付くと v-length は 高さ+深さ になります。縦横比を変えずに大きさを変えたい場合はh-lengthかv-lengthどちらかのパラメータを!にします。

入力:
  \documentclass{jarticle}
  \usepackage[dvips]{graphics}
    プリアンブル
  \begin{document} 
   \resizebox{14mm}{7mm}{こんな感じ} 
   \resizebox{!}{7mm}{こんな感じ} \\ 
   \resizebox{14mm}{!}{こんな感じ}   
  \end{document}
出力:
  
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EPSファイルの取り込みと応用

 EPSファイルの取り込み方はgraphics・graphicxパッケージでは少し違います。

   graphics : \includegraphics*[llx,lly][urx,ury]{eps_file}
   graphicx : \includegraphicx*[オプション]{eps_file}
    (llx,lly)と(urx,ury) 左下の座標と右上の座標
   オプション:
    bb = llx lly urx ury
     Bounding Box 表示される領域 (左下と右上の座標)
    viewport = llx lly urx ury
     ビューポートを設定
    trim = a b c d
     トリミング 左をa 下を b 右をc 上をd だけ
     切り取ります。
    scale = scale_factor (縮小率)
    angle = 回転させたい角度
    origin=label
     labelは c, tl, tr, bl, br のいずれかをとり、
     それぞれ箱の 中心, 左上, 右上, 左下, 右下
     を原点として回転します。
    clip クリッピングします。

EPSファイルを取り込み、50%に縮小します。下の2つの出力結果は同じです。

 graphics: \scalebox{0.5}{\includegraphics{eps_file}}
 graphicx: \includegraphics[scale=.5]{eps_file}

入力:
  \documentclass{jarticle}
  \usepackage[dvips]{graphicx}
    プリアンブル
  \begin{document}
   \includegraphics[scale=.5]{senna}
  \end{document}
出力:
  



EPSファイルを読み込み回転させます。graphicsバージョンの場合は \rotatebox と組み合わせて使います。

 graphicsバージョン

 \rotatebox{25}{\scalebox{0.5}{
  \includegraphics*[50,50][200,220]{senna}}}

 graphicxバージョン

入力:
  \documentclass{jarticle}
  \usepackage[dvips]{graphicx}
    プリアンブル
  \begin{document} 
   -----
   \includegraphics[bb= 50 50 200 220 ,scale=.5, origin = c, angle = 25, clip ]{senna} 
   -----
  \end{document}
出力:
  



トリミング

入力:
  \documentclass{jarticle}
  \usepackage[dvips]{graphicx}
    プリアンブル
  \begin{document}
   \includegraphics[trim = 100 100 100 100 , scale=.5, clip]{senna} 
  \end{document}
出力:
  



ビューポートの使い方。(わかりやすいように fbox で囲っています)

入力:
  \documentclass{jarticle}
  \usepackage[dvips]{graphicx}
    プリアンブル
  \begin{document}
   \fbox{\includegraphics[scale=.3]{senna}}
   \fbox{\includegraphics[bb = 215 50 430 170, viewport = 0 0 200 120, scale=.5, clip]{senna}}
   \fbox{\includegraphics[bb = 215 50 430 170, viewport = 50 50 200 100, scale=.75, clip]{senna}} 
  \end{document}
出力:
  

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EXCEL(WMF)のグラフやBMPファイルの取り込み

 EXCELのグラフはWMF形式(WINDOWSのメタファイル)なので、これを取り込むにはデバイスが対応している必要があります。対応しているDVIビュアーでWinDviPROを使うのが一番綺麗に印刷できます。WinDviPROがない場合は WMF2EPS を使うことで画像を取り込むこともできます.
 BMPファイルもWinDviPROかWinDviがあると取り込めますがWMF形式のファイルに比べるとBMPファイルの方が見劣りします。しかし綺麗に取り込むコツはあります。アスペクト比(縦横の比)を変えないで取り込むと比較的綺麗です。

 WinDviPROやWinDviに取り込む場合、スペシャル命令を使います。

   \special{ bmpfile = sample.bmp vsize=280 hsize=400 }
   \special{ wmffile = sample.wmf vsize=280 hsize=400 } (WinDviPROのみ)
\special命令に vsize と hsize 以外には hscale, vscale, hoffset, voffset が設定出来ます。 EPSファイルが取り込める環境があるならば、GixProなどのイメージ変換のプログラムを用いてWMFやBMPファイルをEPSファイルにする方法もあります。

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Takuya Fujinami
Most recent update : january 30,1997