引地川野鳥記

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7月の野鳥記

98年
4日 暑い日。中村さんの引地川バーチャル橋巡りに野鳥写真がアップされてます。
 馬渡橋 15:00
イワツバメ、ツバメ数羽。このあたりはわりと混在している。コジュケイが西岸から、ウグイスが東岸から囀っている。

 大庭鷹匠橋 15:10

アオサギ1、カルガモ1。それぞれ畦にいる。

 大庭遊水池 15:30
オオヨシキリの囀り1。ついに1羽になってしまった。時刻が早いせいもあるかもしれないが、まったく真夏の様子だ。セッカの声は聞かれない。ホオジロ、囀り1。上手になった。


97年

1日 
天神橋 
イカルチドリ1。地面に座る。まるで抱卵をするような姿勢。すぐに飛び立つ。営巣の様子はない。場所は造成地。ツバメ1が地面に降りて休む。ハクセキレイ1が来て追う。

城下橋
ゴイサギ1。腹面の白が純白と言っていい白である。ブルーグレーの翼との対照が鮮やか。美しい鳥だ。珠に疵が目つき。赤くて怖い。たしか、宮沢賢治の詩「やまなし」でクランポンを捕まえたのは、赤い目の鳥だった。ゴイサギのことだったんだろうか。


3日
 舟地蔵公園
 ハシボソカラス8、ゴミにかかる。羽色の薄いものもいるので、幼鳥を連れた家族か。

5日
 馬渡橋
 カルガモの幼鳥1。川内の石の上に乗って、羽づくろい。夕方のこの橋あたりはツバメ、イワツバメ多い。


8日
 馬渡橋
 アオサギ1。

9日
 円行新橋
 ゴイサギ1。そばに5日のカルガモ親子。同じ石の上にいる。
 天神橋
 イワツバメ、まだ営巣中のよう。数羽の出入りがある。
 石川橋
 石川田圃そばの林内よりひゅるるるという鳴き声。なんなんだろう?
 北高橋
 ヒグラシ鳴く。初認。高校のグランドネットの柱で鳴いていた。佐波神社の方角からも聞こえる。

10日
 上村橋
 カルガモ成鳥1。雛7。中州にハシボソ4。魚を食べている。一羽が独占しており、他の三羽は幼鳥のようにねだる姿勢。口の中が赤い。魚を持った一羽は1b上の護岸に移動。他も追う。その下をカルガモ親子が通り抜ける。ボソ2が護岸から下を見下ろす。あまりに至近距離なので、捕食するかと、見ているこちらが緊張する。ボソの一羽が中州に降りたのではっとしたが、特に攻撃する様子はない。カルガモは行きすぎる。

11日
 湘南台高校
 街路樹にシジュウカラ4。体色の薄い幼鳥もいる。しかし、ニーニーと聞こえる声は出さない。校門にヒヨドリ2。一羽が餌をねだる。

15日 
 山田橋
 数日ぶりに暑さが戻ってきた。アオサギ1とカルガモ2。
 大庭遊水池
 天神橋の巣に出入りするイワツバメは少数。しかし、遊水池上空を飛ぶものは増えている印象がある。オオヨシキリのさえずりは変 わらず。ただ全体が南へ移動した感じ。ムクドリ1幼鳥と思われる,道に排泄。彼にここは道だという認識はないだろうけど。

16日
 馬渡橋
16:30鳥影少なし。ハシボソカラス2が浅瀬で鯉を食べていた。ときどき見かけるがあれは死体を食べているんだろうか。それとも狩るのかな。ツバメ1飲水。続けて2回着水。石を投げて遊ぶ水切りのようだ。

17日
 大庭鷹匠橋
8:00田の畦にキジ・雄1。たたずんでいるのを遠望。自分の左側の4車線自動車道路は車の洪水。右側に水田が開けている。
 石川橋
16:30大庭田圃にアオサギ2。道近くにいたのが、こちらが近づくとずいぶん離れた段階で飛び立つ。アオサギは他のサギ類に比べても警戒心が強いような気がする。
 天神橋
17:00営巣している橋下に出入りするイワツバメ少なし。5分見ていて0。上空にはそれなりにいるが。
 大庭遊水池
ムクドリ100+。小糸川の堤防で採餌。雑草を刈った後の裸地だが、何をとっていたのかは分からない。対岸の栗林が集合場所のよう。近づいたら一斉に飛び立った。
家に帰ったら家人が図書館で『鳥のおもしろ私生活』(ピッキオ編・主婦と生活社)という野鳥観察図鑑を借りてきていた。軽井沢国設野鳥の森を中心に活動するグループのもので、内容が面白い。この鳥にはこういうファンがいる、という項目が特によい。。 
 

