花粉症2003年


今年もそろそろ国民病とも言われるような花粉症の季節がやってきました。通常、花粉症と言えばこの時期のスギ花粉症の事をさすことが多いけれども、その他にもブタクサ花粉、イネ科花粉、ハンノキ花粉、ヒノキなど1年中存在している。

スギ花粉は2〜5月に花粉が飛散するのだが、これが特に大量に集中して飛散する事から症状が重く、現在国民の2割位かそれ以上が花粉症と言われているようだ。昔に比べ、生活環境、ストレス、食生活、大気汚染などにより花粉症は近年うなぎのぼりにふえ続けていて、日本人の3人に1人は花粉症を含め、何らかのアレルギーを持っているとも言われている。当院にも、この時期には花粉症の患者さんが結構来られる。でも、花粉症が主訴というよりは、腰痛、肩凝りそのうえ花粉症まであるという方が多い。

さて、花粉症にオステオパシーや鍼灸などは効果的であろうか?実は効果的なのである。もちろん全員ではないけれども、全く花粉症の症状が消失した方もいるし、なんらかの改善がなされる方が大多数である。治療の仕方だが、まず背骨や骨盤に異常がある場合は、これを先に解決するようにしている。今迄診た患者さんで花粉症をもっている方は、腰や骨盤よりは上部胸椎、頚椎に問題がある方が多いようだった。それから、頭蓋骨の異常を調べてその調整を行うわけだが、鼻汁や鼻閉に関しては、特に上顎の骨の上顎骨と頭蓋腔の底面をつくる骨で蝶が羽をひろげたような形の蝶形骨との関係が特に関連している事が多かった。目の痒みに関しては、耳のあたりの側頭骨と蝶形骨の関係を調整する事で解決する場合が多かった。

ちょっと専門用語を使ってしまったが、簡単に言えば頭蓋骨の全体のバランスを調整する事によって、アレルギーに対する免疫機能の改善と顔面部局所の血流が促進された事によるものだと思われる。場合によっては、鍼灸を併用する事もある。これは、局所的の血流を促進させて症状を改善させたり、経絡の異常を調整したり、または鍼によって頭蓋骨の特に硬い縫合をゆるめたりする場合もある。でも、顔面に鍼を打つため、怖がる人には行わないようにしている。

また、特に症状のひどい人には、ある程度長期にわたって継続して治療してアレルギー体質の改善をはかるようにした方がいい場合もある。花粉症に悩まされている人はとても多い。治療にはいろいろな方法があり、またいろいろな情報が氾濫している。人それぞれいろいろ自分に合った方法で対処しているものと思われるが、もし現在の状態に納得していなかったり、病院でもらった薬を飲み続けるのが嫌になった方は、こういう治療法も選択肢の一つとして考えていただければ幸いだと思う。



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