引地川野鳥記

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6月野鳥記

98年6月
18日
大庭遊水池 18:00
カルガモが雛を3羽連れて泳いでいる。かなり大きくなっていて2週間は立っているかも知れない。岸辺に立っているこちらをじっと見てから足早に通り抜けて行った。オオヨシキリの声が少々静かになっている。個体数そのものは変わらないのではないかと思われるが、声量が落ちたように感じられる。イワツバメ、ツバメ、セッカなど。
4日
天神橋 18:00
イワツバメの巣立ち雛30。電線に止まっている。止まっているのがやっとという感じ。

大庭遊水池 18:05
オオヨシキリ、さえずり多数。5月に比べて増減は感じない。アオサギ、飛ぶ。



97年6月の野鳥記

3日 茅ヶ崎市東海岸

 5月頭から鳴き声が聞こえだした、ムクドリが巣立ち。庭のセンダンの木に止まっている。親が給餌。


6日 茅ヶ崎市東海岸

 庭のハクモクレンにスズメ幼鳥2。親が給餌。


7日 湘南台高校外周路西側

 ムクドリ群が樹上にあつまる。鳴き声がうるさいくらい。


8日 上河内橋

 桜の木にムクドリ30。実を食べる。多くは羽色が薄く、幼鳥。田植えの終わった円行田圃にも小群、羽色の濃い成鳥と薄い数羽の幼鳥グループ。こちらが近づくと成鳥はすぐに逃げるが、幼鳥は鈍い。川内の砂州ではスズメが水浴び。


9日 馬渡橋

 西岸は茅原になっている。ツバメ10、イワツバメ10。巣立ち後の幼鳥もまじるか。


13日 馬渡橋

 雨の翌日はツバメ群(8:00)見えない。(午後通るといた)


14日 秋本橋付近

 5月にはずいぶんいたサギ類にとんとご無沙汰。どこにいったんだろう。


16日 大庭遊水池

 今週は少し仕事をしないで、あんまりいかない遊水池に出向く。葭原の中で、オオヨシキリさえずり3。セッカ1。オオヨシキリは姿が見えず。3はおおよそ。こちらが移動している間に彼も動いているかも知れないが。以前赤羽田圃で観察したときはほとんど場所を移動しないでさえずっていたから、ここでもそうだろう。ツバメ2・イワツバメ2。


19日 大庭遊水池芝生

 舟地蔵交差点より遠望。ムクドリ50芝生上で採餌。9707台風近づく。


20日 9707台風上陸。

 引地川増水。1bほど水位が上がる。さすがに鳥影なし。スズメ1、キジバト1。彼らはたくましい。


21日 上河内橋から高山橋まで2往復。さらに柏尾川から戸塚へ。台風一過、横浜30度!


 07:50馬渡橋のツバメ群見えず。昨日の暴風心配。

 08:00ツバメ巣立ち雛4。湘南台高校校舎庇で親から給餌を受ける。

 14:00大庭神社付近、水田。キジ雄1。こちらから3bほどの所をゆっくりと歩く。

 16:00柏尾川金井公園カルガモ幼鳥4。成鳥2。引地川ではカルガモ幼鳥未見。

 16:30天神橋で1.5bのアオダイショウ。もっと長かったかも知れない。城下橋コサギ1、同じく石川橋でも1。

 18:00上河内橋からカルガモを探すが、成鳥1が泳ぐのみで、雛など見えず。

 18:30湘南台橋東詰ネムノキ咲く。馬渡橋コンクリート護岸に休息するツバメ5。石垣状刻み目にへばりつくように止まっている。


22日 大平橋から大庭鷹匠橋まで
長久保緑橋  
 キンクロハジロ雌1が肩に首を埋めて休息。こちらに気がついて、ゆっくり移動。下尾筒が白い。コハクチョウ1。先週新聞でも報道された。目の下のこぶが見えなかったので、コブハクチョウではないと思ったんだが、羽をあげて泳いでるのはコブの特徴だそうだ。見慣れないものだから、分からなくなってしまった。ちゃんとフィールド・ガイドをもってかなければだめだな。明日、もう一度行こう。
高名橋
 カルガモ幼鳥1。昨日柏尾川でみたものより、やや大きいか。他に体長が成鳥なみの幼鳥5。
天神橋
 橋下、イワツバメ営巣。10巣以上はあるだろう。橋桁でよく見えない。
大庭遊水池 
 今日はオオヨシキリの数をきちんと数える。5。口の中の赤いのもよく見えた。