19日
馬渡橋
ハクセキレイ1がツバメを追う。ハクも相当な早さである。別のツバメと自転車で併走。向かい風を受けて飛びにくそうだ。時速15キロ。

20日
石川橋
石川田圃でアオサギ7。2羽は体色がはっきりしている。コチドリ1、目の周りの黄色いリングが鮮やか。
大河内橋
トビ1、着水。何かつかんだのかも知れない。アオサギ1が畦にとまったそのトビを威嚇するように、旋回。ハシボソガラス2もはげしくモビング。石川田圃にコサギ7。ほとんど一カ所にかたまっている。


番外編:20日
横浜港花火大会を新子安の神奈川埠頭から見物
19:00ウミネコ20鳥柱。19:30ゴイサギ?花火の中を飛ぶ。そのほかにもサギ類と思われるものが盛んに飛ぶ。大きなものはアオサギほどのものまで、さまざま。20:00ツピピピピと声を長く引いて飛ぶ鳥がゆっくり東から西へ通過。暗くて見えない。シギ類か。2羽はいる。

番外編:23日
観音崎
トビの風切羽を拾う。笹川昭雄さんの『日本の野鳥羽根図鑑』が欲しくなる。7800円もするんだ。辻堂図書館では貸し出しをしてくれるが、2日まで貸し出し中。

24日
石川橋
石川田圃にコサギ2、アオサギ3。稲の葉がだいぶ伸びてきたので、コサギは頭の部分が見えるくらい。アオサギも首の中程から下は隠れている。ハクセキレイ3。こちらの移動の方向へ2羽が逃げていく。ところが、お互いの姿が見えると逃げていることは忘れて相手を追い回すような飛び方になる。追う方が相手を追い越す、こちらが自転車で迫る、思い出したように逃げると今度は目の前に相手の姿が、追う、ということを3回繰り返した。モビングの衝動は強大な敵よりも強いものなのかも知れない。
大庭遊水池
アオサギ1遊水池から対岸大庭神社に連なる段丘に飛ぶ。ミズキと思われる木に止まる。もう1羽サギ類のシルエットが見えた。遊水池内の水たまりにもアオサギ1。セッカ1。オオヨシキリのさえずりが聞こえない。この3日間で繁殖の期間は終わったのだろうか。

番外編:28日
東京・北の丸公園
カラス・スズメ・ドバト・ヒヨドリの羽根を拾う。ドバトは全身の羽毛。カラスの食痕のよう。

31日
上村橋
家禽と思われもの1。以前から冬になると北高付近にいるのと同じ色合いの奴で、私にはわからない鳥。コサギ1。カルガモ4。少し離れてカルガモ成鳥1。幼鳥7。幼鳥の体長は15cmほど。ずいぶん遅い繁殖のように思えるが、こんなもんなのだろうか。


ゴイサギ 
 五位の位を授かったから五位サギという。平家物語巻五『朝敵揃へ』に「延喜の帝神泉苑に行幸なって、池の汀に鷺の居たりけるを、六位を召して、「あの鷺捕って参れ」と仰せければ、いかんが捕らるべきとは思へども、綸言なれば歩み向かふ。鷺羽づくろひてたたんとす。「宣旨ぞ」と仰すれば、ひらんで飛び去らず。即ちこれを捕って参らせたりければ、「汝が宣旨に随って、参りたるこそ、神妙なれ。やがて五位になせ」とて、鷺を五位にぞなされける。今日より後、鷺の中の王たるべしといふ御札を、自ら遊ばして、首に付けてぞ放たせたまふ。」とある。延喜の帝つまり醍醐天皇が神泉苑で鷺を王威によって捕まえさせたという語源説話になっている。

 出来過ぎた話で、語源としては「鳴き声から」(日本国語大辞典)という方が本当のところだろう。
 先日、中世史学の五味文彦先生の講演に出る機会があった。先生によると、六位と五位では雲泥の差で、たとえば蔵人でも六位だと早々に引退して地方に赴任、しかし五位の蔵人は中央での出世が約束されているということだった。なんか今の国家公務員と同じなんだね。今でも同期入省者が次官になると他の者は全員引退するそうだ。それで各省庁は天下り先があんなに必要なんだということだけど、天皇も鳥になんぞ位をやらないで、捕まえた六位を五位にしてやればいいのに。


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