神奈川の米軍基地        [沖縄と神奈川の米軍基地の状況]もあります。

 神奈川は第二の基地県である。神奈川の米軍基地の面積は20.8ku<2010年神奈川県基地対策課HP>だが、基地数は14<2010年神奈川県基地対策課HP>で、沖縄の34に次ぐ。横須賀海軍施設に海軍司令部、キャンプ座間に陸軍司令部があり、有事の際には海軍・陸軍の司令基地にな
る。(基地数は米軍専用施設)<2010年防衛省HP>








 各施設をクリックすると説明の所に行きます。ただし、2005年に小柴貯油施設、2009年に富岡倉庫地区は返還されている。















横須賀海軍施設 
 面積2.4ku。旧日本軍の海軍工廠を接収して建設。在日米軍海軍司令部横須賀基地司令部第7艦隊司令部など重要な司令部機構と各部隊が駐屯。第7艦隊旗艦ブルーリッジや原子力空母ジョージワシントンなど11隻の母港になっている。
  家族住宅、病院、学校など日常生活に必要な施設がほとんどあり、軍人・家族・日本人従業員の人口約16,000人の町になっている。
 原子力潜水艦の寄港による放射能汚染事故の不安が常にある。2005年、原子力空母の導入を決定
。地元の大きな反対の中、2008年、原子力空母ジョージワシントンが入港した

厚木海軍飛行場   詳しくは「なくなれ!厚木基地のページ」へ
 面積5.1ku神奈川県最大の米軍基地。旧日本海軍が1931年に相模野海軍航空隊(厚木海軍航空隊)の基地を建設。敗戦後の8月30日、連合軍司令官マッカーサーが降り立った所としてしられる。その後、アメリカは厚木飛行場を接収し、1950年、米海軍厚木航空基地を正式に発足。1971年、「米海軍厚木航空施設」との「海上自衛隊厚木航空基地」として日米共同使用になった。
 1973年、米海軍第7艦隊の空母ミッドウェーが横須賀を母港にして以来、空母航空部隊の支援基地としての役割を担っている。西太平洋艦隊航空司令部があり、米海軍航空部隊の拠点にもなっている。
 現在、滑走路の管理や管制業務は海上自衛隊が行っている。普段は海自のP-3C(対潜哨戒機)などがよく離着陸している。2,438mの滑走路が1本ある。


キャンプ座間 
 面積2.3ku。旧日本軍陸軍士官学校を接収して建設。在日米軍の陸軍司令部があり有事の際の司令拠点となる。相模総合補給廠を管理を統括している。米軍住宅・公園など生活施設が充実している。
2005年、米軍の再編にともない、キャンプ座間に陸軍第一軍団を移設することを決定。住民の半数の署名を集めて座間市は猛反対したが、2007年、陸軍第1軍団前方司令部が設置された

相模総合補給廠 
 面積2.1ku。旧日本軍陸軍造兵廠を接収して建設。東洋一の補給廠で、有事の際の後方支援の拠点となる。陸軍の食料・弾薬など各種物資を補給する兵站業務を行う。ベトナム戦争でも物資補給や戦車修理などフル稼働した。
 米軍がだした有毒・危険廃棄物の処理を扱っており、92年に元従業員がカドニウムを境川へたれ流していたと証言している。
 キャンプ座間に陸軍第一軍団を移設する計画は相模原市も反対している。

池子住宅地区及び海軍補助施設
 
 面積2.9ku。旧日本軍の弾薬庫を接収し、そのまま弾薬庫として使用。ベトナム戦争後は閉鎖。市民による「即時全面返還」運動がおきたが、80年に弾薬庫跡地に米軍住宅を建設する計画を発表。84年、「池子の森を守れ」という市民に支持された富野市長が当選。その後、建設の是非を問う「住民投票条例」が市議会で5回否決された。94年、市・県・防衛施設庁の三者が合意。96年から住宅の入戸が始まった。
 日米地位協定によれば、「一時的に使用してない時は、日本国民に使用させることができる」のだが、住宅地以外の200haの未使用地は…