24日 湘南台橋から大平橋まで
円行大橋
 橋の上から川をのぞき込んでいる人がいたので、もしやと思って見たら、カルガモの幼鳥5と成鳥2。幼鳥はかなり大きくなっていた。自転車ですっ飛ばしているばかりでは、なかなか見つからないものだ。
馬渡橋
 トビ1。水面より3bほどを飛ぶ。急に降下して水面から30pに。着水するのかと思ったけれど、そのまま飛び去る。何をしたかったのだろう。
大庭遊水池
 オオヨシキリよく鳴く。今度何羽くらいいるか、しっかり調べなくては。セッカの声は聞こえず。代わりにホオジロさえずり1。
清水橋
 親水広場のクチナシ咲く。上村橋ではヤマモモがなる。18:30鳥影少なし。
長久保緑橋
 おとといの白鳥再見。やはりコブハクチョウ。よく見なければだめだ。ここは親水護岸、東岸から水近くまでおりることができる。降り口には鉄製のオレンジ色のゲートがある。前の鉄工所で作ったんだろうか。おばあさんと孫か、小さな子が降りていくとコブハクチョウは近づいていく。だいぶ人慣れしているようだ。キンクロハジロは見えず。 

26日 湘南台高校
 ハクセキレイ幼鳥を高校生が保護。たまたまこちらに回ってきたので、巣立ち雛は多くの場合保護する必要がないことを説明した。しかし、歩けない様子だということで、しばらく様子を見ることにした。大丈夫なようなので彼らが取りに来るのを待っていたが、来ない。どうも意思の疎通を欠いたようだ。落ちていたと言うところに返してみたが、時期を失したかもしれない。  

28日 秋本橋
 資材置き場の上にツバメ、イワツバメ合わせて20。群れる場所は動くのだろうか。以前は馬渡橋に多くいたのに。9708台風九州に上陸、夜には本州を通過。雨・風7号ほどにはならない。鳥には関係ないが、土師淳君事件犯人逮捕、顔見知りの中学3年生。二重の衝撃。ついでに代表オマーン戦1-1引き分け。一次予選無事通過。


29日 大河内橋
 石川田圃にアオサギ2、コサギ1、カルガモ6。すべて同じ一枚の田にいる。アオサギは採餌した様子。遠くで何を捕らえたのかよく見えない。天神橋近くの聖が谷田圃にもアオサギ1。アオサギを見たのは5月20日以来。秋本橋にツバメの群れなし。

30日 
馬渡橋
 カルガモ成鳥1、生まれて間もない雛7を縦列で連れ、群泳。実に可愛らしい。
山田橋
 アオサギ1。久々の川面登場。「お帰りなさい」と声をかけたい気分。
石川橋
 石川田圃にアオサギ6。ほとんど同じ一枚の田にいるので、なかなか印象深い風景である。幼鳥もいるようだが、肉眼(また双眼鏡を忘れた)の上に、逆光でよくわからない。
大庭遊水池
 川西岸に千鳥1。脚がオレンジないし、黄色。スズメよりやや大きく、ムクドリより小さい。岸壁にたたずみ、ときどき上下動。脚の色、顔面のパターンから見ると、コチドリかイカルチドリ。大きさあるいは飛びながら鳴く声がピョー、ピョーととぎれとぎれなので、コチドリか。ここでも双眼鏡がないので、目の周りのリングが確認できない。高野伸二『野鳥識別ハンドブック』で調べたら、後は翼条の区別で識別するようだが、遠かったのと翼条に対する意識が薄かったので、自信がない。
城下橋
 カルガモ同争。一羽が上になり首のあたりをかむ。かまれた方は離れても水面下に完全に没し、逃げる様子。優位に立っている方は執拗に追い回す。
舟地蔵公園
 コゲラのドラミング。あのギーというドアがきしむような鳴き声はよく聞くが、ドラミングのほうはここのところ聞いていなかった。



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ムクドリ 
 椋の実を好むからとか、「群来鳥」からとか、里になじみ深い鳥だけにいろいろな語源があるようです。冬には数百羽単位で行動するので、ねぐらのそばを通る時はちょっと驚異すら感じますね。円行公園にねぐらがあって、冬の夕方にはえらい騒ぎです。散歩してる若いお母さんなんかが、見上げては子供に不安そうに何か言ってます。ヒッチコックの『鳥』のことなど連想してるのかな。「最近、異常気象だから」という会話が聞こえてきたことがありました。昔、江戸では信越方面からの出稼ぎ者を「椋鳥」と呼んだそうです。やはり、群れて来たからでしょうね。
 秋の渡りの時期に一度、円行の群の中にコムクドリを10見る。(たしか、92年10月)  3日に戻る


