中田英寿の軌跡

イタリアのヒデ

10月25日パルマ戦

 この試合が終わるとヒデが帰ってくる。見たいなあ。画面にちらっと映るヒデを探すのはもう飽きたよ。しかし、水曜日の長居19時は無理なんだ。ずる休みしちゃおうかなあ。でも、ここで休むとバレバレだし・・・
 気のせいだと思うのだが、前節のヒデはどうも姿勢が前傾になっていて、調子が悪いのではないかと疑っている。イタリアに渡ってから3ヶ月、当初の緊張や生活の不慣れからくるストレスや疲れが、そろそろ現れるのではないかと心配。そこへ持ってきて日本への移動ってのは、あまりに過酷ではないだろうか。

前半45分

0分 右から左下へチェイス。パルマ、いきなりゴール。
左で追っている。前をさして指示。
オリーベが奪ったのをもらって、右でスルーパス。
パルマ、速い攻撃。ヒデは左より。パルマ、すごいプレス。
ヒデは右下に戻っている。短いパス、すこしぶれた。左上、奪いに行った。腕を引っ張られる。
CK、ヒデ。ショート、センタリング、ファー。パルマ、カウンター。ヒデ、CCまで戻っている。
中央を走っている。味方に指示を出す。
ヒデ、飛び出すがオフサイドとられる。右寄りで守っている。左サイド、ドリブルからターンをするがD・バッジオに奪われる。
ヘッドで後ろに下げながら、絡んでいる。1・2をアウトサイドで左サイドへ浮き球。
ペルージャ、右へ押していく。ヒデも右へ寄っていく。
10 ラパイッチ、振り向きざまミドルシュート、ゴール。
11 中央右よりでもらってバックパス。
12 ペルージャ、遅攻。後ろにずっと下がる。
13 ヒデ、ミドルシュート25m。キーパー前にこぼす。
14 ペルージャ、堂々渡り合う。
15 パルマ、遅攻。鋭いクロスがえぐってくる。
16 後ろから大きなパスが来るが、頭をかすっただけ。
17 CCで持っても、前は向けない。右からの攻撃、右に寄っていく。
18 右FKラパイッチ。ペナニアあたりで待っている。蹴るかと思ったが。
19 パルマFK、壁2枚右。
20 バッジオについている。
21 ターンして右へ出そうとするが、パスミス、珍しい。
22 ペルージャDF陣攻めさせない。
23 ヒデの頭越しに試合は進んでいく。
24 後ろからのパス、コントロールできない。右サイド、チェイス。
25 右からFK。ヒデはペナ内にいる。ヘッドでゴール前に流す。
26 右サイドからのパスを受けて、流れるところ足を伸ばして相手の股間を通してからパス。
27 パルマ、攻勢も単発。ペルージャDF陣はねかえしている。
28 左サイドのクロスからブッキ、ゴール。解説の信藤氏「信じられないです・・・」ヒデの頭越しに決まった。
29 素早いターンで中央下から長いドリブル、チャレンジを受けながら右サイドのペトラッキへスルーパス。
30 二人のチャレンジを受けながら、後ろ向きで中央へ横パス。インターセプトされる。
31 雪崩をうつようなパルマの攻撃。ペルージャDF、好守備。
32 返ってくる浮き球をボレーでパス。ペルージャ速い攻撃。
33 パルマ25mのFK、ヒデ、壁の左。パルマCK、ヒデがクリア。左サイド下、はさんで奪う。
34 ラパイッチが持ってあがるところ、左を併走。
35 左下へ戻っている。後ろ向きではあるがDFに関わっている。
36 ペルージャ、右からFK。ヒデはDにいる。
37 CCでインタセプト、バックパス。
38 ゼ・マリアがヒデを使った。左下でチェイス。パルマCK、ヒデはDを歩いている。右サイドで守備。
39 ラパイッチからのセンタリング、左ペナ内でちょっとさわってさらに中央へ。惜しい。
40 パルマ左から攻めてくる。
41 後ろからのパスを右へ流そうとするがミス。奪い返して後ろへ向かってのドリブルからターンしてパス、合わない。
42 左前で球をもらうが、預けるだけ。
43 悪くはないのだけれど、球への一歩が一番いいときより、遅い感じ。
44 左寄りにいる。パルマ、ファウル。YC。
45 CCで持った。横パス。右前へ上がって、左後ろへ。左サイドでチェイス。

 前評判からすると、ペルージャ大健闘。ヒデはパスミス3回。トラップミス1回。パルマの守備がよくて奪われること2回(前半)。単純なコントロールミスかどうかは、相手守備との関係があるから、判断が難しいところだけれど、青字の4回はどうもヒデらしくないミス。
 共同通信の配信では、「厳しくマークされている中田をあまり経由せず外へと展開するため、中田はボールをもらえず走り回ってばかり。これは、とても苦しいことだ。(改行)それでも、ひたすらボールを追った。」(26日付朝日新聞夕刊)とずいぶんと好意的。「歯車に徹した我慢の90分」とも。日刊スポーツ提供の試合後の写真は笑顔でいい表情。しかし、私にはこの歯車、ずいぶんときしんでいるように見えたのだが、素人の見誤りだろうか。
 スポーツ新聞の小さな見出しに「中田今日凱旋」ってのがあったなあ。「凱旋将軍」を迎えるムード作りがあちこちで始まるのでしょうね(共同通信さんのがそうだというわけではないが)。昔、高校で漢文の時間に「錦を着て夜行するがごとし」とか習いました。確か、項羽が名を遂げて故郷に帰る場面だったと思いますが。どうもねえ、これが頭にひっかかって。こんなふうに喩えるのは間違っているんでしょうけれどねえ。

