web版ロール・プレイング研究

セッション1

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第4回ロール・プレイング特別研修会の記録   工事中です。

第3セッション 監督 林 覚

  1. プレイ1
  2. プレイ2
  3. プレイ3
  4. プレイ4
  5. プレイ5
  6. 感想・まとめ

林  最初は私がやってそのあと、伊藤さんにまとめてもらいましょう。記録にばかり気をとられないようにしてください。さきほどのプレイにもあったけれど、子供は母親の期待に添うような役割をとっている。そこには発展がない。 RPの目的は、子供が自分から役割をとっていけるようになるということ。それが本来の喜びになり、相互の発展につながることになる。RPだけで生きられればハッピーだけれど、現実はそうもいかない。現実と合わせていく自分と一方では夢を実現していく自分とがあって、両方がかみ合うような生き方ができれば、いいのですが。

林   夢をやってみましょう。親に関心を持たれない子供が夜どんな夢を持つか。現実に満たされないことを夢で満たすようなことが起きるのか。現実には満たされなかった子供の夢の世界をやってみましょう。どなたか、吉川さん、子供をやってください。一人で夢を見られたら、結婚するとか家庭はいらないでしょうね。夢を見るためには支える人が必要です。夢を支える、ふくらませる二人、楽しくさせる元気づける天使みたいなものですね。三浦さん天使をやってください。山越さん天使を。 勝手に進めてますが、何か疑問があったら後でお願いします。


林  昼間お母さんに相手にされなくてしょぼんとしている子供。この子を支える天使2人という設定です。天使は「どうしたの?」からはじめてください。あとは思いついたことを語りかけて。


プレイ1

子供  みえ子     天使   ジュンコ  タマキ



タ  トントン  入ります。 (みえ子 口を聞かない)

ジ  落ち込んでいるみたい。どうしたの?

タ  悲しいことがあったの? どうしちゃった?(手にさわる)

タ  (ジに)楽しい日だったよね。 食べるの好きだものね。

ジ  みえこちゃん、楽しいことあった?

み  ううん(首を振る)(食べるの好き?)うん、ケーキ。(どんな?)うーんとね、ショート・ケーキ。(ジュン子は?)

ジ  同じ。ショート・ケーキ。あとモンブラン。(どんなの?)まるくて栗のクリームの。みえ子ちゃん食べたことある?

み  モンブラン好きだけど。食べても今日は楽しい気持ちにはならない。(ない?どうして?)うーん。あのね、お母さんが昨日の夜   遅く帰ってきてね。お弁当買ってきたの。本当は一緒にごはん食べて、お話したかったんだけど。遅くてできなかった。

天使 さびしかったね。

  

感想

林    はじめてやってみてどうでしたか。

吉川   笑っちゃいそうでした。養護教諭なのでいつもは逆の立場です。保健室なら怪我しているとか理由がある。何もなくては言      えない。悩みを言うと関係ない人に言うと自分を全部出すことになる。お母さんのことを言おうとするときは、ぽろぽろ泣くよ      うな気分になりました。(林 こわいって感じですか?)いえ、安心感で。聞いてもらえるという感じで。

三浦  何と話しかけていいのかわからないので、とりあえず「どうした?」と。返事がないので困った。あとは山越さんが言ってくれ      たので、私は聞いていました。言葉を引き出すまでに時間がかかるし、糸口を見つけるのは大切なこと。

山越  表情がほんとうに悲しそうだったので、演技なのか、現実なのか、分からなくなりました。かたくなだった、みなさんに見られ     ているので何かしゃべらなければと思った。現実だったらもっと間があくだろうと思う。遠いところからだんだんと聞いていこう     とした。(ケーキの意味は?)ケーキが好き、楽しい話しをすれば糸口になるのではと思った。

林   子供がだんだんしゃべれるような気持ちになっていったのはなぜでしょうね。ケーキの話しはどんなふうに感じましたか。

吉川  ケーキなら自分の気持ちは悟られない、一問一答で答えられるから。そのうち話しをしてみたいという気持ちになった。この      天使は心を開けば聞いてくれそう。迷いがあった。言ってはいけないかもと気を使っていた。

赤羽  天使に手を触られたときはどんな気持ちでしたか。

吉川  上から見られているよりは親近感がわいた。

赤羽  天使は沈黙を長く感じていたようですが、沈黙の中にも溶け合うものがあったような気がします。天使は全身を傾けて聞いて     いたようですが。
  

吉川  そらしました。見下ろされるような位置だった。


林    上から見下ろすのでは支える関係でなくなる。私の指示がいけませんでしたね。申し訳ない。

赤羽   (天使に)上から見ているという気になりましたか。それが気になって、同じ立場になるためにケーキの話題を出したのか。

山越   気持ちは寄り添いたいと思うのだが、座りに行く勇気ない。演じられなかった。

赤羽   保護者的なフォローですか、それとも仲間としての。

山越   最初から仲間としての意識です。体の動きがだめで演じられなかった。

三浦   できたらもう少し寄り添いたかったが緊張して、中腰になれなかった。

山内   ノックは心のドアが叩かれたという感じ。ノックした後どうでしたか。

吉川   緊張しててノックは気がつきませんでした。入ってきたとき、「来た、来た」と。(期待感?)不安はあるが、期待はない。

赤羽   天使なのに挨拶して入りましたね。

山越   どうやって入ろうかと考えていたら、三浦さんがノックしたので、黙って入るわけにはいかないと。

林    ノックは挨拶、礼儀、尊重の意味がありそうですね。そういう関係があった。ばあっと入ればまた違った印象になったろうし、     山内さんが言うように天使の顔をした悪魔かもしれないし。
     今回は初めての方が多いので、みなさんに体験的に出ていただこうと思います。では、吉川さん戻っていただいて、三浦さ      ん子供を。山越さんはそのまま、亀村さん天使で。 舞台は心の世界ですから、ここに入ったときから関係がスタートするの     で。子供はかなしいことがあって、今夢の中です。

