中田英寿の軌跡

11月16日代表3位決定イラン戦@ジョホールバル

試合前 
 来てしまった、ラーキン・スタジアム。ヒデは試合前の練習、ただ一人ウインドブレーカーを来ています。ストッキングをずらした足は汗でびっしょり。そう暑さは感じませんが、とにかく湿気がすごい。じっとしている我々も汗が蒸発しません。ラーキンの照明はずいぶん高いところにあります。ツバメでしょうか、光の中を飛んでいます。
前半45分

0分 owngoalかと思った。オフサイド。
日本FK。まん中を前に進出。
イランボールに対し、前線でプレス。カット。
CC中央で、胸トラップから、北沢へパス。
イランCK。一人CCに残る。
左サイドから中央ペナ前に進出。
左足SH。浮いてしまう。
左ハーフラインから、最前線のカズへロングパス。
イランGK、時間をかける。給水。こんなに早く水をとるのははじめて見た。
左下で守備。相馬突破されるもカット。そのこぼれを拾われ日本ピンチ。
10 イランCK。
11 左下で守備、左上に上がってキープするもポケットに包まれ奪われる。
12 真ん中から前に進出。北沢にスルー、長い。
13 イランボールがどこに出るか指示。
14 左下で守備。ドリブルをカットされる。
15 イランCK。チェイスの後、ヒールパス失敗、ダエイのSHにつながる。
16 中央、北沢と追い込んでカット。右、名良橋へ展開、戻ってくるところ、ペナ前ヘッドで中山へ。
17 右中で中山倒される。イラン17YC。
18 FKナナ、中山ヘッドの戻しを胸トラ、後方ナナへ。山口、相馬、中山から左ペナ前45度でSH、ヒットしない。
19 左前で中山へのスルー失敗。右へ移動、ナナからもらい、名良橋へスルー、ナラ走らない、怒る。
20 イランCK。
21 川口、右に展開、ヒデ受けてかわすが、つかまれる。
22 左ペナ横で、ナナ倒される。FKヒデ、SHのようだ。低い。チェイスするもファウルとられる。
23 右サイドファウルとられる。
24 中央から北沢へ、ダイレクトで右展開。
25 左前、FKヒデ、中央へ。
26 左サイド下、FK。中央へ走る。
27 左サイド前で受けて、走り込む。奪われた後もチェイス、スローをとる。
28 井原YC。
29 右上でカズとシザース。ペナ中央の中山へロングパス。
30 日本右サイドの攻撃を、左で上下しながら待っている。サイドチェンジがあれば、チャンスなのだが。
31 左でパスカットをねらっている。ドリブルで中央をあがり、左の中山へ、左足アウトのパス。
32 左サイドからナラへサイドチェンジ。
33 左ペナ前へあがる。
34 ナナ倒される。給水。山口と話す。
35 左ペナ角で、一人かわしてSHかと思ったら逆サイドへパス。
36 ナナに位置を指示。
37 イランSH、ポスト。
38 イランFK。
39 ナナからペナサークル前で、中山へスルー、GOAL!
40 カズとともに左サイドでチェイシング。
41 イランFK、ペナ前、ダエイ直接SH。右サイド川口からのキックをコントロールするも足をすくわれる。
42 FKからナラへ強いパス。
43 右下ナラと追い込んで、奪う。
44 右上にあがり、センタリング、失敗。
45 右サイドハーフライン上でチェイス。

後半45分
山口と話しています。中山はそのまま使うみたいですね。ハーフタイム、ロペスはユニホームの裾をしっかりパンツに入れて練習してました。いつも通り、15分過ぎに交代でしょう。今回の代表ははかったように時間で交代させます。まるで、なにか宗教上の理由があるかのようです。トップが2人ともためられないので、キープできるロペスがほしいですね。