茅ヶ崎市東海岸
 harabinのホームです。引地川とは距離がありますが、まあお許しください。ここから藤沢市円行までの10qほどの距離を自転車で通っています。    6日に戻る


カルガモの繁殖
 3年来、上河内橋で必ず見るのだけれども。一昨年から護岸工事等が入って環境が変わっているのが、心配。昨日の増水も影響ないだろうか。     21日に戻る


サギ類
 2週間ぶりにサギ類を見る。どこに行ってたんだろう。時間が合わなかったのかな?『鳥類目録II』(日本野鳥の会神奈川支部)によれば、繁殖は相模川流域で行われるらしいから、6月のサギは向こうに多いのかもしれない。今日見たのは繁殖帰りか、あるいは失敗したのか。そういや少し寂しそうな。   14日に戻る


アオダイショウ
野鳥の会神奈川支部報『はばたき』に97年2月まで連載されていた「へびにかかわる長い長いものがたり」(柴田敏隆)が面白くて楽しみに読んでいました。4年間に渡る連載でしたが、月一なので、字数にすると20,000字くらいかな。50枚くらいでは、本にはなりにくいでしょうね。埋もれてしまうのかな、もったいない。連載の中で、ヘビにもカエル喰い・鳥喰いがいるというのがありまして、たしかアオダイショウはその餌の7割が鳥でした。
 以前、隣の家の軒先にアオダイショウがセンダンの木を伝って乗り込もうとしたことがありました(今年ムクドリが営巣した)。スズメの警戒声があんまり続くので気がついたのですが、結局乗り移るのに失敗して、落ちてしまいました。そのとき繁殖をしていたのはスズメでしたね(毎年、そこはムクドリと取り合い)。あれ以来、へび君は見てません。失敗して恥ずかしいのか、はたまた近所の空き地がなくなったので、引っ越したのか。   21日に戻る


ネムノキ
 毎年、湘南台橋東詰め南側にあるネムノキが花をつけます。『奥の細道』象潟の芭蕉句は「象潟や雨に西施がねぶの花」。薄暗い雨の中、美人の眉に宿る雨滴。合歓の花はこんな天気の時に、ぽかりとそこだけ灯がともったように見えます。絵画的な句は蕪村の独壇場かと思いましたが、芭蕉もさすがです。しかも薄倖の美女西施の背景に、松をいただいた多島海を置くすごさ。松の深緑と浅いながら暗い色をした海、梅雨空、そして合歓の花の配置に思いを致すべし。   21日に戻る

キンクロハジロ
 普通、繁殖期は北へ渡るはず。金色の目と後頭部の冠羽、海ガモ類特有の喫水の高さなど、キンクロハジロに間違いなかろう。カルガモとやや離れてはいたが、一緒に行動していた。カルガモにくらべると一回り小さかった。  22日に戻る

オオヨシキリ
 とにかくよく鳴く。夜も鳴いている。行行子とも呼ぶのは、その鳴き声から。ギョギョシ・ギョギョシ・チカチカ。そのほかに吉原雀とも言うそうだ。遊郭吉原に出入りする遊び人のこともそう呼ぶ。早口で多弁でやかましくて、まあ夜も鳴きっぱなしってところも似ているだろうし。

アオサギ
 首の長さがグロテスクな印象を与えるのかも知れない。しかし、飛んでいる姿は翼が大きいせいか、たいへん優雅で美しい。トビとほぼwは同じ160pだが、胴体の感じからだろう、長く見える。

コチドリとイカルチドリの識別
 高野伸二『野鳥識別ハンドブック』(日本野鳥の会)によれば、「【イカルチドリとの見分け】色彩や斑紋はよく似ているが、イカルチドリのほうが大きくて嘴が長く感じる。足の色がイカルチドリのほうが淡い。目のまわりの黄色いリングがコチドリではよく目立つ。顔の黒色部の色がイカルチドリのほうが淡い。飛んだ時コチドリでは翼に何の模様も出ないが、イカルチドリでは淡色の翼条が出る。繁殖期に旋回飛翔をする時、コチドリはビュービューという声を出すが、イカルチドリでは、ただピッピッピまたはポインポインという声を続ける。イカルチドリのほうが上流まで住んでいる。」ということだ。
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