山越   (また天使では)同じになってしまいそうなんですけど。

林     同じになってもいいんですよ。こちらのこどもを見てどうするか、演じてみてください。

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プレイ2

子供 ジュンコ  天使 タマキ  ミキ


天使   ミキちゃん 行こう。  (子供に)こんな所でいったいどうしたの。(のぞきこむ 子供の顔つつく)何か困ったことあった(首      振る)おなかすいてる。お名前は?(小さな声で)な・ま・え(子供ささやく)ジュンコちゃん。座ってもいいかな。(うなずく)楽し      いお話しよう。

ミ    かわいいお顔だね。お顔見せて。

タ    悲しいの?話したくない?つまんないね。

ミ    何か飲む?なんでもあり、乾杯!(みんなで)おいしいね。

ジ    うん。


感想

三浦  プレイ1の印象があって、とにかく落ち込んでとても話す状態じゃない 自分の中で巡っていて、何を言われているのか気づ     かないくらい。ふれられて、まわりがにぎやかになって、まわりにだれかいると気づいた。

林    落ち込みの気持ちはこのプレイの最初と最後でどうなりました?

三浦   乾杯したときなにほんとうは「今日ご飯を食べていない」ということを言いたくなった。

林    なるほど。それでは交代しましょう。濱さん、天使で。山越さん子供。

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プレイ3

子供  タマキ    天使  ミキ  ハマ


ハ    (ずっずっと入ってきて座り込み両腕をとって)どうしたの?

子供   どうもしない。(ハ 悲しそう体を揺する)なんでもない。

ミ     とりあえず本人はなんでもないっていってるから。(と止める感じ)じゃ、大丈夫だね。何か楽しいことしない?

子供   気が乗らない。

ミ     座ってもいい?(まあいいけど)

ハ    驚いてるみたい。


感想

山越   天使をやってて切り替えがつくかどうか心配だった。天使が急にどんどんと入って、がしっと手をつかまれて、悲しいことが      あったはずなのに驚いてすっとんでしまった。座ってもいいかと聞かれた時は向き合っていいのか背を向けた方がいいの       か動揺した。
 

濱    実はこういうことが実際にあった。どうしたと聞いたらわっと泣いて抱きついてきた。(林 はじめての関係の子ですか?)い     や、2・3回めですけど。保健室で何度か会って。見知った顔なので、どうしたのと聞いたら。天使ならなんでもありかなと演       じた。

亀村   どうしようかなと思って。本人が「大丈夫」なら楽しいことに誘えるかと。

林     (子供に)天使に見えましたか?

山越   ハは悪い人ではないが、構えてしまった。ミはこちらの意思聞いてくれた。積極的に関わりたいとは思わなかったが、拒否      をするようなこともないので、いいかなぐらい。

林     ノックとかそういうプロセスが関係づける大事な所かもしれないですね。  では交代しましょう。 ノックして確認していた       だいて、この子の気持ちを大事にして。

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プレイ4

子供   ミキ    天使  A(濱)  B(吉川)

B     とんとん。こんにちわ。なんかさみしそうだけどどうした?(天使しゃがみ込んで見上げるような感じ)


子供   別に。


B     ミキちゃんは私たちとお話してくれる?


A     私、見える?よろしくね。

B     横に座っていい?


感想

亀村   自分は名乗らない。相手は誰なんだろう?何に誘おうとしているのか。何をされるのか。

林     警戒はどこでおこったのですか?

亀村   短い時間で近づいてきた。100lの関心を持っている。

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プレイ5

子供 濱     天使


濱   どんな格好してもいいんですね。

濱   眠いの。ママが嫌いなの。みんな私のこと嫌い。つまんないって言うの。いい子なんだよ。感想文でいい点とったのに、つまんないって言う。やっぱりつまんない!ママ私のこと あのねテストでいい点。作文も、ママのことでいいこと。ママはテレビの方がいい。うれしかった。ママねちゃった。疲れてたのかな。お酒臭い。言ったら怒った。
(終わりそうになる)

林   もう少し続けたいのですが。

濱   たぶん顔を伏せて寝る。

林   無防備

濱   拒否

林   夢の中のシナリオライター

濱   小2なら普通には座っていない。

三浦  よくしゃべってくれた。話しはしやすい。

吉川  沈黙よりはいい。

林    最初は心配しましたが、出れば言えるものですね。

役割交代。

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6感想・まとめ

濱   天使の時は距離感が難しい。

亀村

山越  行く者と来られる者との違い。

三浦  間近に来られるほうがいい。

吉川  両方やってみないと両方の気持ちがわからない。

林    心理学的な男女。

伊藤   珍しい設定。家庭訪問を連想した。夢というと楽しいものという印象があるが、必ずしもそうはならない。天使も辛いかもしれない。

林   三人出てもらったのは、今まで二人でプレイすることが多かったが、家族の問題を考える場合、三人というのも重要だと考えたから。

伊藤  夢は見られたのでしょうか。三人という言うより、2対1の関係のようだ。天使は2人で1人。言い換えれば、1対1の関係。しかし三人いれば、それぞれの関係ができる。

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