0分 イラン、ゴル。ヒデはセンターサークルを4分の1回ったところでした。
イラン攻勢。
イラン攻勢。
真ん中から名良橋へ、北沢SH。
北沢SH、ヒットしない。彼にもう少し、技術があれば。右下で真ん中へ強いインサイドキックのパス。不要な横パスをさらわれるとか、批判されてますから。
左ペナ角で、北沢落とすところ、飛び上がるようにSH。左下に下がって、前方中山へ、意図が読めない様子。
ペナサークル前、北沢落とすが行きすぎた。もう一度ペナサークル前倒される。
FKカズ。浮いた。イランGK時間をかける。イランは時間の使い方がうまい。日本のおせおせがそがれる感じ。
イランSH。ゴールマウスをなめていく。ヒデのチェイス、足りない。
イラン15、25と交代。CCからカズ、相馬、カズSH。
10 右前奥でチェイシング。
11 中山チェイス。CKナナ。
12 CKナナ。イラン選手、GKを中心にぐずぐず。
13 日本ずるずる下がる。スローインからダエイ、ゴル。悪夢。
14 ボールが止まっている時間が非常に長い。マルチボールになって、こんなに。間合いの長い試合は始めて見た。
15 CCバックパスから、左ペナ角前へあがる。ワンタッチで抜くところひっかけられる。
16 FKヒデ、低い壁に当たる。
17 給水。カズ、中山、交代。ロペス、城。
18 ロペス、空振り。
19 城、ヒール、ヒデ左足SH!
20 イラン20,24と交代、時間を使う。
21 中央でためて、左相馬へ展開。ロペスSH。
22 右サイドFK。井原SH。
23 右下でチェイス。やや弱いか。
24 真ん中から左相馬へ展開、城SH。CK。左ハーフ上からペナへ放り込む。
25 3列目まで下がってビルドアップ。
26 左サイド、なんかふらふら走ってる。サイドでプレスをかける。
27 左から、サイドチェンジ、ナラへ。
28 中央から左へ戻るように入り込んで、ゴールライン際からセンタリング、少し長い。
29 CCからロペスへ当てるがキープできない。
30 CKはじきかえされる。ナナ中央から左ヒデへ、右アウトでワンタッチ、城にピンポイント!GOAL!(こう書いていても鳥肌が立つ、涙までにじんできた)
31 左下からロペスへ長いパス。
32 CCから左ペナの城へ長いパス。北沢SH、イラン、プレスなし。
33 イラン8、17と交代。とにかく時間を使う。給水、CKサークルの紙テープを気にする。
34 CK、ロペスGKと競る。
35 ナラ、倒される。FKナナ、秋田HSH。
36 左中からナラへ、抜ける方向が違う。
37 右サイド、ドリブルキープから振り向きざま、逆サイド城へ。
38 ペナサークル、つっこんで行って粘る。城、ペナへつっこむ。
39 DFに指示を送る。
40 FKからナナSH。
41 北沢放り込む、城SH、バー。
42 右サイドから中へ入って、左へ展開、相馬センタリング、城SH。
43 秋田、倒れる。
44 ハーフ上、プレス。
45 イラン動けない。ここで全員が動けばと思うが、日本も動けないか。

延長 
 まだあるんだ。長い。ヒデは味方が倒された時は、見向きもしませんけど、ダエイやアジジの時は寄っていって声をかけてますね。不思議です。何を考えているんだろう。

岡野投入。代表は控えやスタッフも入れて、大きな輪を作ってました。こんな時、ヒデはどんな顔をしているのでしょう。
CCドリブル、岡野へスルー、どフリー。
イランGK倒れる。
GK前まで追っかける。
CCからナラへ。
イランGK、また時間を使う。
ロペスFK、左下全力で追っかける。
ファウルとられる。
CC、くるっと回って岡野へ。もう一回左サイドから城へセンタリング。
左ハーフラインから相馬へ。長い。
10 左サイドナナとパス交換、城HSH、キーパー正面。
11 ロペスに何か言ってる。イランFK15。
12 イランCK。イラン右ペナ横FK。
13 岡野へスルー、どフリー、横を走るヒデにパス。ばかー!!!!(2万人分)
14 間接FK、ヒデちょん、ナナふかす。
15 左フリーで抜ける。角度のないところ、パス、ロペスへ。

はっきり言って発狂モードで、混乱しまくりです。とにかくSHが入った瞬間しか覚えていない。

イラン25YC。
CK低い。
放り込む、秋田へ。
右FK、ファー、井原へ。
挟まれて倒れる、FK。城ポストにぶつかる。
イランGK倒れる。
まだ起きない。
左前抜けて、折り返し。
イランGKまた倒れる。
11
相馬抜けない。
12
ダエイ抜けて、SH。
13
ナナ中央下からロペスへ、すれ違って左へ抜けるヒデ、DFのゲート、フランスへの門を突き抜ける左足のSH!GKはじく。岡野押し込む。

GOAL!

「入ったよね、入ったよね、はいったよね。」叫んだと思う、泣いていたと思う。成田で知り合った石井君と抱き合った。とびはねた。  ヒデの観察忘れました。メールで長塚晴美さんが教えてくださったところによると、「両手をあげて万歳をした」そうです、あの子。
ウイニングランはグランドを一人で小さく回りました。記念写真は後ろでしゃがんでました。これはやりすぎ。もう少し、大人になりなさい。

感想
 とにかく、フランスへ行けたことだけが、印象に残る試合でした。それで十分なわけですが、出来の悪い中でもなんとかできるイランのすごさに感心しました。日本の時間になると倒れ込んで流れをとめてしまう、GK。イランの2点目もそうした動きのあと、生まれました。マルチボールになって以来、こんなに止まる試合ははじめてです。そしてその直後、急に動きを早めるダエイやアジジ。流れを感じ取る嗅覚というのがあるのでしょうか。あるいはあれが戦術なのか。
 後半40分前後、イランの足は完全に止まりました。しかし、それにつけ込んで動けるような代表ではありません。韓国ならここで爆発的なフリーランニングを始めるところでしょう。これは技術云々の問題ではなく、試合の流れを見る感覚のようなものではありますまいか。高いところから見ている我々は、それが分かります。しかし、同じレベルにいてはそれは難しい。フィールドレベルで頭の中にそうした鳥瞰図(バードアイ)、3次元のイメージができるのが、名選手と呼ばれる人なのでしょう。これは訓練とか修行のレベルでは語れないものなのかもしれません。天性か、あるいはその人の生き方そのものに関わるか。


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