後半45分

0分 CCから左に寄り、奪われると真ん中でケア、さらに右に寄る。
テュラムの上がりに対して、中央でゴールサイドをケア。CCでペトラッキと1・2、これも浮き球。首を傾げていたようだ。
中央で守備。
パルマ攻勢。Dまで戻る。
パルマの選手倒れる。
右ハーフライン前でDF2人を引っ張りながら、ドリブル突破。ペナまで進入。テュラムを抜いた。
Dの前に戻って守備。CCのブッキにフィード。テュラム、インターセプト。
左ハーフライン前で、胸トラップから左足でサイドを走るラパイッチへ。右ショートCKから、右足クロス、ニア。
パルマ左から攻勢。ゴールサイドを切る。
ブッキが倒れている。バルボ、IN。クレスポOUT。
10 メッリIN。ブッキOUT。
11 やっと始まった。パルマが右に押し込んで来るところ、右ペナ近くにいる。
12 D前から右サイドへパス、失敗。こんなに見当違いなのはめったにない。
13 ヘッドで落とされた球、跳ね返しちゃう。これをコントロールするのは難しいが、ヒデならなんとかしそうだけれど。
14 ペトラッキのクロスがこぼれたところ、左上で拾ってテュラムと正対、スルーを狙うがカットされる。
15 パルマCK、ペナ内で大きくクリア。
16 ペルージャ右CK。ヒデはD前にいる。
17 ソリアーノIN。ペトラッキOUT。
18 左サイドでこぼれ球に飛び込むが、残念とれない。
19 パルマ右ペナ角からFK。壁の左にいる。
20 CC左でショートパスをもらうが、コントロールミス。とられてしまう。中央でクリアをラパイッチに開くが通らない。
21 CCでドリブル、左に開く。ラパイッチ、クロス、メッリ、フリーでヘッドSH。
22 パルマゴールラインからFK。壁2の右。
23 右ペナ角で後方からの球を競るが、ファウルをとられる。
24 パルマ左から攻勢。左ペナ前にいる。
25 攻撃の時は中央、守備の時はペナ前、相手のサイドに合わせている。
26 メッリからのパスを受けて、ドリブル左サイドにスルーパス、ラパイッチには通らない、惜しい。メッリまたフリーでヘッドSH。
27 スタニッチIN。ベーロンOUT。
28 後方からのFK、メッリが落とすところ、右に駆け込むが倒される。これを抜ければSHだったが。
29 ラパイッチのFK、ヒデはペナ中央にいる。テュラムのマークを受けているが、他のペルージャ選手がマークをかいくぐろうとしている中、あまり動かない。
30 テュラムのドリブルに対して、レイト。左サイドで守備。
31 CC前で相手ボールを奪おうとするが、残念届かない。
32 パルマ左からFK、壁2枚の右。ペルージャ、必死の防戦。ヒデもスライディング、打たせない。
33 ペルージャの選手倒れる。
34 ペルージャ、カウンター。ゼ・マリアのクロスを胸トラップ、オーバーヘッドキック。SHというより、パスのつもりではないかな。
35 パルマの攻撃を跳ね返すペルージャ。ヒデもインタセプトを狙う。
36 治療を行う選手、両チームにいる。ペルージャ選手交代。
37 ヒデ、パルマのドリブルを追走。パルマ、クロスから決定的なヘッドSH。
38 ペルージャ選手、また倒れる。ヒデ、チェイス。
39 ペルージャ、カウンター。左から。ヒデも起点になった。ゼ・マリアのクロスの構えに手をあげて呼ぶ。手前のラパイッチがSH。
40 ペルージャの全員守備、感動的ですらある。スライディングタックルの連続。
41 右下からのFK、メッリが落としたところ、受け取ってスルーパス。合わない。解説の信藤さんはオーバーラップのゼ・マリアを狙ったと言うが、中に入ったメッリが縦に抜けると思ったのではないかな。いかにヒデでもパスを出した時点で併走しているゼ・マリアに20m先を狙ったパスは出さないだろう。5m右のテュラムに寄っていくという不可解な行動をとるメッリを狙ったというのが本当のところ。
42 ヒデ、積極的にトップを走る。
43 ゼ・マリアのクロス、ヒデを狙ったが、ちょっと長い。
44 パルマの攻撃、単発になる。ロスタイム6分。ほとんど延長Vゴールの世界だね。
45 左サイド、3人で囲んで奪う。中央に向かうドリブル、テュラムがチャレンジ、倒される。テュラム右からドリブル、W杯の再現のよう。ハーフラインから右よりへドリブル、ゼ・マリアを狙ってスルーパス、長い。

感想
 第2次大戦中、圧倒的なドイツ空軍の攻撃を、英空軍はスピットファイアを中心とする迎撃で防ぎきったそうです。このバトル・オブ・ブリテンはその後の戦いに大きな意味を持つことになります。今日のペルージャの守備は、この戦いを彷彿とさせるものでした。圧倒的なパルマのアタックを、体を投げ出した守備で防ぎきり、前評判を覆す勝利を収めました。
 中世の昔から、ヨーロッパの戦いは防御戦を基本にするのだと、聞いたことがあります。ホームで敵を迎え撃ち、地の利を生かして殲滅する。相手の勢力がいかに強くても、ホームでは負けるわけにはいかない。この戦い方がフットボールにも伝統として流れているのでしょうか。
 そういう中では、ヒデはやはりストレンジャーなのかも知れません。

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