鶴見貯油施設
 
 面積0.2ku横須賀基地の燃料補給廠。ここからタンクローリーや鉄道を使って、ジェット燃料や軽油を横田基地や厚木基地に輸送する。79年に落雷によるタンク炎上があったが、市の消防隊は立ち入りを一時拒否された。


横浜ノースドック
 
面積0.6ku。在日陸軍の港湾施設。米軍専用の埠頭があり、物資の陸揚げ業務を行っている。

根岸住宅地区
 面積0.4ku。在日海軍の軍人・軍属の及び家族の住宅施設。フェンスの向こうは美しい芝生が広がるアメリカ…

浦郷倉庫地区
 
 面積0.2ku。横須賀基地が使用しているトンネル式弾薬庫。東日本最大の弾薬庫。核兵器持ち込み疑惑があった。97年、劣化ウラン弾の貯蔵疑惑で住民が立ち入り調査を実施した。

吾妻倉庫地区
 面積0.8ku。横須賀基地の燃料の補給廠。吾妻島全域が貯油施設になっている。周辺海域は立ち入り禁止。自衛隊がミサイル弾薬庫として共同使用している。油と弾薬が同居…

長坂小銃射撃場
 陸上自衛隊が管理している射撃場。共同使用という形で、警備任務の海兵隊が射撃訓練をしている。

上瀬谷通信施設
 
 面積2.4ku。かつては旧ソ連や朝鮮半島の通信を傍受できる通信施設だった。ほとんど遊休化している。現在は「上瀬谷海軍支援施設」に名称を変えおり、「池子」と同じように住宅・厚生施設にする計画か。日米地位協定によれば、「必要でなくなったときは、いつでも、日本国に返還しなければならない」となっているが…


深谷通信所
 面積0.8ku厚木基地が管理する通信施設。西太平洋〜インド洋に展開する米軍の艦船・航空機との通信業務を行っていたが、現在使用しているかは不明。

相模原住宅地区
 面積0.6ku。
在日陸軍の軍人・軍属の及び家族の住宅施設。

[沖縄と神奈川の米軍基地の状況]

@沖縄に集中している米軍基地
 米軍基地(専有施設)の面積は全国で320km2<2010年防衛省HP>。国土面積の0.08%。横浜市の約7割に相当。このうち、沖縄県が229km2<2010年防衛省HP>で、県面積の10%。沖縄本島の18%を占める。神奈川県は21km2で、県面積の0.8%。全国の米軍基地の74%は沖縄に集中。嘉手納基地のある嘉手納町の場合、行政区域の83%を米軍基地が占めている。厚木基地のある綾瀬市は17%。
A沖縄は海兵隊が主力、神奈川は海軍が主力
 軍別にみると、沖縄県の場合は75%が海兵隊の基地である。神奈川県の場合は75%が海軍の基地である。
B沖縄の米軍基地の3割は民有地
 所有形態別でみると、沖縄の場合は国有地35%、公有地33%、民有地32%。本土の場合は8割が国有地。厚木基地は民有地が0.1%。本土の場合、大半が戦前の旧日本軍の基地をそのまま使用した。沖縄の場合は、民公有地の新規の強制接収が各地で行われた背景がある。←「島ぐるみの土地闘争
米軍の軍別構成
 海兵隊、陸軍、海軍、空軍。海兵隊は敵地上陸作戦の主力部隊で、最前線で戦闘することが多い。海兵隊の訓練は厳しく、隊員のストレスも大きい。
島ぐるみの土地闘争
 沖縄占領後、アメリカが基地の拡大を進めていた中、1956年の「プライス勧告」をきっかけに沖縄の住民が各地で反対集会を展開。使用料の一括払い反対、新規接収反対などを訴えた。

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<参考図書>
基地の読み方・歩き方 (「いのくら」基地部会編 明石書店)
綾瀬と厚木基地 (綾瀬市)
<参考リーフレット>
厚木基地の騒音状況 (綾瀬市基地対策協議会)
神奈川の米軍基地(神奈川県渉外部基地対策課)
神奈川の米軍・自衛隊97年版基地ガイドブック (神奈川県平和委員会編)
わたしたちはわすれない米軍機墜落事件
(横浜・緑区(現在青葉区)米軍ジェット機墜落事故20周年行事実行委員会編)